今読んでいる本。「ゴールは偶然の産物ではない

著者はフェラン・ソリアーノといって、サッカーの名門クラブ「FCバルセロナ」を最高経営責任者である副会長として2003年から2008年までクラブの経営を担い、就任前年に赤字だった状態から1年で黒字化、さらに成長軌道に乗せたプロの経営者である。

氏のメッセージは明確。
それは、どんなフィールド(業界、業種)においても基本的な経営のセオリーは共通である、ということ。サッカー界を引き合いに出している。

ただし大事なポイントは、各業界それぞれのフィールドの特徴、勝ち方のポイントは異なる、ということ。失敗しているケースでは、「この業界は特殊だ」と叫んで論理的な分析を試みようとしない、もしくは、過去異なる業界で得た成功体験を「ルールの違う」業界にそのまま用いようとし、失敗しているかのどちらかだが、いずれにせよその原因は経営者の「努力不足」にあると手厳しい。

実は氏とは4~5年前、バルセロナが日本で横浜・F・マリノスと親善試合を行うため来日した時にお会いし、意見交換している。
その時、チームはまだ改革の途上ではあったものの、成功することについて何の疑いもなく、また確信に満ちた目でバルセロナの戦略を語っていたのを思い出す。

「原因があるからこそ(つくるからこそ)結果が出る。」
著書はこの言葉の意味と重要性を改めて再認識させてくれる。

サッカーに興味のある方はもちろん(ロナウジーニョの移籍の裏話などファン垂涎の話が山のように。何を話せば読者は食いつくか、熟知している。笑)、サッカーに興味のない人も、ぜひお奨めしたい本である。