今、Toshlのカバーアルバム『IM A SINGER』を聴いている。


 私はToshlのハイトーンボイスに魅了されているひとりだが、彼の魅力はハイトーンボイスだけではない。類稀なる歌唱力と音程の良さは天性のものだと思う。


 そして、よく『歌には歌う人の人生が表れる』というが、今の彼の声は、XJAPANを脱退した97年とはかなり異なっている。


 端的に言うと、情感が増し、その声に神が宿るようになった。


 若い頃から歌が上手い人ではあるが、20代の彼の声は、Yoshikiが書く天才的な楽曲に押されがちな印象があった。


 今は、XJAPANのヴォーカリストというより、独立したシンガーとして圧倒的な歌唱力と表現力を併せ持つ唯一無二の存在となった。


 XJAPANでの活動が、彼にとっては、長い長い下積みだったのかもしれないと思わせるような素晴らしさがこのカバーアルバムにはある。


 様々な困難を乗り越えてきたToshlが、長い時を経て、その天性の歌声にこれからどんな情感を込めるのか、私はますます目が離せなくなっている。