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世の中に 人の来るこそ うるさけれ とは言ふものの お前ではなし

今回の紹介は、和歌。


『恋ひ死ねと するわざならし むばたまの 夜はすがらに 夢に見えつつ』






前回に引き続いて、またもや夢。

古今和歌集より、読み人知らずの歌です。


この歌、和歌にしては随分と強烈な言葉を使ってると思いませんか?

“恋ひ死ね”だなんて。


解釈は


あなたがずっと夢に出てくるのは、焦がれ死ねと言うことなのですね。

(焦がれ死ねということですか、あなたがずっと夢に出てくる)


そのまま訳すと( )の方なんですけど、逆の方が耳馴染みがいいんじゃないかと思って入れ替えてみました。



前回、解説させてもらったように夢を捉えるならば、相手が自分を想うから出てきてる訳で。

逢えないのに、変に期待してしまって焦がれ死んでしまいそうだ・・・ってことになるし。


普通に捉えるならば、夢で逢えたことを嬉しく思いはするものの、夢に出て来すぎて。

実際に逢えないことが辛くて、焦がれ死んでしまいそうだ・・・になるし。


どっちにしろ、焦がれ死ぬほど切ないってことに変わりはないんですよね。


だから“恋ひ死ね”だなんて言葉が使われているのかな。

それだけ切なさが溢れ出ている気がする。



でもま、そんな風に想う(もしくは想われる)相手がいるなんて幸せだと思いますw

それに、そう思っているうちが華なんじゃないか・・・なんて思ってしまう自分は、もう枯れてるんでしょうかねw



JEKYLL