皆さんにお伺いしたいんですが、「人の答案の書き方を真似る」という行為についてどう思いますか?

 

過去問の答案や問題集の答案を作成するに当たって、参考答案の書き方などを真似するのをすごく嫌う人って一定数いますよね。

 

確かに、「参考答案を見ながら書く癖がつくといつまで経っても自分の頭で文章を考えて答案を書く力がつかない」というのは一理あると思います。

でも、それ以前の問題として、「初学者が答案の書き方例なども見ずにそれなりの法律答案を書けるほど、法律答案って簡単なものなのか?」と思うところもあります。

問題提起→規範→当てはめのいわゆる「法的三段論法」ですとか、憲法のいわゆる「三段階論証」、刑法の「実行行為→結果→因果関係→故意→違法性→責任→結論」という答案構成のお作法ですとか、あの辺りの話って、法律の勉強をそれなりにやりこまないと分からないもので、例えば「純粋未修ならともかく法学部出身者なら誰でも理解している」といえる程度のレベルじゃないと思うんですよ。

 

あくまでも私の私見なので異論もあるかと思いますが、私個人としては「初学者のうちは、人の答案の書き方をとにかく真似るのでいい」と思っています。真似ながら、「なんでこんな風に書くのか」ということを基本書や予備校本を参考にしながら考えていけばいいと思いますし、真似て書いたものを自主ゼミなどで出してもいいと思います。ただし、そのようにするならば、元ネタの間違いも自分の間違いとして受け入れなければなりません。間違っていることにつき猛烈に自主ゼミで叩いてもらって、それで少しずつ自分なりの理論を形成していく。それでいいんじゃないかなと思っています。

 

実際に私も、初学者のうちはぶんせき本の優秀答案例やネットに落ちている答案例をよく拝借致しました。最初のうちはネットに上がっている答案例はどれもめちゃくちゃ優秀答案に見えて何の疑いもなく答案例が正しいものと思って参考にしていましたが、勉強が進むにつれ、「結構嘘っぱち書いてるな」とか「規範の理由付け何もなくない?」とか「事実評価雑すぎるやろ」などなどの批判的意見が形成されるようになり、それと同時に見なくても答案めいたものは書けるようになってきたように思います。

 

そのような経緯があるからこそ、私自身の答案もこうやって公開することで、「どこかの初学者の人が参考になれば幸い」「その人の勉強が進んだころに、『あそこのブログ、結構間違ったこと書いてたなぁ』とか思ってもらえればいい」くらいの気持ちでこのブログを書いています。

 

なので、私のブログに書いてある答案例は、皆さんご自由に使っていただいて結構です。但し、上述したように、内容が誤っているなどによるリスクも各自でご負担いただくことについてはご了承ください。