「共産党は自由な社会をめざしているのだから、党内のあり方も自由であるべきではないか」という意見に対し、2月25日の赤旗『政党のあり方と社会のあり方の関係を考える― 一部の疑問に答えて』にて回答が書かれています。

その中で、「政党のあり方と、社会のあり方――とりわけその政党が政権党になった場合に、その社会がどのような社会になるのかとは、もちろん無関係ではありません。」とあります。この見解は私が把握する範囲で初見で、長年の党の考え方に変化があったのではないかという気がします。

無関係ではないというのはその通りです。

党員を議会へ送らず、いわば完全に党内で完結する政治団体であれば、それでも構わないかもしれません。しかし、議会で勢力を伸ばして、やがて政権獲得を目指しているわけですので、主権者である国民・有権者に対する理解は必要になります。

問題は、「民主的な社会をめざす政党ならば、その党内のルールにおいても民主的運営をつらぬくことが求められるのは当然であり、わが党はそのための努力を重ねています。」と書かれているにも関わらず、実態がそのようには理解できないところ、そして、そのような世間の受け止めを党が一顧だにしないところです。

ネットを見ていると一部の党員（と思われる人）にいたっては、非党員がこの問題について批判することを、結社の自由を尊重していない、などと言っているのですが、党勢拡大・議席増のためには、政策の中身だけでなく、組織のあり方でも共感を広げていく必要があると思います。何を言っているか？だけではなく、誰が言っているか？も重要な要素です。実際、政策以前に組織体質がダメなので投票しない、という人は過去にいました。

政党の組織運営のあり方は、自主性・自律性によって決めるべきものではありますが、内側の論理にこだわってばかりいては、なかなか対外的な理解は得られないのではないでしょうか。

「とにかく世間の反応に合わせて変えるべき」という話ではありません。ただ、バランス感覚は必要だと、組織改革を望んでいる私としては補足的な意味として思います。

赤旗記事『政党のあり方と社会のあり方の関係を考える― 一部の疑問に答えて』について