前回の続き

聖書の学び140《ルカ14:5〜》

5,それから彼らに言われた。「自分の息子や牛が井戸に落ちたのに、安息日だからといって、すぐに引き上げてやらないものがあなたがたのうちにいるでしょうか。」

 イスラエル人は安息日には家畜は救わない。エッセネ派のような厳格な人たちは、本当に家畜は救わない。しかしパリサイ人は、自分たちのお金のことを思う、商売を思うと救う。パリサイ人の家畜は、捧げる生贄のための家畜。それはイコールお金。お金に関係あることは、もう少し緩やかにしようよ、というのがパリサイ人の考え方。ビジネスをやってるのは彼らだから。イエス様は、水腫の人は助けないのに、お金に絡むことは助けるのはおかしくないかと言っているのだ。

 パリサイ人たちは、イエス様の質問に答えることができなかった。なぜなら井戸に落ちた牛を助けるのは、いいじゃないかと思っているから。しかし答えることができない、っていう状態はどういう状態か。自分は無知ですと言っているようなもの。パリサイ人たちは、ここで簡単に言ったら、イエス様から偽善者だと言われたようなもの。この人(水腫の人)の事は助けないのに、お金に絡むものを助けるのはおかしくないか、と面前で言われたのだ。彼らはこう言われて腸が煮えくり返っている。そういう状況だった。イエス様からすると、良い食事会ではない。

7,招かれた人々が上座を選んでる様子に気づいておられたイエスは、彼らにたとえを話された。

 もちろんそんなの当たり前。だって私たちの社会でもあること。誰だって社長のような偉い方は上座に持っていく。自分は下座に座る。それで、ここでは我先にと上座を選んでいる姿があったということ。ユダヤ人にとって上座というのは、その家の主人に近い席のこと。
 話が少し飛ぶが、最後の晩餐の時を思い出してもらいたい。イエス様の隣には、ユダとヨハネがいた。二人が上座をしめていた。ペテロはどこにいたか?下座である。だからペテロは機嫌が悪かった。だからヨハネに、イエス様に聞け、と指示を出す。本来なら 、イエス様の隣にいるのは自分だった。上座をしめてるはずの自分が下座にいるから、それだけで、もう機嫌が悪い。それで上座にいるのは自分より下のヨハネだった。こういうことはありえない。けれども主人がそういう風に選ぶからしょうがない。本来なら年長者であるペテロ様が、イエス様の右手側にいるはずだった。だから俺の方が偉いんだぞ。ヨハネよ、質問しろ!となる。あの場面はそういう姿。

 ここでも、上座である席を皆が我先にとしめていた。そこでイエスのはこう言う。

8,「婚礼の披露宴に招かれた時には上座に座ってはいけませんあなたより身分の高い人が招かれているかもしれないし、
9, あなたやその人を招いた人が来て、『この人に席を譲って下さい。』あなたに言うなら、その時あなたは恥をかいて、末席につかなければならないでしょう。

 席を移動させられたら恥ずかしいでしょう。

10,招かれるようなことがあって、行ったなら、末席に着きなさい。そしたら、あなたを招いた人が来て、『どうぞもっと上席にお進みください。』と言うでしょう。その時は満座の中で面目を施すことになります。

 次が結論。

11,なぜなら、誰でも自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるからです。」

これがルールです。これは神のルール。箴言のところを開いてみると

箴言26:5〜7
愚かな者には、その愚かさに従って答えよ。そうすれば彼は、自分を知恵のある者と思わないだろう。愚かな者にことづけする者は、自分の両足を切り、身にがいを受ける。愚かな者が口にする箴言は、足なえのたれ下がった足のようだ。

 愚か者には、愚か者に従って答えなさいということ。そうしたら自分を知恵あるものと思うことはない。愚かな者にその愚かさに従って答えないで、愚かな者を高くするな、ということ。つまり低い人を、高く上げるなというのだ。そうすると自分の立場をわきまえるだろう。つまり、自分の立場をわきまえなさい、ということ。それが知恵だよっ、と言っている。愚かな人とは、自分の立場がわからない人なんだ、というのだ。だから、愚かな人にどれだけ高い物を与えたとしても、その人は正直高くなることはない。自分をわきまえることができないから。全部無駄に終わってしまうのだ。イエス様があそこの場面で言っているのは、自分の立場をわきまえないとダメなんだよということ。自分の立場をよく吟味して、自分の立場をわきまえないと、恥をかくということ。自分で自分のことをわきまえられるようになる、それが神の国では大事だというのだ。神の国ではペコペコしろと言っているわけではない。自分をわきまえることなのだ。上席を選ぶ人たちは、自分たちの考えでは神の国に入れると思っている。愚かな人達で、自分をわきまえることができない人たちだ。

           つづく