前回の続き
 
イエス様はペレヤで伝道し、成功した。多くの者がイエス様を信じた。けれどもなぜか、エルサレムに戻らなければいけなくなる。ルカ13:22〜は、その道中の話。なぜペレアにいたのに、エルサレムに戻らなければいけなくなったかというと、愛する友ラザロの危篤が原因だ。そこで、ラザロの所に向かう途中の話ではないかと考えられている。ラザロのところへ行く道すがら、イエス様はこのようなことを行っていたということ。

22,イエスは、町々村々を次々に教えながら通り、エルサレムへの旅を続けられた。

 ラザロが住んでいるところはエルサレム近郊。だからそこへの道すがらだと言われている。

23,すると、「主よ。救われるものは少ないのですか。」という人があった。イエスは、人々に言われた。

 なぜこのように聞いてくるのか?この人からすれば、本当に信じる人の数は少なかったのだ。ペレアでは多くの人が信じたが、全体的から見れば少ないのだ。また、ここでのルールがある。ユダヤ人の認識というのは、イスラエル人ならばメシアの国に入ることができる、というルール。異邦人は救われるとさえ思っていない。救われるのはユダヤ人のみと思っている。ユダヤ人で救われる人がなぜこんなにも少ないのか、と彼は聞いたのだ。彼からすれば、イエス様の言葉に応答してくるものが少ないので、不思議なのだ。彼はイエス様をメシアと信じていて、イエス様はメシアなのに、なぜユダヤ人達は皆救われると言っているのに、信じないのか不思議でたまらない。ユダヤ人は救われ神の国に入るという話なのに、だったらなぜイエス様にもっとを応答してくる人がいないのかと不思議なのだ。神の国に入れる人は少ないのではないかと、不安になったのだ。イエス様がメシアだということを指導者たちが拒否し、群衆たちも指導者たちの考えを鵜呑みにしてしまっている。おまけにイエス様も、でっかいことは全然やらない。個人的に伝道を進めているし、最近はちょっと日暮れな感じがするなあと思ったのだろう。このままでどうなるのかなー?と心配になったのだろう。しかしイエス様は、多いとか少ないとかは言わない。

24,「努力して狭い門から入りなさい。なぜなら、あなたがたに言いますが、入ろうとしても、入れなくなる人が多いのですから。」

 イエス様は、多いとか少ないとかは関係ないと思っている。何を言っているかというと、この人にまず、他の人のことを考える必要はないと言っているのだ。何が大切かと言うと、まずは、あなたがどうか?、ということが大事なのだ。他の人のことを心配してあげても、その人が救われるわけではない。なぜかと言うと、「狭い門」と「広い門」がある。狭い門と広い門という表現は、ユダヤ的にはよく出てくる表現。日本人は、「狭い門」と聞くと、難関大学に入るものだと思ってしまう。だから努力して、難関で大学に入るような難しい門を通り抜けて、行くものだと思ってしまう。相当な努力が必要だと思ってしまう。でもそういう事を言ってるわけではない。イエス様は、何を努力しなさい、と言ってるのか。それは「イエス様を理解すること」。何の宗教にも親しんでない人は、イエス様を理解することはまだ容易い。しかし、仏教や他の宗教に根深く親しんでいる人は、イエス様について聞いても意味不明になり、理解しづらい。当時のユダヤの人たちも、指導者たちが教える口伝律法に親しんでいたし、指導者たちがイエス様をメシアとは認めないので、イエス様を理解しづらい。だからイエス様は、しっかりとイエス様のことを知って理解し、決意しなさい、と言っているのだ。「広い門」というのがある。「広い門」というのは、当時のパリサイ的ユダヤ教。ユダヤ人なら、皆救われる、という考え。また、神の国の地位は口伝律法をどれだけ守っているかで決まる、という考え。しかしイエス様は何人とかは関係ない。しっかりとイエス様を知って、理解し、決意して、イエス様についてきなさいというのだ。イエス様は、ご自分を信じる以外に道はないよ、っと伝えている。私たちも何を伝道しているかと言うと、イエス様以外に救われる道はないよということ。
 そう言われると、日本人でもなんか狭いな、他の方法はだめなの?と思うだろう。けれどもなぜ狭いのか。それは信じるしかないからだ。前提としては、イエス様以外には恵みを与えることができる方がいないということ。恵を与えることができない人をいくら信じたって意味はない。私たちがどれだけ信じたかにはかかっていない。なぜイエス様しか駄目なのかと言うと、イエス様しか救いという恵を、与えることができないからなのだ。そしてそのイエス様の条件が、「信じる」ということ。他の宗教やユダヤ教は恵みを与えることができない。恵はイエス様が与えるのだ。だからこの狭い道をよく理解し、信仰によって入ることだけが唯一の道なのだ。そしてあなたがそれを選んだかどうかなのだ。
        つづく