裏磐梯の迎賓館、名前に偽りなし
10月3日から5日まで夫婦2名で福島県に行きました。目的は日本百名山の安達太良山に登ること、および紅葉を楽しむこと、だったのですが、2日とも雨で山歩きなどする気になれず、登山は断念して単なる観光へ切り替えました。残暑のせいか、例年なら紅葉しているはずの山々も、まだ紅葉は始まっておらず、1週間程度遅れている様子でした。残念ながら天候のせいで目的は果たせませんでした。
1日目は安達太良山の麓の岳温泉に宿泊し、2日目は裏磐梯にある、裏磐梯レイクリゾート迎賓館猫魔離宮に宿泊しました。2日目に泊まったホテルが印象に残りました。
裏磐梯は、磐梯山の北側の景勝地のことで、何度か訪れたことがあります。大小様々な湖や池が点在しており、とても美しいところです。磐梯山や桧原湖の景観も綺麗だし、五色沼と呼ばれる、多彩な色の沼が点在している森林浴に最適なハイキングルートもあります。自然を満喫できる素晴らしい場所です。
しかし今回は2日とも雨、曇り、また雨といった天気で森を散歩する気になれず、早々にホテルにチェックインしました。
車を停めて、駐車場からホテルに向かうと、ホテルのフロント係員から予約名を確認され、ロビーのソファに案内されます。ソファチェックインですと言われて、ソファに座って待っていると、係員が受付票等を持ってきました。ゆったりとソファに座りながらチェックイン手続きができるのは快適でした。部屋のカードキー(2枚)を渡され、荷物を持ってもらって、館内について一通り説明を受けたのち部屋まで案内してくれます。
丁寧で整った言葉遣いなのですが、日本語ネイティブではないと感じたので、「中国から来たのですか?」と質問したところ、(キッパリと)「中国ではないです。」そこで、何処から来たのだろう?と考えていると、しばらくして「台湾から来ました。中国に行ったことはないです。行きたいとも思いません。将来行くこともないでしょう。」との回答でした。今の台湾人の中国本土に対する感情を垣間見た気がしました。
予約したのはペントハウスデラックスツインの部屋で、5階(最上階)にあります。部屋の鍵はカードをタッチする方式です。中に入ると廊下があって右手には机、左手が風呂、洗面所、トイレ。廊下の突き当たりにも机と椅子と荷物置き場があり、突き当たりの左側が洋服掛け。そして廊下突き当たりを右側に行くと横長の居室があります。居室の右側にクイーンサイズのベッドが2つと衣装箪笥。真ん中にコーヒーセットと冷蔵庫、左側には横長ソファと一人用のソファとテレビがあります。
かなり広いスペースで、二人で過ごすには十分です。調度品は高級感があり、壁紙は花柄のエンボス加工されたもので、落ち着いた仕上がりになっていました。水洗金具はハンドルタイプでホワイトーゴールドの真鍮。天井がとんがり屋根の三角になっています。ベッドはシモンズを使っているとのこと。部屋からの眺めも良いですし、ペントハウスデラックスツインの部屋はお勧めです。
部屋を出て、1階ロビーまで降りてみると、高い天井と豪華なシャンデリアやソファがあり、何より目立つのは始皇帝金銀銅馬車です。これは本物ではないのですが、人間国宝級の職人80名が兵馬俑の本物そっくりに3年をかけて制作したとのことで、見応えがあります。1階には小さなギャラリーがあり、ファッション画のコレクションが展示されています。私はデザイナーの名前もよく知らないし、ファッション画を描く人の名前など全く知りませんでしたが、モードに関心のある人にとっては大変興味深いコレクションだと思います。
裏磐梯レイクリゾートは本館五色の森と迎賓館猫魔離宮が隣接し、つながっています。本館の方が大きくて立派な建物で、レイクリゾート全体ではかなり広い敷地を有しています。館内にはビュッフェ形式のレストランと、それとは別にフレンチレストラン、和食レストランがあります。風呂は本館と猫魔離宮にあって、本館の露天風呂は桧原湖を間近で臨める眺めの良い風呂です。猫魔離宮の風呂は建物からかなり離れた場所にあって、結構歩きますが、人が少なくてゆったりとくつろげました。
猫魔離宮は最近リニューアルしたとのことで、建物自体は築後30年ほど経過しているそうです。でも、新しくて豪華な印象を受けます。本館は団体客が多く、やや騒がしい面もありますが、猫魔離宮の方は静かで落ち着けます。迎賓館というと大袈裟ですが、ラグジュアリーな印象があり、贅沢な時間を過ごせる感じがします。機会を設けて再度行きたいと思いました。次回行くときには晴れて欲しいものです。晴れていれば、磐梯山か安達太良山へ登ることもできます。