一人の初期ユーザー(消費者)の持つ力 

夕食後、一人でYouTube動画を見るのが楽しくて、最近の日課になりつつあります。今特に注目しているのはPIVOTの公式チャンネルです。ご存知でしょうか?

 

 

この動画を見ていると、興味深く、色々と考えるきっかけやヒントを与えてくれます。

 

PIVOTのWEBサイトでは動画だけでなく、記事もありまして、私のテスラ論という特集記事のを読んでいるうち、「一人の初期ユーザーが世界を変える」というキャッチーな文章に出会いました。シニフィアン共同代表の村上誠典という方の言葉です。

 

村上氏は、テスラの躍進を見て、「投資家だけでなく、我々消費者の一人一人が企業を成長させるパワーを持っている」ことを感じたそうです。村上氏によれば、「創業時の企業にとって、初期ユーザーほどありがたい存在はない」とのことです。もちろん、資金を出してくれるベンチャーファンドはありがたいのですが、自分たちが作った商品やサービスを買ってくれるのは消費者です。まだ知名度も信用もない状態のスタートアップ企業にとっては、最初に購入してくれる消費者、ユーザーこそが、(自分たちが)社会に認められたと感じさせてくれる、とてもありがたい存在だそうです。

 

今や飛ぶ鳥をおとす勢いのテスラですが、当初は成功を疑問視されていましたし、何度も倒産の危機に陥りました。それでも、テスラの思想、テスラの目指すビジョンに共感し、まだ充電ステーションもろくに整っていない不完全な電気自動車なるものを購入した初期ユーザーがいました。そういった初期ユーザーは、消費行動を通じてテスラへの共感の思いを示したと言えるでしょう。

 

テスラの躍進により、その後を追いかける企業にも弾みがつき、中国を中心に電気自動車の購入が急増しています。ガソリン車から電気自動車へ、という流れを大きく前進させたわけですが、それもテスラの思想に共感する初期ユーザーがいたからこそです。

 

村上氏は、5%の初期ユーザーがいれば社会を変える可能性があると述べています。

 

私はこのような観点から物事を考えたことがありませんでした。社会に革新を起こすのは起業家の力だと思っていました。消費者の力は盲点でした。

 

スタートアップ企業が世の中を変える商品を開発しました!と主張しても、誰も買わなければそれまでです。新しい商品、これまでにないような商品、誰も使ったことのないような商品を最初に購入するのは結構勇気が必要です。初期段階でそのような商品を購入する消費者がいてこそスタートアップ企業は成長できます。

 

私自身は到底起業家になれそうもありません。でも初期ユーザーになることは可能です。自分が共感できるビジョンを持つスタートアップ企業を見つけたら、その商品を積極的に購入する、試しに使ってみる。そのようなマインドが、世の中を変えることに多少なりとも貢献するのです。それなら自分にもできそうです。

 

ちなみに、私も一応、テスラのオーナーでございます。購入したのは2年前で、初期ユーザーというには少し遅い購入です。最初の5%になれなかったかも知れません。

 

この次、自分の考えや思想に近しい企業や商品を見つけた際には、お金をケチらず積極的に買ってみよう、それが世の中の変革に役に立つなら安いもの、そんな風に背中を押された感じがしました。