日本語は世界のどの言語とも似ていない、かなり特殊な言語とされている。そして、英語と日本語の距離はかなり離れていると思う。日本人は英会話が苦手だと言われる理由は、教育の問題というより発音の相違が大きいからではないか。英語の発音は子音、母音ともに日本語と全く異なる。よって聞き取り(音の識別)が難しい。英語の音を聞き取れないから記憶に残らないし理解できない。リスニングについてはかなりのトレーニングが必要だ。
一方スペイン語の発音は日本語に近い。母音はほぼ同じだし、子音もそれ程違わない。だから聞き取りは比較的容易である。おそらく英語よりも早く上達できると思われる。実際、私は勉強し始めてまだ1年だが、英語を学んだ時よりも遥かに早く上達していると感じる。
中国語に関しては、まだ始めてから間もないとはいえ、発音の難しさはよくわかった。中国語の発音は子音、母音ともに日本語と全く異なる。聞き取れるようになるにはかなりのトレーニングが必要だ。
文法に関してはどうだろう。英語と日本語は全く異なる。スペイン語は英語に近い。もちろん相違点はあるが、英文法を把握している人にとってスペイン語は理解しやすいだろう。文法の構成、構造はほぼ同じだと思う。中国語についてはまだよくわからないが英語やスペイン語といったヨーロッパの言語とはかなり異なる。むしろ日本語に近いようにも思える。
次に単語について。英語はゲルマン系の言語でスペイン語はラテン系の言語だが、英語の単語のうちかなりの部分(40%から50%)はラテン語をルーツとする言葉である。そのせいで、英語とスペイン語を比べると、似たような単語が数多い。初めて出会うスペイン語の単語であっても、見れば意味が推測できる物が一杯ある。中国語と日本語に関しても同様のことが言える。同じ文字(漢字)が多いし、同じ(あるいはほぼ同じ)意味の単語も数多い。
以上をまとめると、英語とスペイン語は(発音は異なるが)かなり近いので、英語話者にとってスペイン語は学びやすいと思われる。(逆も同じ)スペイン語に限らず、ヨーロッパの言語はどれも距離が近いのではないだろうか。どの言語であってもラテン語やギリシャ語から取り入れた単語がかなりあるはずだし、おそらく文法も似ているのではないだろうか。
一方日本人にとって学びやすい言語は、というと、韓国語が近いらしいが私にはわからない。中国語は発音が難しく、簡単ではないが、それでも文字と単語を(部分的に)共有しているので、英語よりは学びやすい言語ではないかと思う。
言語間の距離を考えると、日本人にとって、ヨーロッパの言語をマスターするのは大変であるが、もしどれか一つの言語に熟達すれば、その他の言語を学ぶのは容易になり、複数言語をものにすることも夢ではないと思う。