本書は、文政10年(1827)に刊行された、江戸の青山(現在の港区北西部)で変珍木を扱っていた植木屋を営む増田繁亭(通称・金太)が著した奇品植物の図譜です。
増田繁亭は、江戸時代後期の旗本園芸家・水野忠暁の手元にあった反古(斑入りなど奇品の資料)をもとに本書を作成しました。
「奇品」とは、形状が特異なもの、変わったものを指します。
この図譜には、江戸および近郷の愛好家が所有する奇品植物約500点が収録されており、所有者の名前と住所、逸話等と共に紹介されています。全3冊で構成(天,地,人)。
描いたのは、当時活躍していた博物画家・関根雲停と旗本で文人画家・大岡雲峰。
ともに本書以外の博物図譜を後世に遺しています。
金太 撰輯『草木奇品家雅見 3巻』[3],文政10 [1827].
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2558234