寒くなってくると欲しくなる音ってありますよね???
ジミー・スミスのオルガンやら、マヘリア・ジャクソンのゴスペルやら・・・
で、この人のピアノってもの、なぜか気温が下がったときに聴きたくなる音なんです。
「板橋文夫」
マッコイ流と言いたい人には言わせておけばいい。
この人の音には、良い意味での、日本の深さと狭さが同居したような、
芯の方にゴンゴンと染み込む強さと、
センチメンタルな繊細さが同居しています。
見かけの豪快さに一遍踊らされますが、
その奥に広がる、センチメンタリズムには、なんだか、「男泣き」を誘うものがあります。
タッチの強さ・・・・云々
ブロックコードが・・・・・云々
まあそれはそれとして・・・
この「ずどーん」と体当たりの音と表現を、何の予備知識も無く、浴びてみたとき、
泣けるか泣けないか・・・・。
ちょっと大袈裟かもしれませんが、
そんな気分になります。
先日、ちょっと「チェンバロ」の演奏を聴く機会があったのですが、
その繊細な音はともかく、
なぜピアノが「ピアノフォルテ」と呼ばれるのか・・・・
弱い音と強い音が出せる楽器。
そんな意味合いを改めて感じて帰ってきました。
そう考えると、板橋さんのピアノは「ピアノとフォルテ」という使い方が実に繊細で、
聴き手の気持ちに土足で、しかも全速力で、ずかずかと上がりこんでくる、
あつかましさというか、凄まじさというか、そんなものを感じずにいられません。
しかも、そうせざるを得ない、説明のできない、センシティブな部分を持ち合わせています。
キモチイイ音です。
寒くなると、「渡良瀬」あたりを筆頭に、タップリと楽しみたくなる気分です。
久々に動画で雑誌付録があったので、久々に浴びてみました。
スッキリとします。やっぱり凄い人です。板橋文夫。
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