去る6月21日午前11時から改まった形で医師の説明があった。
最初の抗癌剤はよく効いたが薬効が切れたらとたんに再度動き始めるタチの悪い癌である事が分かった。通常は数ヶ月は大人しくなるらしい。
二度目の抗癌剤もまさか効いたのだが、当初3~4クールを予定していながら、第1クールを終えた直後に癌腫瘍からの出血を起因とする吐血が起き、口から吐いた血はともかく肺の内部に残った血が餅状になって固まり、左肺の機能を潰しているそうで、再度の癌腫瘍からの出血は命に関わる故に、第2クール以後は安全を考慮して取り止めるとの結論になった。
もう1つだけ試せる抗癌剤はあるにはあるが、効果の出る確率は1%ほど、仮にそれで1週間抑えられても失われる抵抗力の回復にそれ以上かかるのならば意味はなくなると。
ならば肉体負担の緩和を中心としたケア医療に移り、最後を迎える迄に色々と旅立つ支度を終えてはどうかと云うものだった。

ここで私は強く反発し、ここで飼い殺しにされて最期を迎えたのでは、何も整理が出来ないではないか!
とにかく、自宅へ返してくれ、その責任は私自身が負うからと伝え、その道を探る事となった。
実は私は、覚悟はとっくに出来てはいるのだ。但し、全ての統べを尽くして、それでもダメなら諦めも着く訳である。
しかしまだ、免疫療法とか、極端な物では超能力者の癒しもあるのだ。
こちらでそこまで尽くさぬなら、私が自分で動ける内にトライさせたくれと云う訳だ。
医師への説明としては残している借金を放りっぱなしにして旅立つ事は、いくら緩和ケアであろうと私にはより苦痛でしかないとの説明で納得して貰った。
但し、先日の吐血由来の肺炎や敗血症の治癒は優先的との事。
今日の血液検査で吐血以来の抗生剤の6時間毎の投与の甲斐あって、どうやら肺炎や敗血症もほぼ癒え、愈々癌腫瘍由来の炎症だけになったと見られる事から、明日一杯で抗生剤の投与を終えるとの事。
替わりに癌腫瘍由来の腫瘍熱が先週の金曜日から毎日夕刻になると現れている為、解熱剤ナイキサンの服用となる由。