序章
糖質制限による減量も初めの頃は調子よかったもののある程度の所で停滞気味。
こっから先はいよいよワークアウトを取り入れなきゃならんのかとため息まじりに独りごちでいた夜、不意にケータイが鳴った。
ガラケーのディスプレイには、漫画HUNTER×HUNTERが少年ジャンプに載るくらいの頻度でしか電話をしない友人、映画監督松本卓也の名前が。
役者と監督の友人を持ったら舞台と上映会の招待連絡避けがたしで今回もどうせそんなこったろうと電話を取ると、どことなく神妙な声で「観て感想聞かせて欲しい作品があるから関係者試写に来れないかな」と言うではないか。
幸い時間もぬえそうだし、よくよく考えればシネマ健康会の映画を最後に観たのはパイロット版の「Searchin’ for my future」以来だったのでこれを承諾した、のがいけなかった。
タダより高いものはない、責任持って感想を書かねばならないではないか。ぐうう、こちとら日々寝不足だってのに。
第1章 ZOMBIEPOWDER
いきなりだが青春という言葉を辞書で調べてみる。いきなり、だがちゃんと意味はあります。
青春…若い時代。人生の春にたとえられる時期。
希望をもち、理想にあこがれ、異性を求めはじめる時期。
(語源の方は割愛)
どの辞書も大概こんな感じ。これ、なんとなく皆さんも分かりますかね。
ここで大事なのは異性を求めはじめるって部分だと思います。
小学生の頃を青春とはあまり言わないのもその所為で、まあ振り返るに恥ずかしくなる子どもと大人の中間地点というか。
ところがですね、よくよく考えてみるとこれ、起点を定義できても終点を定義づけられないと言うか、要はいい大人になっても引きずってる奴がいる訳ですよ、青春を。
勿論、松本卓也の話です。
あいつと知り合ったのは20代の頃だけど、そっから約15年何も変わってない。
まもなく42歳のいまだに現役青春野郎な訳です、奴は。
それがこの映画にもいかんなく発揮されている。そっから決別して次のステップに進むのが世の常(難しそうでそちらの方が実質楽だしね)にも関わらず、踏みとどまって現状を研ぎ澄まし続けているのだ。極限まで磨り減った刃先はとことん鋭利だが、強い衝撃が加われば簡単に折れてしまう。強い剣士ではなく闇の中から一撃で相手を仕留める暗殺者の道を選んだ男、調子こいてタイピングしてたら訳分かんないこと言ってんな俺。
第2章 THE CAMELEON JAIL
話を少年ジャンプに戻す、映画ではなく。
人気漫画NARUTOで主人公ナルトの最大のライバル・サスケ、HUNTER×HUNTERで主人公ゴンの親友キルア、ONE PIECEで主人公ルフィのかつては敵で、後に友情が芽生えたハイエナのベラミー。
サスケは生まれ育った木の葉隠れの里で自分の一族(兄)が受けた仕打ちに対し復讐を企てるし、キルアは家族全員暗殺者の一族で幼少の頃より仕事をこなしていた、ベラミーはルフィに負けて改心するまで暴虐の限りを尽くしていた。現実社会で考えれば3人とも間違いなく過去に大量に人を殺した大罪人である。しかも(後には分からないけど)その時は後悔のない殺人だったはずなのだ。
にも関わらず主人公の友達と言うだけで彼らに嫌悪感を抱かぬどころか、子ども達や漫画好きの女性達からはカッコいいと言われる始末。
つまりはこれはジャンプ的視点。友情にはそうした浄化作用があるらしく、遠回しで申し訳ないが映画を見た人なら誰の事を言っているか分かりますね。客観的にクズだと思っていたアイツが、仲間の愛でキラキラして見える。これは監督の実体験が大きく反映されていると推察する。学生時代から今に至るまで友達の少ない僕にとってはそれだけで眩しく見える訳です。
ジャンプの漫画が、そして松本映画が評価されるのには、そんな友情を容易に得られない観客からの羨望と疑似体験による快感が関係している、のかもね。
第3章 てんで性悪キューピッド
技術的な面にも触れておきます。奴の映画は相変わらずと言ったものの、映像の美しさは作品を経るごとに感心させられます。
劇中の本編(うまく言えないが作中のメイキング風でないパート)のトーンは好きです。暗部に合わせて露出を決めてるので抜けが白飛び起こしてる部分とかあるけど、きっと「狙いだ」って言うだろうしね。
それにロケ地の良さ。映像業界で言う制作進行は沢山いるが、制作担当・主任の不在なシネマ健康会に於いて(とは言え最近は梅さんとかプロの手も入ってきてるようだし一概には言えないだろうけど)ロケ地自体は監督自ら見つけてくるんだろうし(いや、劇中ではこのロケ地がダメだとよりにもよって進行にキレてたな。最近は人に任せるようになってきたのか)細々したロケ地含め、その手のコネクションに強いのは本当に監督の人間力の高さだと思う。
第4章 ボギーTHE GREAT
で結論ですが、結局松本卓也の映画は少年ジャンプだってことです。松本君のフォロアーの皆さん、勿論悪口じゃないですよ。
久しぶりに見た松本映画。それは確実に進化し、だが芯は変わらず、初めての景色を再度見た錯覚に襲われた訳です。
にしても今でも心にあれを持ってるのは正直羨ましいと思う。真似、できないな。ノー真似ってもんだ。
漫画Dr.STONEの主人公、千空ならこう言うね「力をギリシア語で言うと"Dynamite"だ」
↑
なんのこっちゃ(言いたかっただけです)
これが僕の感想です。
もしあなたが監督松本卓也を知らなかったとして彼は勿論あんな横暴なヤツではないどころか日本一腰の低い監督です。
女優が言いよるほどのいい男かは分からないけど、芸人時代は女性ファンから黄色い声を浴びていたのだろうし、劇中(監督というある種の権力者だとしても)あれほどモテるのもあながち嘘ではないのか。
そして弟や連れ合いが現場にいるのは事実の部分だけど、映画の中のように華やかな女優に対して地味目な彼女(他意なし)という構図は現実では寧ろ逆で、実際の監督の妻中條夏実が現場で一番美人だったりする(遠山奈那子談)
2018.10.21.
鮮度が落ちるといけないので急いで仕上げました。思い出したことがあれば加筆修正します。
たかだか1日で記憶なんてあっという間に消失してしますので間違いがあればご指摘下さい。
こんな内輪と好事家寄りの分かりにくい話を最後までお付き合いいただいてありがとうございます。
ブログの中で意味の分からないことがあって気になる方はご質問下さい。
もし僕よりも監督に近い所にいる方たちは、監督に直接聞いて頂けれる方がありがたいですけど。
それでは皆様現役制作部の、もとい映画「RITE HALF OF THE KEYHOLE(仮)」監督の綿貫仁でした。
そんな映画は現存しません。妻や松本君への撮る撮る詐欺を打破すべく勢いで言ってみました。
2019年末までに完成させます、とかなんとか。それでは寝不足のまま仕事に行きます。
追記 鉄のドンキホーテ
※ネタバレあります。良い子のみんなはここからは読まないでね。
最後に、どうせシネ健のツイッターには作品に対する美辞麗句のRTばかり並ぶんだろうから苦言も呈しておく。
特に今までシネ健が避けていた部分ね。
冒頭の映画
◯相変わらず描写が稚拙だ。パイプ椅子に縛り上げただけなら普通に立って動けてしまうだろ。
だいたい最初に吸ってたタバコは監禁してた人間に吸わせてもらったのか?
それにしては取り上げられるまで殆ど減ってなかったけど。
◯松本映画にようやく銃が出てきた挙句、ベレッタのステンレスモデルて(僕の作品で藤坊が持ってたのもベレッタですw)
以上↑が世界的に評価された作品に見えない。
本編の本編?
◯あんなにゆっくり腰動かしてあんな音するかぃ、あそこは男が腰を激しく動かすか、音をさせないか。
でないとその後監督が「いい画が撮れた」と興奮しているのが恥ずかしくなってしまう。
◯暴力描写が武映画やSAWのソフト版
エロもグロも結果少年ジャンプ的フィルターがかかる。
そうかヤンジャンフィルターをかければいいのかと言われればそれはそれでネタなのだが。
◯オリジナルは噂の映画「カメラを止めるな」よりも随分早かったはずなんだが、上映のタイミングとしては今頃映画学校の学生の間で流行っていそうな「後追い」の一本に見られてしまう可能性が高いことは、後に誤解が解けるとしても足かせにはなるだろう。
◯それと実際の撮影現場にあんな監督、スタッフ、キャストがいるかいないかは、100の現場の内99の現場になくても1の現場にいればそれは「いる」なのでリアリティ云々は言うまい。
松本君、こんなもんでどうかな。
何かの折、抜粋して好きに使ってくれて構わないけど、使えるとこあるかな。
