ネイチャー
ウィキペディア(Wikipedia)より抜粋

1869年11月4日、イギリスで天文学者ノーマン・ロッキャーに
よって創刊された総合学術雑誌。

世界で特に権威のある学術雑誌のひとつと評価されており、
主要な読者は世界中の研究者。

討論を挑んだり、議論を引き起こすことが目的の
雑誌として生まれ、育てあげられた。



なので、私のような、研究者ではないド素人の
及ぶ領域ではない・・・はずなのですが。


さて、ネイチャーは A4サイズで1ページ半程の
短い文章で、何と言った!?


以下、要約。

The role of mitochondria in insulin resistance and type 2 diabetes mellitus
インスリン抵抗性と2型糖尿病におけるミトコンドリアの役割

 

Published: 13 September 2011


https://www.nature.com/articles/nrendo.2011.138


概要


2型糖尿病(T2DM)は、インスリン応答性組織における酸化的代謝の変化に関連しています。
明白なT2DMは、ミトコンドリアの酸化的リン酸化の後天的または遺伝的減少を示し得ます。

骨格筋細胞および潜在的に肝細胞におけるミトコンドリアのリン酸化および可塑性、
および/または、ミトコンドリア含有量の低下。
後天性のインスリン抵抗性は、ミトコンドリアの可塑性の鈍化の結果として、
インスリン刺激によるミトコンドリア活性の低下と関連しています。

遺伝性インスリン抵抗性は、安静時のミトコンドリア活性の低下に関連していることが多く、
おそらくミトコンドリア含有量の減少が原因です。

ライフスタイルと薬理学的介入は、酸化的リン酸化とミトコンドリア含有量の能力を高め、
一部の糖尿病の症例でインスリン抵抗性を改善することができます。

ミトコンドリアのさまざまな特徴は異常である可能性がありますが、
必ずしもすべての形態のインスリン抵抗性の原因であるとは限りません。

それにもかかわらず、ミトコンドリア異常は、活性酸素種の産生の増加を介して、
インスリン抵抗性の進行とその 後の臓器機能障害を加速する可能性があります。

このレビューでは、骨格筋、肝臓、心臓などのさまざまな組織でのミトコンドリア機能と
インスリン感受性の関連について、ヒトの研究に主に焦点を当てて説明し、
ミトコンドリア機能とインスリン感受性に影響を与える治療戦略の影響について説明します。



キーポイント


・2型糖尿病は酸化的リン酸化の減少と関連は明白。

・後天性のインスリン抵抗性は、インスリン刺激によるミトコンドリアの
 可塑性の低下と関連しており、その結果、骨格筋の脂肪酸から
 グルコース酸化に切り替えることができなくなります。

・遺伝性インスリン抵抗性は、少なくとも部分的にはミトコンドリア含有量の減少により、
 安静時のミトコンドリア活動の低下に関連している可能性があります。

・ライフスタイルと薬理学的介入は、酸化的リン酸化能力とミトコンドリア含有量を
 高めることができ、ほとんどの場合、糖尿病状態のインスリン抵抗性を改善します。

・酸化的リン酸化(*)能力の低下は、あらゆる種類のインスリン抵抗性の一般的な原因である
 可能性は低いですが、活性酸素種の産生の増加により、
 その進行とその 後の臓器機能障害を加速する可能性があります。

(*)
呼吸基質(グルコースなど、呼吸によって分解代謝される物質の総称)の酸化に伴って,
その際の放出エネルギーによってアデノシン三リン酸(ATP)が形成される反応をいう。

ATP: 私たちの生命活動のエネルギー媒介物質。



悲しいかな、専門用語は私のような門外漢には、その理解がむずかしい。
でも、この、ネイチャーの記事で言おうとしていることは
感じ取れますよね?


ミトコンドリア活動の低下と、油(脂)との関連性が見えてきた場合、
ただ単に、炭水化物を悪者にするのではなく、
食のライフスタイルの見直しということになりますよね?


やっかいなのは、油(脂)は塩と同じで、摂取量をゼロにはできません。
必須脂肪酸というくらいですから。
かと言って、過剰な摂取も意に反した結果を導きかねないかも知れません。


まずは、ポイントとして、本来人間が摂取する必要のない油(脂)と
必須脂肪酸として摂取すべき油(脂)の明確な区別ができればいい
ということでしょうか? そして、栄養。必須アミノ酸。


食のライフスタイルの見直し、そして栄養、油(脂)の健全な消費・・・


あー、なんという事だ。 
Dr.cate(Catherine Shanahan)に行き着くのかも知れません。

お断り: Dr.cate に辿りつくことが悲観的な訳ではありません。
悲観的なのは、Dr.cate の日本語翻訳書籍が、販売されそうにないのが
私を悲観的にさせます。


参考リンク The Fatburn Fix: Boost Energy, End Hunger, and Lose Weight by Using Body Fat for Fuel

バグ Fix というプログラミング用語があって、
プログラムミスを修正する(した)という意味で使われます。

なので、この "Fix" という単語を、修正というふうに訳すと、

The Fatburn Fix: Boost Energy, End Hunger, and Lose Weight by Using Body Fat for Fuel

脂肪燃焼修正:燃料に体脂肪を使用することにより、エネルギーを高め、空腹感を減らし、体重を減らす

でよかったでしょうか?


Catherine Shanahan



リンク Dr. Cate Facebook


この類の話は、結論を急いではいけません。
詰将棋の如く、ゆっくりでいいから、徐々に駒を進めて行きましょう。
私の「インスリン抵抗性、2型糖尿病、ミトコンドリア」の調査の旅は
まだまだ続きます。

インドへ旅する三蔵法師の如く・・・なーんちゃって。
受けた?



さて、休憩しましょう。
今回は、この演奏をお楽しみください。

Bill Bruford's Earthworks Live in Frankfurt 1988