今日、松本零士先生の講演会に行ってきました。大田区産業プラザで開催された「おおた工業フェア」の特別講演で、題目は「宇宙開発の夢・技術」でした。
 
大田区にはたくさんの町工場が多くあり、日本のものづくりを支えています。宇宙技術にも多く関連していて、直木賞受賞作「下町ロケット」(作:池井戸潤)の舞台にもなっています。そこで宇宙関係の講演を、松本先生に依頼したようです。松本先生は、宇宙戦艦ヤマト、銀河鉄道999、キャプテンハーロックのように宇宙を舞台とした作品を多く発表されていて、また、日本宇宙少年団の理事長もされておりまさに適役ですね。
 
聴講者の多くは、大田区の工場関係者だったと思いますが、松本先生のファンの方もたくさん参加されていました。お話は、松本先生の子供の頃のことから始まりました。特に太平洋戦争前後の経験を繰り返し話されていました。その後、アフリカでライオンを仕留めそこなった事。アマゾンでワニを食べた事などをお話しされました。どの話も興味深く、何といっても松本先生のお話を聴けるだけで感激の時間でした。
 
ところで、主題の宇宙の話はなかなか出てきません。時間はもう1時間経過しており、そろそろまとめに入る時間帯になってきました。しばらくして、ようやく地球の環境保全を切り口に宇宙に関係する話になってきました。「金星にも建造物遺産があるようで、かつては知的生物がいたようだが、環境変化により生物が存在できない星となった。」という松本先生の確信を元に、地球もそのようにならないように、人類は宇宙に進出するべきで、急いで技術開発を進めるべきだというのが、話の骨子だったかと思います。宇宙から地球を見たいというのが、先生の念願だそうです。
 
結局、1時間40分お話しされました。このような講演会では長い方だったと思いますが、それでも、さらにいくらでも話しができそうでした。手塚先生、石森先生、松本先生の3人でアニメの研究をされていた事。アトムの編集をするために、手塚先生が松本先生から映写機を借りられた事など、手塚先生の話も少しだけありました。
 
実は、生松本先生を見たのは、これが2回目です。たぶん34年くらい前になりますが、私が住んでいた町のデパートで収録するラジオ番組のゲストとして、手塚先生と松本先生が招待され、私は朝早くから様子を見に行ったのです。今考えると、手塚先生はブラックジャック、三つ目がとおる。松本先生は銀河鉄道999、キャプテンハーロックなどの人気作品を抱え大変忙しかった時期だったので、よく両先生が揃って出演されたものだと思います。
 
今年松本先生は77才になられたとのことです。貴重なお話しを聞く事ができて、とても幸運だったと思います。