土曜日を休みにして、ゆとり教育と称して教える内容を簡単化したことも、塾通いを促進した要因かもしれない。
 
学校で教えている内容はレベルダウンしたが、受験問題の難易度はあまり変わらないので、良い点数を取るためには塾などで補わなければならなくなった。そこで塾がますます台頭するというわけだ。
 
確かに、低学年のうちは土曜日にいろいろな習い事をする人が増えたが、受験しようという子供の多くは、4年生くらいから塾に通い始める。塾側は、本気で勉強しようと思うなら習い事はやめるよう指導してくるという。その分は教育にあててくださいというわけで、塾は儲かるわけだ。そういえば、子供手当が始まった時、塾の経営者がインタビューで、「これでこれまで収入の関係で塾に来れなかった子供達もしかるべき教育を受けられる。」というような事を話していたことを思い出す。ちょっと???である。
 
今では、ゆとり教育を見直してレベルを上げたり、休みを減らしたりして授業時間を増やしたりしているようだが、「教育は百年の大計」である。施政者の猛省を促したい。
 
一方、教育の加熱でいろいろな歪も生じているように思う。
 
塾に通い始めると、当然、試験があるが、この結果に本人以上に親が一喜一憂する。試験の順位でクラス別けされる塾などでは、点数が落ちてクラスが下のグループになるとまるで落後者のように感じてしまうようだ。他の子供の成績がいやでも耳に入ってくると、やはり自分の子供の成績が良い方がうれしいのが人情だろう。そして、意識し合うあまり、それまで仲が良かった親同志がだんだん気まずくなり疎遠になることも多いという。これは悲しい。
 
また、受験に失敗して地元の公立中学に入ると、まわりから敗残兵のように見られないかと心配する親子もいるという。(そんな事はないと信じたいが。。)私の子供の学区では、多くの子供が受験して私立校に行くので、地元の公立中に行くことをネガティブに言う父兄もいるようで、親としては、ますます受験に受かってほしいとヒートアップするのだ。本当に負のスパイラルが回っているように思う。
 
(続く)