世田谷文学館で開催されている「地上最大の手塚治虫」展に行ってきました。
世田谷文学館は、東京都世田谷区に関連する文学資産を保存継承し地域振興にも寄与する目的で設立されたようです。手塚作品を文学としてとらえ展覧会を企画されたとのことです。
手塚先生に関する展覧会やイベントは、これまでもいろいろ開催されましたが、開催する目的、主催者、地域などいろいろな切り口があり、いつも新しい発見があります。それにしても、近年、手塚治虫ほど何回もいろいろな形でイベントやマスコミに採り上げられた人はいないのではないでしょうか?私の理解では、みんな手塚作品や手塚先生そのものを好きだというのがその理由だと思っています。企画された人たちは、みなさん自分自身で語りたいのかなと思います。私も、長年手塚グッズのHPをやってきましたが、何らかの形で手塚先生への想いを発信したいからだと思っています。そして、このような企画展があると万障くり合わせていそいそと出かけていきます。
さて、今回の展覧会のテーマはイベントが紹介されているHPによると「手塚作品に、読者はどう向きあうのか?」ということのようです。大変難しいテーマですね。答えはないかもしれません。会場で販売されていた展示会の冊子に企画者の意向が示されているかもしれません。私の私見で主なキーワードを拾ってみます。「戦争体験」「未来」「火の鳥」「ブラックジャック」。。。生命のいとなみということになるのでしょうか?手塚作品の大きなテーマです。
一方、実際の展示会は、手塚先生ゆかりの品々の展示、原画、アニメなど、通常よくある構成でしたが、各所に興味深いものが展示されていました。
例えば、びっしりとスケジュールが組まれているある月の手塚先生の仕事のスケジュール表。とてもリアリティがありました。
また、展示されていた鉄腕アトムの原稿は、たぶん「電光人間の巻」だったと思いますが、この巻は、石森先生が手伝ったということで有名なので、どこかに石森先生の痕跡があるかもしれないと探しました。
珍しかったのは、1962年に開催された第一回SF大会の音声資料と映像資料。若き日の手塚先生の映像と挨拶を楽しめました。これだけでも来たかいがありました。
最後のコーナーで、手塚キャラクター当てクイズみたいなのがあって、年甲斐もなくがんばりました。まだ小さい子供たちが手塚全集を開いて一生懸命キャラクターの名前を調べているのには、とてもうれしかったです。ちょっと名前が怪しいキャラクターがあったのですが、横にいた女の子に教えてもらいました。規模としては、こじんまりとした展覧会でしたが、ニュートラルでいい雰囲気でした。
なお。余談ですが、世田谷文学館には小さな喫茶コーナーがありますが、その入口に撮影に使ったゴジラの着ぐるみが展示されていました。世田谷区には、東宝の砧撮影所がある関係かもしれません。ゴジラファンの私には大変興味深かったです。