私がはじめて読んだ水木先生作品は、別冊少年マガジンに掲載された有名な「テレビくん」でした。アイスクリームを食べるところがおいしそうだったのを覚えています。
水木先生が描く食べ物を食べるシーンはとてもリアリティがあり、また美味しそうなので好きです。近藤勇の伝記物でガロに連載されていた「星をつかみそこねた男」で、どじょう鍋を食べる様子が美味しそうで、それがきっかけで、今でも時折浅草にどじょうを食べに行くほどです。ちなみに、私の弟も水木作品で食べ物をたべるシーンが好きだそうです。「星をつかみそこねた男」で山南敬助がぺったら漬けを食べるところが好きだそうです。
戦記物で水木さん自身がパパイヤを食べるところ、墓場の鬼太郎で「喫茶絶望」なんてところでコーヒーを飲むシーン、熟しすぎたバナナを食べるシーンなどなど、いまだによく覚えています。
実は、私の父も大正生まれの戦中派で、蒸かしたさつまいもなどが大好物でやはり大きな口をあけてもりもり食べる人でした。同世代の水木先生は、父と共通点があり親しみやすかったのかもしれません。ちなみに、戦中派の両親の教えを受け私も食べ物を残すことができません。外食などで家族が残したものを食べているおかげで太ってしまいました。今回は食べ物の話だけになってしまいましたね。(続く)