過去帳読み上げが始まった。過去帳読み上げはお水取りの14日のうち、5日目と12日目だけ行われるが12日はとても騒々しいのでじっくりと聞けるのは5日目だけだ。
聖武天皇以来の東大寺に関係ある故人の肩書きと名前が読まれるのだが、特に「青衣の女人」のところは有名で過去帳読み上げの聴き所である。「青衣の女人」については、昔、坊さんの夢枕に青い衣を着た女人が、「なぜ私の名を呼ばない」といったようなことを訴えたので、ひそかに加えたというエピソードがある。源頼朝のすこし後にちょっとトーンを落として「しょーえの。にょにん。。。」と読み上げられる。なんとなくロマンがあって人気がある部分だ。

ところが今年の過去帳は聴き取りにくかった。大きく読み上げる部分と声をひそめて読み上げる部分のメリハリが効きすぎて、かえって「青衣の女人」の部分が目立ちにくくよくわからなかった。熱心な人は過去帳の写しを見ながら坊さんの読み上げている部分を確認しているのでわかると思うが、私みたいにただぼ~っと聴いている人間にはよくわからなかった。ちょっと残念。

修二会はメンバーが毎年変わるので、毎年雰囲気やテンポが違う。これもマニアには面白いところだろう。まあ、また来年聴けばいいか!

これが終わると次のイベントである「走りの行法」、「香水授与」まで時間がある。
ちょっと息抜きのために二月堂から出る。奈良の高台にある二月堂から見る夜景がすばらしい。
奈良ドリームランドの岩山の影が見えない。閉園してしまい取り壊されたのだろうか?
景色の良し悪しは別として、いつもあったものがないと少しさびしい。

いつもはもっと早い時間に近くの御茶屋ですごすのが常だが、この時間はもう閉店。北側の休憩所でひと休みすることにした。

(続く)