私の子供はようやく小学1年生ですが、早くもいろいろな懸案が見え隠れしてきました。

最も気になるのは塾の問題です。私の子供が通っている小学校の生徒の7割(!)が中学受験するというのです。というのも、私の住んでいる地域の中学校は評判が良くないようなのです。このため、私立中学に行かせたいというのが中学受験希望者の大きな動機のようです。また、将来有名大学に行って大企業に就職させ安定した生活を子供にさせたいという切実な親心も理由のひとつでしょう。

とにかくその影響で、受験の準備のため塾に行く子供が大変多いようです。そして塾側からは、
「良い学校に入るためには遅くも小学校3、4年くらいには塾に通ってもらわなければいけません。」
「野球とか水泳などに通っている子は、塾の勉強と両立させることが難しいのですぐにやめさせて、塾に専念してください。」などと言われるというのです。それまで一生懸命習っていたものをやめさせられた子供は、塾の正規のコースの他、課外授業や夏季冬季の講習まで結果的に受けることなり、遅くまで塾にいることになります。もちろん相当な金額の授業料を払わねばなりません。

私の家はとあるターミナル駅の近くで学習塾がたくさんあるところですが、深夜にまで子供の声が絶えません。学校と塾の合間には、コンビニやマックなどで食事をすませ、寸暇をおしんでDSに没頭。本人達は結構楽しんでいるのかもしれませんが、やはり普通ではありません。将来ある子供達のそんな姿を見るとかわいそうになります。そして、いよいよわが家にもあと少しで、子供を塾に行かせるかを決めなければならない時がやってくるのです。

よく考えてみると。。
テストの成績は結局遺伝的要素が大きく、向かない子供に勉強をおしつけても無駄なような気がします。すべて、塾側の論理で親達が右往左往しているような気がするのです。
塾側としては儲かるので良いのかもしれませんが、もはや子供を人質に脅迫しているかのように見えてしまいます。

個人で理想に燃え私塾を経営されている方も多いと思います。そのような皆様については私も賛同しますが、大部分の特に大手の学習塾はビジネスとして塾経営を考えられているのではないでしょうか?

最近「S男君」という言葉をはじめて聞きました。Sは大手有名学習塾です。受験に有利なように塾のカリキュラムをどんどん前倒しに進めるので、子供にとって学校で習うことはすでに習ったものばかりになります。このため、学校で先生が教えた事に対して、すぐに「知ってる。」とそっぽを向く態度をとるような子、すこしイヤミな子の事をそう呼ぶそうです。その子は試験が良くできる子なのでしょうが、人格形成に大変大事な時にそんな風に育ててよいのかな?と思います。

今や学習塾は子供の生活、おおげさに言うと人生にとても影響がある存在になっていると思います。人格形成は学校に任せ、塾は勉強だけというのは、あまりにも塾がおいしい立場です。塾も社会的責任を担うべきでありS男君のような子供を育てることなくバランスのとれた人間に育つよう気配りをすべきかと思いますが、いかがでしょう?

私も自分の子供の問題になってはじめていろいろ考えるようになりました。
あらためて、子育てをしている人達への共感と尊敬の念を感じます。

ああ~!。。。


(続く)