変わっていく幸せの形「カレイドスコープ」 | SU-Ⅲ 電脳紀 Second

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基本的に雑記ですが、情報系の事も書きます。

こう同じ作者さんの作品を掘り下げて読むことはこれまであったのだろうかというほど、

今回は波に乗ってプレイすることができました。

それではまずは普段からのカテゴリ別評価から。



ストーリー:★★★★☆

キャラクター:★★★☆☆

グラフィック:★★☆☆☆

演出:★★★☆☆

システム:★★★☆☆

音楽:★★★☆☆  +作者さんが書かれたというのに+★


総合:★★★☆☆



カレイドスコープってなんだ? というところからでした。

和訳すると万華鏡らしいです。英語だめでごめんなさい。

とはいえこれの意味することに気付いたのはストーリーのラスト。

これは是非最後まで観て知ってください。


しかし今回はこの謎のタイトルといい、タイトル画面の悲しい(ように俺は聞こえた)音楽といい、

ヒロインこそこれまで読んできた同作者さんのキャラの中でも一番元気のあるものだったと思うのですが、

最初があまりにも明るいだけに良い展開を予想できませんでした。

時々主人公が一人で家にいるときニュースを観たり、家の電話が鳴ったり・・・・・・、というシーンで

なんかくるんじゃね、くるんじゃね、ってばかり思ってました。そして案の定という・・・・・・。

どちらかというと重たい印象のほうがいいというのは感じますが、

タイトルの音楽だけは物語の全体通すとちょっと違和感がありました。


しかしまあヒロインの復活のみを目的とするのではなく、

そのまわりのキャラクターたちとのやり取りや出来事もこの作品ならでは。

「あの丘の上まで」に少し似た雰囲気がありますが、

そのあたりがまたこの作品のよさだったのではないのかなと思います。

それにただ普段の生活に少しずつ戻れるようになりました、のような終わり方ではなく

さらに続きがあるというのが今回の予想外の展開でした。

もちろん不自由な状態による苦悩といったシーンもありますが、

そのような2度目の壁も乗り越えていくのがこの物語。

まわりの人の支えがあってこそ、というのが良く伝わってきます。


グラフィック面に関して気になることがあるとすれば背景でしょう。

「ゆめいろ」同様立ち絵、CGは一切ありませんが

背景はもう少し優しくぼかすぐらいがよかったような気がします。

さらにあの上から直接文字が入るとちょっと読みにくい気もしました。



この作品、作者さんにとって最初の作品になるそうですが、

プロフィールで確認したのですが、たしかに作者さんの仕事から得たものといいますか、

思っていることといいますか、一番込められているのではないでしょうか。

少し厳しめな評価になってしまいましたが、

ビジュアル面を強化したらさらに強い物語になるような気がしました。

「ゆめ空R」開発中だそうですが、この作品もいつかそういう企画が出たらいいなぁ。



NaGISAさんが完全に制作した作品についてはこれですべてプレイしたことになったのですが、

(残すは複数名のシナリオからなる「エイト・ストーリーズ」)

これまでの「ゆめいろの空へ」、「弥生桜の空に笑え!」「カレイドスコープ」すべてに対して

自分がいいと思うところはやはり安心して読めるというとこ!

実際自分はほとんど読んだことが無いですが、

中学生とかが読む文庫本にあってもなんら不思議ではないような気がするほど、

読む人の年齢や性別を縛らない作品だと思います。

この作品たちは安心して、また自信をもって次の人にお勧めできます。

ぜひ興味を持った人は読んでみてください。


ちなみに俺のお気に入りはやっぱり「ゆめいろ」ですね(笑)