一部では、ATF(オートマチックフルード)が
長らく取換えていない場合は交換をしない方が良い
と言う都市伝説の様な話が有りますが、基本的に
それは間違った認識です。

OILは使用距離と時間の経過で確実に劣化します。
劣化したOILを使い続ける事は、磨耗した金属粉や
ディスクフェーシング(クラッチ板)が混ざったオイルを
AT内部に循環させ続ける事となり、ヤスリ掛けをして
磨耗を促進する様な物。
劣化したOILが良いという理由は何一つ見つかりません。
但し、ATの調子が悪く、
本格的に、いや末期的な不具合を抱える状態に陥ってしまった
ATに関してはこの限りでは無いのも事実です。
これはどういう事かと言えば、劣化したATFが発生させる
スラッジ(OILの炭化したカス)がATFオイルライン内部に
こびりついてしまっている場合に、新油がその汚れを
洗浄しながら循環する事で、ライン内の詰まり
を引き起こす場合が厄介な訳です。
しかしながら、本来は
ここまで酷くATFが劣化している状況で有れば、
既にオーバーホールの必要性が出ている筈で、
先の都市伝説は調子良く動いている車には
当てはまらない訳です。
W124などで使われる、機械式ATトランスミッションの場合は
2年もしくは走行距離で2.5万km毎でのATF交換が
お勧めです。
定期的なATFとフィルターの交換で
機械式AT本来の性能を良さを発揮させ、
気持ち良く愛車をお使い下さい。
ATF交換の際には、この内部も洗浄します。
真っ黒ですね。
本来ATFは赤いOILですが、走行距離が多い車は黒くなり、
走行距離は少ないが経年劣化が進んだ車の場合は
黄色く(あるいは黄緑がかって)変色します。