第26号 大正時代の魅力 Charm of Taisho Era

■このブログは次の「週報　夢二と台湾2023」（2021.8～2023.8）の後継版です。

①創刊号（2021.8.8）～第37号⇒　　https://yumejitotaiwan.exblog.jp、

②第38号～第102号（2023.8.27）⇒　　https://jasmineproject.amebaownd.com/

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【MESSAGE from the Editor】(Japanese/English)

【夢二のカワイイ　Yumeji’s Kawaii】　

【夢二のすべて　All about Yumeji】

【最新夢二情報　Latest Information on Yumeji (Japanese)】

【夢二の略歴 Biography of Yumeji】(Japanese/English)
   最後尾に掲載してありますのでご活用ください。

   Yumeji's chronology is posted at the end of this issue, so please use it whenever you need it.

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大正時代を聴く！5月18日は池袋へ


 

■MESSAGE from the EDITOR■

4月20日に現代女性文化研究所の尾形明子氏の講演会に参加しました。

今月から開始した、夢二と最愛の女性である彦乃の出会いと別れのあった大正時代の調査の一環です。

この時代の日本社会は急速な近代化と西洋文化の影響を受け、経済的な発展と社会的な変化が進行しました。文化面では西洋の影響が強まり、文学や芸術、思想においても多様な変化が起こっています。

この日本社会の変革期の真っただ中にいた夢二と彦乃ですが、特に気になるのが当時の彦乃を取り巻く環境です。

彼女は夢二と出会い、父親の反対に遭って家を出、京都で夢二と独自の道を歩み始めますが、その道は容易なものではなく、苦悩と混乱の続く中で、わずか23年9か月の生涯を閉じてしまいました。

大正時代は、女性を巡る環境が大きく変化した時代。女性解放の動きが活発化し、女性の教育機会の拡大や就業機会の増加、女性参政権の要求などが主な要素でした。新しい価値観や自己表現の機会が増え、女性が社会的に活躍する場が拡大しました。また、女性の権利や平等を求める運動も盛んになり、これらの要求が社会的な変化を促しました。こんな中で、当時の情報文化の中心地である日本橋にいた彦乃がどんなものを読み、どんなことを考え、行動していたのかが、非常に興味あるところです。

尾形氏の講演会は毎月あります。大量に仕入れた関係書を読み、来月も参加しようと思っています。

On April 20th, I attended a lecture by Ms. Akiko Ogata of Contemporary Women's Culture Institute.

This is part of an investigation that I began this month during the Taisho era, when Yumeji and his beloved woman, Hikono, met and broke up.

Japanese society during this period was rapidly modernized and influenced by Western culture, undergoing economic development and social change. In terms of culture, the influence of the West is increasing, and various changes are occurring in literature, art, and thought.

Yumeji and Hikono were in the middle of this period of change in Japanese society, but what is particularly interesting is the environment surrounding Hikono at the time.

She met Yumeji, runs away from home against her father's opposition, and began her own path with Yumeji in Kyoto, but the path was not an easy one, and amid continuous suffering and confusion, she passed away at 23 years and 9 months.

The Taisho era was a time when the environment surrounding women changed significantly. The movement for women's emancipation became active, and the main factors included expanding educational opportunities for women, increasing employment opportunities, and demanding women's suffrage. Opportunities for new values and self-expression have increased, and the opportunities for women to play an active role in society have expanded. Movements for women's rights and equality also flourished, and these demands spurred social change.

Under such circumstances, it is very interesting to see what kind of things Hikono read, thought, and acted while living in Nihonbashi, the center of information culture at the time.

Ms. Ogata's lectures are held every month. I'm planning to participate next month after reading the large amount of related books I've purchased.

▼ちょっと仕入れすぎた関係書　Too many reference books I got…

▼夢二と彦乃　Yumeji and Hikono in Kyoto

■  夢二の“カワイイ”■ YUMEJI’S “KAWAII” ■

『竹久夢二　かわいい手帖　大正ロマンの乙女ワールド』（石川桂子編、河出書房新社）より

Based on “Takehisa Yumeji Kawaii Notebook Female World of Taisho Roman” by Keiko Ishikawa, Curator of Takehisa Yumeji Art Museum

＜第1章＞「かわいい×デザイン」

４　あふれる多彩な半襟図案

半襟（はんえり）は、着物の下に着る長襦袢（ながじゅばん）の襟に掛ける布のことで、汚れを防ぐのと同時に装飾を目的としています。着物の装いにおいて、半襟はおしゃれのポイントとして重要視されていました。当時の着物事情に詳しい近藤富江（こんどうとみえ）氏は「色彩豊かで、ことに意表をつく刺繍やモダンなデザインが好まれた。（中略）年齢や自分の好みを反映させるものは半襟でなくてはならなかった」（近藤富江・編「大正のきもの」より）と、現代とは異なる半襟への思いを文章に残しました。

夢二が描き残した「手製半襟の図案」は、雑誌「婦人之友」の付録としてつけられ、植物模様を中心に色彩豊かなデザインが特徴です。読者の女性はこれを手本にして半襟に刺繍をし、装いを楽しみました。
4. Overflowing with various half-collar designs

“Han-eri” is a piece of cloth that hangs over the collar of the nagajuban (underwear worn under the kimono), and is used to prevent stains as well as for decoration. In kimono attire, the half-collar was considered an important point of fashion. Tomie Kondo, who is well-versed in the kimono situation at the time, says, “Rich colors, especially surprising embroidery, and modern designs were favored. “The half-neck collar was the one that reflected one's age and one's tastes. It was indispensable" (from "Taisho Kimono", edited by Tomie Kondo), and wrote about the feelings people had about the half-neck collar at the time, which were different from those of today.

Yumeji's “Design for a Handmade Half Collar'' was included as an appendix in the magazine “Fujin no Tomo (Friend of Women)'' and features a colorful design centered around plant patterns. Female readers took this as a model and enjoyed embroidering the half-collar.

▼PHOTO from “Takehisa Yumeji Kawaii Notebook Female World of Taisho Roman” by Keiko Ishikawa

■  夢二のすべて■ ALL ABOUT YUMEJI ■

竹久夢二という人物をより理解するために、彼の特徴や作品をご紹介します。

To better understand the person named Yumeji Takehisa, his unique characteristics of him and his work are introduced here.

３　夢二、八幡へ

1900年（明治33）、夢二が神戸から九州の八幡に移転しなければならなかった理由は、一家でそこに転居することしたからです。それは、1901年（明治34）に操業開始予定の「官営八幡製鐵所」に菊蔵が職を求めたからでした。この製鉄所は、1887年（明治20）に操業を開始した「釜石鉱山田中製鉄所」（岩手県釜石市）に続き、日本国内で2番目のもので、日本の鉄鋼生産量の半分以上を製造することになっていました。

夢二はこの製鉄所で製図工の仕事をするようになりましたが、結局、1年もたたないうちに単身東京に向かうことになります。

父の菊蔵は、夢二が幼い頃から絵を描くことに猛反対していましたが、母・他須乃と姉・松香が協力し、夢二は家出同然に東京に向かうことになったのです。

3. Yumeji moves to Yahata
In 1900, Yumeji had to move from Kobe to Yahata in Kyushu because all his family had decided to move there. This was because his father, Kikuzo, sought employment at the “Government-run Yawata Steel Mill”, which was scheduled to begin operations in 1901. This steel mill was the second in Japan, following the “Kamaishi Mine Tanaka Works” (Kamaishi City, Iwate Prefecture), which started operations in 1887, and it was expected to produce more than half of Japan's steel production.

Yumeji began working as a draftsman at this steel mill, but within a year he ended up and headed to Tokyo on his own.

Kikuzo was strongly against Yumeji's drawing from an early age, but with the help of his mother, Masuno, and older sister, Matsuka, Yumeji could run away and head to Tokyo.

▼官営八幡製鐵所（開業当時） Government-run Yawata Steel Mill at the time of opening

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■  最新夢二情報　■ LATEST INFORMATION on YUMEJI ■

※ Japanese only

■竹久夢二美術館（東京都文京区）

　「夢二がえがく動物ワンダーランド ～大正ロマンのイラスト＆デザインを中心に～」（2024年4月6日（土）～6月30日（日））　

　https://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yumeji/outline.html

■弥生美術館（東京都文京区）

「マツオヒロミ展　レトロモダンファンタジア」（2024年4月6日（土）～6月30日（日））　

　https://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yumeji/outline.html

■金沢湯涌夢二館（石川県金沢市）

　「夢二の新聞小説『秘薬紫雪』」（2024年1月20日(土)～4月21日(日)

　https://kanazawa-museum.jp

■竹久夢二伊香保記念館（群馬県渋川市）

　企画展はHP参照

　https://yumeji.or.jp

■夢二郷土美術館（岡山県岡山市）

・本館

　夢二生誕140周年記念・本館移設開館40周年記念『夢のふる郷(さと)』（2024年3月12日（火）～6月9日（日）

　https://yumeji-art-museum.com/

■東京都庭園美術館

　「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」（2024年6月1日（土）～ 8月25日（日））

　・関連記事（PRTIMES）

　https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000613.000038211.html

■ホテル雅叙園東京（東京都目黒区）

東京都指定有形文化財「百段階段」にて「昭和モダン×百段階段～東京モダンガールライフ～」（2024年3月23日（土）～6月16日（日））

　https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/modern2024

■福島県立美術館で「美人画の雪月花　培広庵コレクション展」で、夢二の「投扇興」展示中。（2024年3月23日(土)〜5月12日(日)）

　https://art-museum.fcs.ed.jp/exhibition/current

【展覧会以外】

●夢二が彩る　レトロ電車　岡電生誕140周年記念で新装（朝日新聞DIGITAL）
　https://www.asahi.com/articles/ASS484DK7S48PPZB005M.html?ref=sdgs

●竹久夢二（1884～1934年）と千葉の関わりを紹介した冊子「竹久夢二と房総」を、八街市の日本文学風土学会員・市原善衛さん（73）が自費出版。（東京新聞より）

　https://www.tokyo-np.co.jp/article/288094

●「岐路に立つ「金沢の奥座敷」　伝統の湯守りつつ新たな取り組みも（湯涌温泉）」（朝日新聞デジタル）

　https://www.asahi.com/articles/ASRBX6SG4RBRPISC01B.html

●『女の世界』大正という時代（尾形明子著、藤原書店）が発売中！

　百年前、こんな面白い雑誌があった！

　https://www.fujiwara-shoten-store.jp/SHOP/9784865783926.html

●『大正時代の音楽文化とセノオ楽譜』（越懸澤麻衣著、小鳥遊出版社）が発売中！

　 https://honno.info/kkan/card.html?isbn=9784867800096

●最新の夢二書『異国の夢二』（ひろたまさき著、講談社選書メチエ）が発売中！

　https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784065323465

●越懸澤麻衣著『大正時代の音楽文化とセノオ楽譜』が発売中！

　https://honno.info/kkan/card.html?isbn=9784867800096

●夢二の雰囲気に包まれてオリジナル懐石を楽しめる！――神楽坂「夢二」

　https://www.kagurazaka-yumeji.com/
 

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■夢二の略歴■BIOGAPHY of YUMEJI TAKEHISA■■■■

1884　　

9月16日岡山県邑久郡本城村に誕生。（本名　竹久茂次郎）

1899　　

神戸中学校に入学。

1900　　

九州の八幡村枝光に一家転居。夢二は神戸中学校を中退して家族と合流。

1901　　

単身上京。早稲田で共同生活

1902　　

早稲田実業学校入学。画家・藤島武二の主宰する白馬会「洋画研究所」に通う。　

1905　　

平民社機関紙「直言」にコマ絵が掲載。コマ絵「筒井筒」が第１賞獲得。

画家・岡田三郎助等に独自の道を進められ、早稲田実業学校を中退し画業に専念する。

1906　　

美貌の岸たまきが早稲田鶴巻町に絵ハガキ店「つるや」を開店し、夢二が開店5日後に訪問。

1907　　

たまきと結婚。たまきをモデルとした絵を大量に描く。読売新聞入社。

1909　　

性格不一致でたまきと離婚。初の著作物「夢二画集　春の巻」を刊行し、大ヒットして続刊多数となる。

　　　　「夢二式美人」が流行語となる。

1910　　

たまきと同棲。

避暑に行った銚子海鹿島で長谷川カタと出会い恋に落ちるが翌年失恋。（有名詩「宵待草」の元となる。）

1912　　

「第一回夢二作品展覧会」を京都府立図書館で開催し、多数の入場者を得る。

1914　　

外遊を計画し、たまきの生計確保のため日本橋呉服町に「港屋絵草紙店」を開店。

　　画学生笠井彦乃と知り合い恋愛関係になるが彦乃の父の猛反対にあう。

1915　　

婦人之友社編集局絵画主任に就任。ニコライ大聖堂で二人だけで挙式をする。

1916　　

セノオ楽譜「お江戸日本橋」の表紙絵を描き、以降270余点を継続制作。

京都へ単身転居し、彦乃の上洛を待つ。

たまきが子どもを置いて失踪。虹之助は八幡の夢二の親、不二彦は京都の夢二の許、草一は養子となる。

1917　　

彦乃が父親をだまして上洛。療養のため北陸を旅行。金沢湯涌温泉逗留で唯一の至福の時を過ごす。

1918　　

「第二回夢二作品展覧会」を京都府立図書館で開催。

夢二が病床の彦乃を残して長崎旅行するが、彦乃が別府まで追いかけてきて症状悪化。

彦乃の父親が駆けつけて入院し面会謝絶となる。彦乃の願いで夢二は東京へ戻る。

夢二は本郷の菊富士ホテルに住み、彦乃は近くの順天堂医院に入院。

名作「黒船屋」を制作。

1919　　

彦乃との愛の日々を描いた短歌集「山へよする」を刊行。

友人に紹介された人気モデル佐々木カ子代（お葉）が同居する。

1920　　

彦乃が死去。

1923　　

友人たちと広告代理店「どんたく図案社」の宣言をするが、9月1日の関東大震災で計画中止となる。

被災の状況を描いた「東京災難画信」を都新聞に連載。　　

1924　　

自ら設計した少年山荘を世田谷の松原に建て、お葉、子たちと暮らし始める。

1925　　

新進女流作家山田順子との関係し、お葉が夢二の許を去る。3か月後夢二は山田順子と離別。

1928　　

群馬県・伊香保が気に入りアトリエ建設を提案。

1929　　

群馬県・赤城山「音楽と文芸の夕」に出演。

1930　　

「雛によする展覧会」を開催し夢二人形を展示。

手による産業の振興を目指す「榛名山美術研究所建設につき」を宣言。

1931　　

週刊朝日編集長の翁久允から米欧旅行の提案があり、外遊資金作り集会を連続開催。

名作「立田姫」と「榛名山賦」を制作。

横浜発を発ち、オアフ島ホノルル、ハワイ島ヒロ「大正寺」で個展等を開催。

サンフランシスコで翁久允と喧嘩別れし、単独行動となるが体調を崩す。

1932　　

UCLA、オリンピックホテルで個展するが不振。ロス五輪の取材。

名作「青山河」を制作し世話になった酒井米夫へ贈呈する。　

単身欧州へ向かい、ドイツ、チェコ、オーストリア、フランス、スイスを貧乏旅行。

1933　　

ドイツ・ベルリンの画塾「イッテン・シューレ」で日本画教室を開始するが、ナチスの侵攻で中止。

イタリア・ナポリを発ち、神戸港に憔悴した姿で到着。

東方文化協会理事長の河瀬蘇北から、台湾支部設立祝賀の個展・講演会の誘いがある。

帰国1か月後に神戸港を発ち、台湾へ渡航。台北の鐡道ホテルで藤島武二と再会。

警察会館で「竹久夢二滞欧作品展覧会」を開催し台湾医専で「東西女雑感」を講演。

台湾日日新報にエッセイ「臺灣の印象」を掲載し、体調を崩して本土帰還。

持って行った絵やスケッチ、日記などが未だに行方不明の状態で謎の台湾旅行となっている。　

1934

結核と判明し正木不如丘の計らいで信州富士見高原療養所で療養するも、9月1日死去。

東京・雑司ヶ谷霊園に埋葬され、墓石には「竹久夢二を埋む」とある。（有島生馬揮毫）

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■BIOGAPHY of YUMEJI TAKEHISA■■■■

1884

Born on September 16th in Honjo Village, Oku District, Okayama Prefecture. (Real name: Mojiro Takehisa)

1899

Enrolled in Kobe Junior High School.

1900

His family suddenly moved to Yawata Village, Fukuoka Pref in Kyushu.

Quitted the school and moved to join his family.

1901

Moved to Tokyo alone and live in the region called Waseda

1902

Entered Waseda Jitsugyo School. He attends the Hakuba-kai Western Painting Institute, run by painter Takeji Fujishima. 　

1905

His Illustration was adoped in Heiminsha's official newspaper ``Chokogen (Direct Statement)''.

His illustration ``Tsutsui Tsutsu'' won the first prize.

Encouraged by the painter Saburosuke Okada and others to pursue his own path, and he dropped out of Waseda Jitsugyo School to concentrate on painting.

1906

The beautiful Ms. Tamaki Kishi opens a postcard shop “Tsuruya'' in Waseda and Yumeji visits the shop five days after it opens.

1907

Married Tamaki. He draws a large number of pictures using Tamaki as a model. He joined Yomiuri Shimbun.

1909

Divorced from Tamaki due to personality differences.

His first work, ``Yumeji Art Collection, Spring Volume,'' was published and became a big hit, resulting in many subsequent publications. “Yumeji-style beauty” becomes a buzzword.

1910

Still lives with Tamaki after devorce.

Meets Ms. Kata Hasegawa on Ashikajima, Choshi, Chiba Pref. where he went to enjoy summer holidays, and they fell in love. But their love break the following year. (The famous poem "Yoimachigusa” is born by this lost love.)

1912

The “First Exhibition of Yumeji's Works'' is held at the Kyoto Prefectural Library and receives a large number of visitors.

1914

Opens a shop named “Minatoya Bookstore'' in Nihonbashi Gofukucho to secure Tamaki’s livelihood as he wants to go abroad.

Meets Ms. Hikono Kasai, an art student, at the shop and they start a romantic relationship, but Hikono's father strongly opposes this.

1915

Appointed chief painter of the magazine company named Fujinotomosha

Holds a ceremony with Hikono in Nikolai Cathedral by themselves.

1916

Drows the cover picture for the Senoo sheet music "Oedo Nihonbashi" and continues to produce over 270 pieces since then.

Moves to Kyoto alone and waits for Hikono to come to Kyoto.

Tamaki disappeared, leaving her three children behind. The second son, Fujihiko, is sent to Yumeji in Kyoto.

1917

Hikono deceives her father and goes to Kyoto.

They traveled to Hokuriku region for medical treatment and spend their only blissful time at Yuwaku Onsen (spa), Kanazawa.

1918

The ”Second Exhibition of Yumeji's Works'' was held at the Kyoto Prefectural Library.

Yumeji goes to Nagasaki, Kyushu, leaving Hikono in her sick bed, but later Hikono follows him to Beppu to make her condition worse.

Hikono's father rushed to Kyushu and hospitalizes her with the visitation restriction.

Returns to Tokyo at Hikono's request and stays at Kikufuji Hotel in Hongo.

Later, Hikono moves to Juntendo Hospital under hard condition to meet Yumeji.

Created the masterpiece "Kurofuneya".

1919

Publishes a tanka collection “Yama he Yosuru (To the Mountains)'' which depicts his days of love with Hikono.

Started to live with Ms. Kaneyo Sasaki (Oyo), a popular model. who is introduced by his friends.

1920

Hikono passes away.

1923

Announces the establishment of an advertising company “Dontaku Zuansha” with his friends but the plan is canceled due to the Great Kanto Earthquake on September 1.

“Tokyo Disaster Picture Report'' depicting the disaster situation is serialized in the Miyako Shimbun Newspaper. 　　

1924

Builds a house named “Boy's Mountain Lodge” of his own design in Matsubara, Setagaya, and starts living there with Oyo and two of his three boys.

1925

Oyo leaves Yumeji due to his love relationship with Ms. Junko Yamada, a rising female writer. They separate three months later.

1928

Comes to love Ikaho in Gunma Prefecture and proposes building an atelier there.

1929

Appeares in "Evening of Music and Literature" at Akagiyama Mountain, Gunma Prefecture's.

1930

Holds an exhibition "To Hina (Chick)" showing Yumeji dolls.

Declares the ``Construction of the Harunasan Art Institute,'' which aims to promote hand-based industry.

1931

Weekly Asahi Editor-in-Chief, Kyuin Okina, proposes Yumeji a trip to the United States and Europe and they holds a series of events to raise funds for their overseas travel.

Creates the masterpieces “Tatsuta Hime'' and ``Haruna Sanpu.''

Left Yokohama and held exhibitions in Honolulu, Oahu, and Taishoji Temple in Hilo, Hawaii.

Has a quarrel with Okina and broke up with him In San Francisco and travels on his own, but his health deteriorates.

1932

Holds exhibition at UCLA and the Olympic Hotel with unsuccessful result.

Goes to the Los Angeles Olympics as a reporter.

Presents his masterpiece ``Seisanga'' to Yoneo Sakai, for his kind help.

Heads to Europe alone and traveled on a shoestring through Germany, the Czech Republic, Austria, France, and Switzerland.

1933

Starts a Japanese painting class at the art school “Itten Schule” in Berlin, Germany, but he is forced to return to Japan due to the Nazi invasion.

Leaves Naples, Italy and arrives at Kobe Port looking haggard.

Kawase Sohoku, chairman of the Oriental Culture Association, invites Yumeji to an exhibition and lecture to celebrate the establishment of the Taiwan branch.

Leaves Kobe Port and traveled to Taiwan after one month after returning to Japan.

Meets Takeji Fujishima again at the Railway Hotel in Taipei.

Holds the “Exhibition of Yumeji Takehisa's Works in Europe'' at the Police Hall and gives a lecture on “Thoughts on Eastern and Western Women'' at the Taiwan Medical College.

Published an essay titled “Impressions of Taiwan'' in the Taiwan Daily Newspaper, and returns to the mainland when his health deteriorated so much.

The paintings, sketches, and diary Yumeji brings with her are still missing, making his trip to Taiwan a mystery. 　

1934

Found to suffer from tuberculosis  and hospitalized at the Shinshu Fujimi Kogen Sanatorium at the arrangement of Masaki Fujkyu Masaki, but Yumeji passes away on September 1st.

Yumeji was buried at Zoshigaya Cemetery in Tokyo, and his tombstone reads, ``Burying Yumeji Takehisa.'' (written by the painter, Ikuma Arishima)

JASMINe Project International

第25号 夢二の動物園 Yumeji's Zoo

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【MESSAGE from the Editor】(Japanese/English)

【夢二のカワイイ　Yumeji’s Kawaii】　

【夢二のすべて　All about Yumeji】

【最新夢二情報　Latest Information on Yumeji (Japanese)】

【夢二の略歴 Biography of Yumeji】(Japanese/English)
   最後尾に掲載してありますのでご活用ください。

   Yumeji's chronology is posted at the end of this issue, so please use it whenever you need it.

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■MESSAGE from the EDITOR■

現在、竹久夢二美術館で「夢二がえがく動物ワンダーランド ～大正ロマンのイラスト＆デザインを中心に～」が開催されています。

夢二は自らもうさぎや犬を飼っていて、動物の絵をたくさん描いているのは有名ですが、私が美術館に行って見たら小さな動物や昆虫までものすごい種類のものを描いていることが分かりました。とにかく動物の絵の洪水で、美術館が動物園のようです。

ところで、夢二が1914年頃に描いたといわれる「青い海越えはるばると」というゾウの絵がありますが、その年に大阪の天王寺動物園が開園したことが分かり、ちょっと面白いことが分かったのでご紹介します。（これがきっかけで夢二がこのゾウの絵を描いたかどうかは分かりませんが。）

当時、ゾウ、ライオン、トラなど181点が集められたのですが、他の施設から移転してきた時のいきさつで面白いことがありました。小動物や猛獣は大八車や牛車で運んだのですが、ゾウの“団平”だけは大きすぎて搬送が難しかったため、深夜に歩いて引越ししたそうです。ゾウが通った道路は、道幅が６ｍもないほど狭く、菓子屋や玩具屋などの軒先には石油ランプの看板門灯が突き出していました。このため、ゾウが暴れて民家を壊した場合に備えて修理費の特別予算を組んだそうです。

まあ、今は新しい新幹線の車体も工場から深夜に道路を異動させるそうですから、似たようなものでしょうか。
Currently, the Takehisa Yumeji Art Museum is holding an exhibition called ``Yumeji's Illustrations of Animal Wonderland - Focusing on Taisho Romantic Illustrations and Designs.''

Yumeji himself owns rabbits and dogs, and is famous for drawing many pictures of animals, but when I went to the museum, I found that he drew a huge variety of things, even small animals and insects. I did. There are so many pictures of animals that the museum looks like a zoo.

By the way, there is a painting of an elephant called “All the Way Across the Blue Sea'' that is said to have been painted by Yumeji around 1914.I found out that the Tennoji Zoo in Osaka opened in that year, so I would like to introduce it because I found it a little interesting. (I don't know if this was the trigger for Yumeji to draw this elephant.)

At that time, 181 items including elephants, lions, and tigers were collected, and it was interesting to see what happened when they were relocated from other facilities. Small animals and beasts of prey were transported using large carts or oxcarts, but Danpei the elephant was too large to transport, so he was moved on foot late at night. The road the elephants passed was so narrow that it was less than 6 meters wide, and oil lamp signage gate lights jutting out from the eaves of sweets and toy stores. For this reason, a special budget has been set aside for repairs in case the elephant goes wild and destroys people's homes.

Well, it seems like new Shinkansen bodies are moved from the factory to the road in the middle of the night, so I guess it's something similar.

▼竹久夢二美術館（現在）　Takehisa Yumeji Museum (present)

    

▼「青い海越えはるばると」（竹久夢二、1914年） “All the Way Across the Blue Sea” (Yumeji Takehisa)

■  夢二の“カワイイ”■ YUMEJI’S “KAWAII” ■

『竹久夢二　かわいい手帖　大正ロマンの乙女ワールド』（石川桂子編、河出書房新社）より

Based on “Takehisa Yumeji Kawaii Notebook Female World of Taisho Roman” by Keiko Ishikawa, Curator of Takehisa Yumeji Art Museum

＜第1章＞「かわいい×デザイン」

３　白蓮も多用した夢二の絵封筒

和紙に木版色刷りによって多彩な図案があしらわれた封筒を、＜絵封筒＞といいますが、夢二は情趣あふれるデザインを数多く作りました。

その図案は草花、小動物、京名所を題材にとり、夢二による絵封筒はシンプルかつ淡い色使いで仕上げられたものが多くみられます。

絵封筒は、郵便で使用されるだけはでなく、綺麗な柄で多数制作されていたため、コレクションする人も多かったそうです。

ところで、福岡の炭坑王・伊藤伝右衛門に嫁いだ歌人の柳原白蓮（本名：燁子（あきこ））は、主婦としての力を夫から認められなかったことなどから、結婚９年目で出会った東京帝大学生で若き社会運動家であった宮崎龍介と恋愛関係となりました。二人は東京・九州間で２年間に７００通もの恋文を交わしたとのこと。そこには夢二の絵封筒がたくさん使われていました。白蓮は夢二グッズの大ファンだったのですね。ちなみに、白蓮の処女作『蹈絵（ふみえ）』は夢二の装幀によるものでした。

3 Yumeji's picture envelopes, which Byakuren also used a lot

Envelopes with a variety of designs printed on washi paper using woodblock printing are called ``picture envelopes,'' and Yumeji created many designs full of emotion.

The designs feature flowers, small animals, and famous places in Kyoto, and many of Yumeji's picture envelopes are simple and finished in pale colors.

Picture envelopes were not only used for mailing, but many people also collected them because they were produced in many beautiful patterns.

By the way, Yanagihara Byakuren (real name: Akiko), a poet who married Fukuoka's coal mining tycoon, Ito Den'emon, became romantically involved with Ryusuke Miyazaki, a young social activist and student at Tokyo Imperial University nine years after her marriage due to reasons such as her husband's disapproval of her ability as a housewife. Byakuren and Miyazaki reportedly exchanged 700 love letters over two years between Tokyo and Kyushu. And many of Yumeji's picture envelopes were used at that time. It seems that Byakuren was a big fan of Yumeji goods. In addition, Byakuren's first work, ``Fumie'', was designed by Yumeji.

*Fumie: literally "stepping-on pictures". It was a bronze or wooden likeness of Christ or the Virgin Mary. It was used as a test of faith by Japanese authorities seeking to root out Christians, who faced persecution during this time during the Edo period in Japan. Authorities would require suspected Christians to step on the image; those who refused were often subjected to harsh punishment or even execution. The Fumie became a powerful symbol of religious persecution during this period in Japanese history.

▼PHOTOS from “Takehisa Yumeji Kawaii Notebook Female World of Taisho Roman” by Keiko Ishikawa,

■  夢二のすべて■ ALL ABOUT YUMEJI ■

竹久夢二という人物をより理解するために、彼の特徴や作品をご紹介します。

To better understand the person named Yumeji Takehisa, his unique characteristics of him and his work are introduced here.

３　夢二と外国

・1899年（明治32）、夢二は兵庫県の神戸中学校（現・神戸高等学校）に進学。彼は岡山の家を出て、神戸に住む叔父・竹久才五郎の家から通学することになりました。

中学校では、夢二は、キリスト教、英語、野球に親しみ、さらに異国情緒溢れる神戸の街にいることで外国へのあこがれを膨らませました。

しかし、この学校生活は長く続かず、彼は8か月で中退することになってしまいます。それは、その年の年末に、岡山の夢二一家が福岡県八幡・枝光に転居することになったからで、夢二は神戸から八幡に転居することを余儀なくされました。

夢二に異国趣味の作品が多いのと、何度も外国渡航を計画したのはこれが起因しています。

In 1899, Yumeji entered Kobe Junior High School (currently Kobe High School) in Hyogo Prefecture. He decided to leave his home in Okayama and commute to school from his uncle Saigoro Takehisa's house in Kobe. In junior high school, Yumeji became familiar with Christianity, English, and baseball, and being in the exotic city of Kobe expanded his longing for foreign countries.

However, this school life did not last long and he ended up dropping out after eight months. This was because at the end of that year, Yumeji's family from Okayama was moving to Yawata/Edamitsu, Fukuoka Prefecture, and Yumeji was forced to move from Kobe to Yawata.

This is the reason why many of Yumeji's works have exotic tastes and why he planned to travel abroad many times.

▼異国情緒あふれる神戸市（現在） The exotic city, Kobe (present)

    

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■  最新夢二情報　■ LATEST INFORMATION on YUMEJI ■

※ Japanese only

■竹久夢二美術館（東京都文京区）

　「夢二がえがく動物ワンダーランド ～大正ロマンのイラスト＆デザインを中心に～」（2024年4月6日（土）～6月30日（日））　

　https://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yumeji/outline.html

■弥生美術館（東京都文京区）

「マツオヒロミ展　レトロモダンファンタジア」（2024年4月6日（土）～6月30日（日））　

　https://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yumeji/outline.html

■金沢湯涌夢二館（石川県金沢市）

　「夢二の新聞小説『秘薬紫雪』」（2024年1月20日(土)～4月21日(日)

   https://kanazawa-museum.jp

■竹久夢二伊香保記念館（群馬県渋川市）

　企画展はHP参照

　https://yumeji.or.jp

■夢二郷土美術館（岡山県岡山市）

・本館

　夢二生誕140周年記念・本館移設開館40周年記念『夢のふる郷(さと)』（2024年3月12日（火）～6月9日（日）

https://yumeji-art-museum.com/

■東京都庭園美術館

　「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」（2024年6月1日（土）～ 8月25日（日））

　・関連記事（PRTIMES）

   https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000613.000038211.html

■ホテル雅叙園東京（東京都目黒区）

東京都指定有形文化財「百段階段」にて「昭和モダン×百段階段～東京モダンガールライフ～」（2024年3月23日（土）～6月16日（日））

   https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/modern2024

■福島県立美術館で「美人画の雪月花　培広庵コレクション展」で、夢二の「投扇興」展示中。（2024年3月23日(土)〜5月12日(日)）

   https://art-museum.fcs.ed.jp/exhibition/current

【展覧会以外】

●夢二が彩る　レトロ電車　岡電生誕140周年記念で新装（朝日新聞DIGITAL）
   https://www.asahi.com/articles/ASS484DK7S48PPZB005M.html?ref=sdgs

●竹久夢二（1884～1934年）と千葉の関わりを紹介した冊子「竹久夢二と房総」を、八街市の日本文学風土学会員・市原善衛さん（73）が自費出版。（東京新聞より）

   https://www.tokyo-np.co.jp/article/288094

●「岐路に立つ「金沢の奥座敷」　伝統の湯守りつつ新たな取り組みも（湯涌温泉）」（朝日新聞デジタル）

　https://www.asahi.com/articles/ASRBX6SG4RBRPISC01B.html

●『女の世界』大正という時代（尾形明子著、藤原書店）が発売中！

　百年前、こんな面白い雑誌があった！

　https://www.fujiwara-shoten-store.jp/SHOP/9784865783926.html

●『大正時代の音楽文化とセノオ楽譜』（越懸澤麻衣著、小鳥遊出版社）が発売中！

　https://honno.info/kkan/card.html?isbn=9784867800096

●最新の夢二書『異国の夢二』（ひろたまさき著、講談社選書メチエ）が発売中！

　　https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784065323465

●越懸澤麻衣著『大正時代の音楽文化とセノオ楽譜』が発売中！

   https://honno.info/kkan/card.html?isbn=9784867800096

●夢二の雰囲気に包まれてオリジナル懐石を楽しめる！――神楽坂「夢二」

   https://www.kagurazaka-yumeji.com/
 

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■夢二の略歴■BIOGAPHY of YUMEJI TAKEHISA■■■■

1884　　

9月16日岡山県邑久郡本城村に誕生。（本名　竹久茂次郎）

1899　　

神戸中学校に入学。

1900　　

九州の八幡村枝光に一家転居。夢二は神戸中学校を中退して家族と合流。

1901　　

単身上京。早稲田で共同生活

1902　　

早稲田実業学校入学。画家・藤島武二の主宰する白馬会「洋画研究所」に通う。　

1905　　

平民社機関紙「直言」にコマ絵が掲載。コマ絵「筒井筒」が第１賞獲得。

画家・岡田三郎助等に独自の道を進められ、早稲田実業学校を中退し画業に専念する。

1906　　

美貌の岸たまきが早稲田鶴巻町に絵ハガキ店「つるや」を開店し、夢二が開店5日後に訪問。

1907　　

たまきと結婚。たまきをモデルとした絵を大量に描く。読売新聞入社。

1909　　

性格不一致でたまきと離婚。初の著作物「夢二画集　春の巻」を刊行し、大ヒットして続刊多数となる。

　　　　「夢二式美人」が流行語となる。

1910　　

たまきと同棲。

避暑に行った銚子海鹿島で長谷川カタと出会い恋に落ちるが翌年失恋。（有名詩「宵待草」の元となる。）

1912　　

「第一回夢二作品展覧会」を京都府立図書館で開催し、多数の入場者を得る。

1914　　

外遊を計画し、たまきの生計確保のため日本橋呉服町に「港屋絵草紙店」を開店。

　　画学生笠井彦乃と知り合い恋愛関係になるが彦乃の父の猛反対にあう。

1915　　

婦人之友社編集局絵画主任に就任。ニコライ大聖堂で二人だけで挙式をする。

1916　　

セノオ楽譜「お江戸日本橋」の表紙絵を描き、以降270余点を継続制作。

京都へ単身転居し、彦乃の上洛を待つ。

たまきが子どもを置いて失踪。虹之助は八幡の夢二の親、不二彦は京都の夢二の許、草一は養子となる。

1917　　

彦乃が父親をだまして上洛。療養のため北陸を旅行。金沢湯涌温泉逗留で唯一の至福の時を過ごす。

1918　　

「第二回夢二作品展覧会」を京都府立図書館で開催。

夢二が病床の彦乃を残して長崎旅行するが、彦乃が別府まで追いかけてきて症状悪化。

彦乃の父親が駆けつけて入院し面会謝絶となる。彦乃の願いで夢二は東京へ戻る。

夢二は本郷の菊富士ホテルに住み、彦乃は近くの順天堂医院に入院。

名作「黒船屋」を制作。

1919　　

彦乃との愛の日々を描いた短歌集「山へよする」を刊行。

友人に紹介された人気モデル佐々木カ子代（お葉）が同居する。

1920　　

彦乃が死去。

1923　　

友人たちと広告代理店「どんたく図案社」の宣言をするが、9月1日の関東大震災で計画中止となる。

被災の状況を描いた「東京災難画信」を都新聞に連載。　　

1924　　

自ら設計した少年山荘を世田谷の松原に建て、お葉、子たちと暮らし始める。

1925　　

新進女流作家山田順子との関係し、お葉が夢二の許を去る。3か月後夢二は山田順子と離別。

1928　　

群馬県・伊香保が気に入りアトリエ建設を提案。

1929　　

群馬県・赤城山「音楽と文芸の夕」に出演。

1930　　

「雛によする展覧会」を開催し夢二人形を展示。

手による産業の振興を目指す「榛名山美術研究所建設につき」を宣言。

1931　　

週刊朝日編集長の翁久允から米欧旅行の提案があり、外遊資金作り集会を連続開催。

名作「立田姫」と「榛名山賦」を制作。

横浜発を発ち、オアフ島ホノルル、ハワイ島ヒロ「大正寺」で個展等を開催。

サンフランシスコで翁久允と喧嘩別れし、単独行動となるが体調を崩す。

1932　　

UCLA、オリンピックホテルで個展するが不振。ロス五輪の取材。

名作「青山河」を制作し世話になった酒井米夫へ贈呈する。　

単身欧州へ向かい、ドイツ、チェコ、オーストリア、フランス、スイスを貧乏旅行。

1933　　

ドイツ・ベルリンの画塾「イッテン・シューレ」で日本画教室を開始するが、ナチスの侵攻で中止。

イタリア・ナポリを発ち、神戸港に憔悴した姿で到着。

東方文化協会理事長の河瀬蘇北から、台湾支部設立祝賀の個展・講演会の誘いがある。

帰国1か月後に神戸港を発ち、台湾へ渡航。台北の鐡道ホテルで藤島武二と再会。

警察会館で「竹久夢二滞欧作品展覧会」を開催し台湾医専で「東西女雑感」を講演。

台湾日日新報にエッセイ「臺灣の印象」を掲載し、体調を崩して本土帰還。

持って行った絵やスケッチ、日記などが未だに行方不明の状態で謎の台湾旅行となっている。　

1934

結核と判明し正木不如丘の計らいで信州富士見高原療養所で療養するも、9月1日死去。

東京・雑司ヶ谷霊園に埋葬され、墓石には「竹久夢二を埋む」とある。（有島生馬揮毫）

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■BIOGAPHY of YUMEJI TAKEHISA■■■■

1884

Born on September 16th in Honjo Village, Oku District, Okayama Prefecture. (Real name: Mojiro Takehisa)

1899

Enrolled in Kobe Junior High School.

1900

His family suddenly moved to Yawata Village, Fukuoka Pref in Kyushu.

Quitted the school and moved to join his family.

1901

Moved to Tokyo alone and live in the region called Waseda

1902

Entered Waseda Jitsugyo School. He attends the Hakuba-kai Western Painting Institute, run by painter Takeji Fujishima. 　

1905

His Illustration was adoped in Heiminsha's official newspaper ``Chokogen (Direct Statement)''.

His illustration ``Tsutsui Tsutsu'' won the first prize.

Encouraged by the painter Saburosuke Okada and others to pursue his own path, and he dropped out of Waseda Jitsugyo School to concentrate on painting.

1906

The beautiful Ms. Tamaki Kishi opens a postcard shop “Tsuruya'' in Waseda and Yumeji visits the shop five days after it opens.

1907

Married Tamaki. He draws a large number of pictures using Tamaki as a model. He joined Yomiuri Shimbun.

1909

Divorced from Tamaki due to personality differences.

His first work, ``Yumeji Art Collection, Spring Volume,'' was published and became a big hit, resulting in many subsequent publications. “Yumeji-style beauty” becomes a buzzword.

1910

Still lives with Tamaki after devorce.

Meets Ms. Kata Hasegawa on Ashikajima, Choshi, Chiba Pref. where he went to enjoy summer holidays, and they fell in love. But their love break the following year. (The famous poem "Yoimachigusa” is born by this lost love.)

1912

The “First Exhibition of Yumeji's Works'' is held at the Kyoto Prefectural Library and receives a large number of visitors.

1914

Opens a shop named “Minatoya Bookstore'' in Nihonbashi Gofukucho to secure Tamaki’s livelihood as he wants to go abroad.

Meets Ms. Hikono Kasai, an art student, at the shop and they start a romantic relationship, but Hikono's father strongly opposes this.

1915

Appointed chief painter of the magazine company named Fujinotomosha

Holds a ceremony with Hikono in Nikolai Cathedral by themselves.

1916

Drows the cover picture for the Senoo sheet music "Oedo Nihonbashi" and continues to produce over 270 pieces since then.

Moves to Kyoto alone and waits for Hikono to come to Kyoto.

Tamaki disappeared, leaving her three children behind. The second son, Fujihiko, is sent to Yumeji in Kyoto.

1917

Hikono deceives her father and goes to Kyoto.

They traveled to Hokuriku region for medical treatment and spend their only blissful time at Yuwaku Onsen (spa), Kanazawa.

1918

The ”Second Exhibition of Yumeji's Works'' was held at the Kyoto Prefectural Library.

Yumeji goes to Nagasaki, Kyushu, leaving Hikono in her sick bed, but later Hikono follows him to Beppu to make her condition worse.

Hikono's father rushed to Kyushu and hospitalizes her with the visitation restriction.

Returns to Tokyo at Hikono's request and stays at Kikufuji Hotel in Hongo.

Later, Hikono moves to Juntendo Hospital under hard condition to meet Yumeji.

Created the masterpiece "Kurofuneya".

1919

Publishes a tanka collection “Yama he Yosuru (To the Mountains)'' which depicts his days of love with Hikono.

Started to live with Ms. Kaneyo Sasaki (Oyo), a popular model. who is introduced by his friends.

1920

Hikono passes away.

1923

Announces the establishment of an advertising company “Dontaku Zuansha” with his friends but the plan is canceled due to the Great Kanto Earthquake on September 1.

“Tokyo Disaster Picture Report'' depicting the disaster situation is serialized in the Miyako Shimbun Newspaper. 　　

1924

Builds a house named “Boy's Mountain Lodge” of his own design in Matsubara, Setagaya, and starts living there with Oyo and two of his three boys.

1925

Oyo leaves Yumeji due to his love relationship with Ms. Junko Yamada, a rising female writer. They separate three months later.

1928

Comes to love Ikaho in Gunma Prefecture and proposes building an atelier there.

1929

Appeares in "Evening of Music and Literature" at Akagiyama Mountain, Gunma Prefecture's.

1930

Holds an exhibition "To Hina (Chick)" showing Yumeji dolls.

Declares the ``Construction of the Harunasan Art Institute,'' which aims to promote hand-based industry.

1931

Weekly Asahi Editor-in-Chief, Kyuin Okina, proposes Yumeji a trip to the United States and Europe and they holds a series of events to raise funds for their overseas travel.

Creates the masterpieces “Tatsuta Hime'' and ``Haruna Sanpu.''

Left Yokohama and held exhibitions in Honolulu, Oahu, and Taishoji Temple in Hilo, Hawaii.

Has a quarrel with Okina and broke up with him In San Francisco and travels on his own, but his health deteriorates.

1932

Holds exhibition at UCLA and the Olympic Hotel with unsuccessful result.

Goes to the Los Angeles Olympics as a reporter.

Presents his masterpiece ``Seisanga'' to Yoneo Sakai, for his kind help.

Heads to Europe alone and traveled on a shoestring through Germany, the Czech Republic, Austria, France, and Switzerland.

1933

Starts a Japanese painting class at the art school “Itten Schule” in Berlin, Germany, but he is forced to return to Japan due to the Nazi invasion.

Leaves Naples, Italy and arrives at Kobe Port looking haggard.

Kawase Sohoku, chairman of the Oriental Culture Association, invites Yumeji to an exhibition and lecture to celebrate the establishment of the Taiwan branch.

Leaves Kobe Port and traveled to Taiwan after one month after returning to Japan.

Meets Takeji Fujishima again at the Railway Hotel in Taipei.

Holds the “Exhibition of Yumeji Takehisa's Works in Europe'' at the Police Hall and gives a lecture on “Thoughts on Eastern and Western Women'' at the Taiwan Medical College.

Published an essay titled “Impressions of Taiwan'' in the Taiwan Daily Newspaper, and returns to the mainland when his health deteriorated so much.

The paintings, sketches, and diary Yumeji brings with her are still missing, making his trip to Taiwan a mystery. 　

1934

Found to suffer from tuberculosis  and hospitalized at the Shinshu Fujimi Kogen Sanatorium at the arrangement of Masaki Fujkyu Masaki, but Yumeji passes away on September 1st.

Yumeji was buried at Zoshigaya Cemetery in Tokyo, and his tombstone reads, ``Burying Yumeji Takehisa.'' (written by the painter, Ikuma Arishima)

JASMINe Project International

第24号 才媛 長谷川時雨 Shigure Hasegawa, Talented Beauty

■このブログは次の「週報　夢二と台湾2023」（2021.8～2023.8）の後継版です。

①創刊号（2021.8.8）～第37号⇒　　https://yumejitotaiwan.exblog.jp、

②第38号～第102号（2023.8.27）⇒　　https://jasmineproject.amebaownd.com/

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★MENU★
【MESSAGE from the Editor】(Japanese/English)

【夢二のカワイイ　Yumeji’s Kawaii】　

【夢二のすべて　All about Yumeji】

【夢二の略歴 Biography of Yumeji】(Japanese/English)
最後尾に掲載してありますのでご活用ください。

Yumeji's chronology is posted at the end of this issue, so please use it whenever you need it.

【最新夢二情報　Latest Information on Yumeji (Japanese)】

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■MESSAGE from the EDITOR■

あっという間に満開の桜が葉桜に変わってしまいました。2024年ももう4か月が経とうとしています。「夢二と彦乃　愛のかたち2025」の作業開始となりました。

今回のテーマとなっている大正時代はわずか15年ですが、明治から昭和への移行期として、日本の歴史の中で重要な位置を占めています。

まずはその時代背景が笠井彦乃にどのように影響していたのかを知りたい、ということで、大正時代を調べ始めました。

大正時代は、女性の意識や取り巻く環境が大きく変わった時代です。

平塚らいてうが「青踏」を出版して始まり、多くの女性が活躍しましたが、その中で、一人の女性に大いに興味を持ちました。

長谷川時雨（1879～1941）です。恥ずかしながら全く知りませんでした。「明治から昭和期の劇作家、小説家。雑誌や新聞を発行して、女性の地位向上の運動を率いた」（Wikipedia）と紹介されていますが、その才能を十分に発揮した所業たるや圧倒的でした。しかも江戸っ子らしい生き方に東京生まれの私も共感。詳細は後日ご紹介しますが、彼女のことを調べているうちに、夢二が時雨の著作「名婦伝」（1919年）の装幀をしていることが分かり、大感激。そこでネットを見ると、それがオークションに出ていてまた感激。早速入手しました。

先週は時雨の生地（東京都中央区日本橋大伝馬町）と葬儀を行った青松寺（東京都港区芝）を訪問。

私の大正時代探訪はここから始まりました。

In the blink of an eye, the cherry blossoms in full bloom turned into leaf cherry blossoms. It's already been four months since 2024. Actual work has started on "Yumeji and Hikono: Shape of Love 2025".

The Taisho era, which is the theme of this article, lasted only 15 years, but it occupies an important place in Japanese history as the transition period from the Meiji to the Showa eras.

First, I started researching the Taisho period because I wanted to know how that period influenced Hikono Kasai, the beloved woman of Yumeji.

The Taisho era was a time when women's consciousness and the environment surrounding them changed significantly.

It started with Raicho Hiratsuka's publication of “Seito 青鞜” , and many women have played an active role, but there is one woman that I am very interested in.

This is Shigure Hasegawa, Ms. (1879-1941). I am ashamed to say I didn’t know her. She is introduced as "a playwright and novelist from the Meiji to Showa periods. She published magazines and newspapers and led a movement to improve the status of women" (Wikipedia), and I found the work that fully demonstrated her talent was overwhelming! I will introduce the details later.

And amazingly, as I was researching her, I came to know that Yumeji had designed the book for Shigure's book ``Famous Women 名婦伝'' (1919). I was so much impressed. So, I looked online and found that it was up for auction. I was thrilled. I got it right away.

Last week, I visited Shigure's birthplace (Nihonbashi Ohdenmacho, Chuo-ku, Tokyo) and Seishoji Temple (Shiba, Minato-ku, Tokyo), where the funeral was held.

My exploration of the Taisho era began here.

▼長谷川時雨　Shigure Hasegawa

▼長谷川時雨の生地（左側のビル、東京都中央区日本橋大伝馬町）

Fabric from Shigure Hasegawa (the building on the left, Nihonbashi Odenma-cho, Chuo-ku, Tokyo)

▼葬儀を行った青松寺（東京都港区芝）

 Seishoji Temple where the funeral was held (Shiba, Minato-ku, Tokyo)

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■  夢二の“カワイイ”■ YUMEJI’S “KAWAII” ■

『竹久夢二　かわいい手帖　大正ロマンの乙女ワールド』（石川桂子編、河出書房新社）より

Based on “Takehisa Yumeji Kawaii Notebook Female World of Taisho Roman” by Keiko Ishikawa, Curator of Takehisa Yumeji Art Museum

＜第1章＞「かわいい×デザイン」

２　夢二模様に彩られた千代紙

江戸中期頃（1800年頃）に創始されたといわれる千代紙の文様は、植物（例：松竹梅・桜・椿）、幾何（例：格子、縞、水玉）等が多く用いられました。夢二もそれらの文様を反復させた図柄や、時にはモチーフを大胆に配して、また独自の構図と配色でアール・ヌーヴォー調にデザインし、千代紙に個性と彩を添えました。

さまざまな模様を和紙に木版手刷りで刷り出した千代紙は、「小さいお母さま」（写真参照）に描かれているような姉様人形の衣装となる着物や、小箱の表面を装飾する目的でも用いられ、現在のラッピングペーパーのような役割を果たしました。

夢二の千代紙は東京の＜港屋(minatoya)＞、大阪の＜柳屋(yanagiya)＞、そして現在も千代紙専門店として営業中の＜いせ辰(isetatsu)＞（東京都台東区谷中）が版元となって製作・販売されました。

※いせ辰ホームページ：　https://www.isetatsu.com/

<CHAPTER 1> “CUTE × KAWAII”

2 Chiyogami decorated with Yumeji pattern

The patterns of Chiyogami, which is said to have been created around the mid-Edo period (around 1800), often featured plants (e.g., pine, bamboo, plum, cherry blossoms, and camellia) and geometric patterns (e.g., latticework, stripes, and polka dots). Yumeji also added individuality and color to Chiyogami by repeating these patterns, sometimes boldly placing motifs, and designing in an Art Nouveau style with unique compositions and color schemes.

Chiyogami, which is made by hand-printing various patterns on washi paper using wood blocks, is also used to make kimono, which is the costume for the big sister doll depicted in "Little Mother" (see photo), and to decorate the surface of small boxes. It served a similar role to modern-day wrapping paper.

Yumeji's Chiyogami is published, produced and sold by Minatoya in Tokyo, Yanagiya in Osaka, and Isetatsu (Yanaka, Taito-ku, Tokyo). And Isetatsu is currently operating as a chiyogami specialty store.

*Isetatsu homepage: https://www.isetatsu.com/

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■  夢二のすべて■ ALL ABOUT YUMEJI ■

竹久夢二という人物をより理解するために、彼の特徴や作品をご紹介します。

To better understand the person named Yumeji Takehisa, his unique characteristics of him and his work are introduced here.

２　夢二の師

夢二は生涯師とする画家を持たず、一生独学ですごしたと言われていますが、その才能を早くから見出した人がいました。それは、夢二が1895年に入学した、邑久高等小学校の図工教師・服部杢三郎でした。

彼は、模写ではなく、外での写生を重んじる自由な教育方法を採っていたことから、これが夢二にとって功を奏しました。

後年、夢二は「私の最初の先生で、また最後の先生であった」（『草画』序文）と夢二は語っています。

2.    MASTER OF YUMEJI

It is said that Yumeji did not have a painter to teach him and was self-taught throughout his life, but there was someone who discovered his talent early on. That person was Mokusaburo Hattori, an arts and crafts teacher at Oku Elementary School, where Yumeji entered in 1895.

He adopted a free teaching method that valued outdoor sketching rather than copying, and this was a success for Yumeji.

Yumeji later said, "He was my first teacher and also my last teacher'' (Preface to ”Soga 草画”).

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■  最新夢二情報　■ LATEST INFORMATION on YUMEJI ■

※ Japanese only

■竹久夢二美術館（東京都文京区）

　「夢二がえがく動物ワンダーランド ～大正ロマンのイラスト＆デザインを中心に～」（2024年4月6日（土）～6月30日（日））　

　https://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yumeji/outline.html

■弥生美術館（東京都文京区）

「マツオヒロミ展　レトロモダンファンタジア」（2024年4月6日（土）～6月30日（日））　

　https://www.yayoi-yumeji-museum.jp/yumeji/outline.html

■金沢湯涌夢二館（石川県金沢市）

　「夢二の新聞小説『秘薬紫雪』」（2024年1月20日(土)～4月21日(日)

　https://kanazawa-museum.jp

■竹久夢二伊香保記念館（群馬県渋川市）

　企画展はHP参照

　https://yumeji.or.jp

■夢二郷土美術館（岡山県岡山市）

・本館

　夢二生誕140周年記念・本館移設開館40周年記念『夢のふる郷(さと)』（2024年3月12日（火）～6月9日（日）

　https://yumeji-art-museum.com/

■ホテル雅叙園東京（東京都目黒区）

東京都指定有形文化財「百段階段」にて「昭和モダン×百段階段～東京モダンガールライフ～」（2024年3月23日（土）～6月16日（日））

　https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/modern2024

■福島県立美術館で「美人画の雪月花　培広庵コレクション展」で、夢二の「投扇興」展示中。（2024年3月23日(土)〜5月12日(日)）

　https://art-museum.fcs.ed.jp/exhibition/current

【展覧会以外】

●夢二が彩る　レトロ電車　岡電生誕140周年記念で新装（朝日新聞DIGITAL）
　https://www.asahi.com/articles/ASS484DK7S48PPZB005M.html?ref=sdgs

●竹久夢二（1884～1934年）と千葉の関わりを紹介した冊子「竹久夢二と房総」を、八街市の日本文学風土学会員・市原善衛さん（73）が自費出版。（東京新聞より）

　https://www.tokyo-np.co.jp/article/288094

●「岐路に立つ「金沢の奥座敷」　伝統の湯守りつつ新たな取り組みも（湯涌温泉）」（朝日新聞デジタル）

　https://www.asahi.com/articles/ASRBX6SG4RBRPISC01B.html

●『女の世界』大正という時代（尾形明子著、藤原書店）が発売中！

　百年前、こんな面白い雑誌があった！

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●『大正時代の音楽文化とセノオ楽譜』（越懸澤麻衣著、小鳥遊出版社）が発売中！

　  https://honno.info/kkan/card.html?isbn=9784867800096

●最新の夢二書『異国の夢二』（ひろたまさき著、講談社選書メチエ）が発売中！

　　https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784065323465

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●夢二の雰囲気に包まれてオリジナル懐石を楽しめる！――神楽坂「夢二」

　https://www.kagurazaka-yumeji.com/
 

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■夢二の略歴■BIOGAPHY of YUMEJI TAKEHISA■■■■

1884　　

9月16日岡山県邑久郡本城村に誕生。（本名　竹久茂次郎）

1899　　

神戸中学校に入学。

1900　　

九州の八幡村枝光に一家転居。夢二は神戸中学校を中退して家族と合流。

1901　　

単身上京。早稲田で共同生活

1902　　

早稲田実業学校入学。画家・藤島武二の主宰する白馬会「洋画研究所」に通う。　

1905　　

平民社機関紙「直言」にコマ絵が掲載。コマ絵「筒井筒」が第１賞獲得。

画家・岡田三郎助等に独自の道を進められ、早稲田実業学校を中退し画業に専念する。

1906　　

美貌の岸たまきが早稲田鶴巻町に絵ハガキ店「つるや」を開店し、夢二が開店5日後に訪問。

1907　　

たまきと結婚。たまきをモデルとした絵を大量に描く。読売新聞入社。

1909　　

性格不一致でたまきと離婚。初の著作物「夢二画集　春の巻」を刊行し、大ヒットして続刊多数となる。

　　　　「夢二式美人」が流行語となる。

1910　　

たまきと同棲。

避暑に行った銚子海鹿島で長谷川カタと出会い恋に落ちるが翌年失恋。（有名詩「宵待草」の元となる。）

1912　　

「第一回夢二作品展覧会」を京都府立図書館で開催し、多数の入場者を得る。

1914　　

外遊を計画し、たまきの生計確保のため日本橋呉服町に「港屋絵草紙店」を開店。

　　画学生笠井彦乃と知り合い恋愛関係になるが彦乃の父の猛反対にあう。

1915　　

婦人之友社編集局絵画主任に就任。ニコライ大聖堂で二人だけで挙式をする。

1916　　

セノオ楽譜「お江戸日本橋」の表紙絵を描き、以降270余点を継続制作。

京都へ単身転居し、彦乃の上洛を待つ。

たまきが子どもを置いて失踪。虹之助は八幡の夢二の親、不二彦は京都の夢二の許、草一は養子となる。

1917　　

彦乃が父親をだまして上洛。療養のため北陸を旅行。金沢湯涌温泉逗留で唯一の至福の時を過ごす。

1918　　

「第二回夢二作品展覧会」を京都府立図書館で開催。

夢二が病床の彦乃を残して長崎旅行するが、彦乃が別府まで追いかけてきて症状悪化。

彦乃の父親が駆けつけて入院し面会謝絶となる。彦乃の願いで夢二は東京へ戻る。

夢二は本郷の菊富士ホテルに住み、彦乃は近くの順天堂医院に入院。

名作「黒船屋」を制作。

1919　　

彦乃との愛の日々を描いた短歌集「山へよする」を刊行。

友人に紹介された人気モデル佐々木カ子代（お葉）が同居する。

1920　　

彦乃が死去。

1923　　

友人たちと広告代理店「どんたく図案社」の宣言をするが、9月1日の関東大震災で計画中止となる。

被災の状況を描いた「東京災難画信」を都新聞に連載。　　

1924　　

自ら設計した少年山荘を世田谷の松原に建て、お葉、子たちと暮らし始める。

1925　　

新進女流作家山田順子との関係し、お葉が夢二の許を去る。3か月後夢二は山田順子と離別。

1928　　

群馬県・伊香保が気に入りアトリエ建設を提案。

1929　　

群馬県・赤城山「音楽と文芸の夕」に出演。

1930　　

「雛によする展覧会」を開催し夢二人形を展示。

手による産業の振興を目指す「榛名山美術研究所建設につき」を宣言。

1931　　

週刊朝日編集長の翁久允から米欧旅行の提案があり、外遊資金作り集会を連続開催。

名作「立田姫」と「榛名山賦」を制作。

横浜発を発ち、オアフ島ホノルル、ハワイ島ヒロ「大正寺」で個展等を開催。

サンフランシスコで翁久允と喧嘩別れし、単独行動となるが体調を崩す。

1932　　

UCLA、オリンピックホテルで個展するが不振。ロス五輪の取材。

名作「青山河」を制作し世話になった酒井米夫へ贈呈する。　

単身欧州へ向かい、ドイツ、チェコ、オーストリア、フランス、スイスを貧乏旅行。

1933　　

ドイツ・ベルリンの画塾「イッテン・シューレ」で日本画教室を開始するが、ナチスの侵攻で中止。

イタリア・ナポリを発ち、神戸港に憔悴した姿で到着。

東方文化協会理事長の河瀬蘇北から、台湾支部設立祝賀の個展・講演会の誘いがある。

帰国1か月後に神戸港を発ち、台湾へ渡航。台北の鐡道ホテルで藤島武二と再会。

警察会館で「竹久夢二滞欧作品展覧会」を開催し台湾医専で「東西女雑感」を講演。

台湾日日新報にエッセイ「臺灣の印象」を掲載し、体調を崩して本土帰還。

持って行った絵やスケッチ、日記などが未だに行方不明の状態で謎の台湾旅行となっている。　

1934

結核と判明し正木不如丘の計らいで信州富士見高原療養所で療養するも、9月1日死去。

東京・雑司ヶ谷霊園に埋葬され、墓石には「竹久夢二を埋む」とある。（有島生馬揮毫）

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■BIOGAPHY of YUMEJI TAKEHISA■■■■

1884

Born on September 16th in Honjo Village, Oku District, Okayama Prefecture. (Real name: Mojiro Takehisa)

1899

Enrolled in Kobe Junior High School.

1900

His family suddenly moved to Yawata Village, Fukuoka Pref in Kyushu.

Quitted the school and moved to join his family.

1901

Moved to Tokyo alone and live in the region called Waseda

1902

Entered Waseda Jitsugyo School. He attends the Hakuba-kai Western Painting Institute, run by painter Takeji Fujishima. 　

1905

His Illustration was adoped in Heiminsha's official newspaper ``Chokogen (Direct Statement)''.

His illustration ``Tsutsui Tsutsu'' won the first prize.

Encouraged by the painter Saburosuke Okada and others to pursue his own path, and he dropped out of Waseda Jitsugyo School to concentrate on painting.

1906

The beautiful Ms. Tamaki Kishi opens a postcard shop “Tsuruya'' in Waseda and Yumeji visits the shop five days after it opens.

1907

Married Tamaki. He draws a large number of pictures using Tamaki as a model. He joined Yomiuri Shimbun.

1909

Divorced from Tamaki due to personality differences.

His first work, ``Yumeji Art Collection, Spring Volume,'' was published and became a big hit, resulting in many subsequent publications. “Yumeji-style beauty” becomes a buzzword.

1910

Still lives with Tamaki after devorce.

Meets Ms. Kata Hasegawa on Ashikajima, Choshi, Chiba Pref. where he went to enjoy summer holidays, and they fell in love. But their love break the following year. (The famous poem "Yoimachigusa” is born by this lost love.)

1912

The “First Exhibition of Yumeji's Works'' is held at the Kyoto Prefectural Library and receives a large number of visitors.

1914

Opens a shop named “Minatoya Bookstore'' in Nihonbashi Gofukucho to secure Tamaki’s livelihood as he wants to go abroad.

Meets Ms. Hikono Kasai, an art student, at the shop and they start a romantic relationship, but Hikono's father strongly opposes this.

1915

Appointed chief painter of the magazine company named Fujinotomosha

Holds a ceremony with Hikono in Nikolai Cathedral by themselves.

1916

Drows the cover picture for the Senoo sheet music "Oedo Nihonbashi" and continues to produce over 270 pieces since then.

Moves to Kyoto alone and waits for Hikono to come to Kyoto.

Tamaki disappeared, leaving her three children behind. The second son, Fujihiko, is sent to Yumeji in Kyoto.

1917

Hikono deceives her father and goes to Kyoto.

They traveled to Hokuriku region for medical treatment and spend their only blissful time at Yuwaku Onsen (spa), Kanazawa.

1918

The ”Second Exhibition of Yumeji's Works'' was held at the Kyoto Prefectural Library.

Yumeji goes to Nagasaki, Kyushu, leaving Hikono in her sick bed, but later Hikono follows him to Beppu to make her condition worse.

Hikono's father rushed to Kyushu and hospitalizes her with the visitation restriction.

Returns to Tokyo at Hikono's request and stays at Kikufuji Hotel in Hongo.

Later, Hikono moves to Juntendo Hospital under hard condition to meet Yumeji.

Created the masterpiece "Kurofuneya".

1919

Publishes a tanka collection “Yama he Yosuru (To the Mountains)'' which depicts his days of love with Hikono.

Started to live with Ms. Kaneyo Sasaki (Oyo), a popular model. who is introduced by his friends.

1920

Hikono passes away.

1923

Announces the establishment of an advertising company “Dontaku Zuansha” with his friends but the plan is canceled due to the Great Kanto Earthquake on September 1.

“Tokyo Disaster Picture Report'' depicting the disaster situation is serialized in the Miyako Shimbun Newspaper. 　　

1924

Builds a house named “Boy's Mountain Lodge” of his own design in Matsubara, Setagaya, and starts living there with Oyo and two of his three boys.

1925

Oyo leaves Yumeji due to his love relationship with Ms. Junko Yamada, a rising female writer. They separate three months later.

1928

Comes to love Ikaho in Gunma Prefecture and proposes building an atelier there.

1929

Appeares in "Evening of Music and Literature" at Akagiyama Mountain, Gunma Prefecture's.

1930

Holds an exhibition "To Hina (Chick)" showing Yumeji dolls.

Declares the ``Construction of the Harunasan Art Institute,'' which aims to promote hand-based industry.

1931

Weekly Asahi Editor-in-Chief, Kyuin Okina, proposes Yumeji a trip to the United States and Europe and they holds a series of events to raise funds for their overseas travel.

Creates the masterpieces “Tatsuta Hime'' and ``Haruna Sanpu.''

Left Yokohama and held exhibitions in Honolulu, Oahu, and Taishoji Temple in Hilo, Hawaii.

Has a quarrel with Okina and broke up with him In San Francisco and travels on his own, but his health deteriorates.

1932

Holds exhibition at UCLA and the Olympic Hotel with unsuccessful result.

Goes to the Los Angeles Olympics as a reporter.

Presents his masterpiece ``Seisanga'' to Yoneo Sakai, for his kind help.

Heads to Europe alone and traveled on a shoestring through Germany, the Czech Republic, Austria, France, and Switzerland.

1933

Starts a Japanese painting class at the art school “Itten Schule” in Berlin, Germany, but he is forced to return to Japan due to the Nazi invasion.

Leaves Naples, Italy and arrives at Kobe Port looking haggard.

Kawase Sohoku, chairman of the Oriental Culture Association, invites Yumeji to an exhibition and lecture to celebrate the establishment of the Taiwan branch.

Leaves Kobe Port and traveled to Taiwan after one month after returning to Japan.

Meets Takeji Fujishima again at the Railway Hotel in Taipei.

Holds the “Exhibition of Yumeji Takehisa's Works in Europe'' at the Police Hall and gives a lecture on “Thoughts on Eastern and Western Women'' at the Taiwan Medical College.

Published an essay titled “Impressions of Taiwan'' in the Taiwan Daily Newspaper, and returns to the mainland when his health deteriorated so much.

The paintings, sketches, and diary Yumeji brings with her are still missing, making his trip to Taiwan a mystery. 　

1934

Found to suffer from tuberculosis  and hospitalized at the Shinshu Fujimi Kogen Sanatorium at the arrangement of Masaki Fujkyu Masaki, but Yumeji passes away on September 1st.

Yumeji was buried at Zoshigaya Cemetery in Tokyo, and his tombstone reads, ``Burying Yumeji Takehisa.'' (written by the painter, Ikuma Arishima)

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