朝ドラ『あんぱん』を見るようになって、


『手のひらを太陽に』は、


やなせたかしさんが作詞、いずみたくさんが作曲したことがわかりました。


この歌には思い出がありまして、、、



何十年も前の話です。

幼稚園の卒園式。

卒園児の入場曲がこの歌でした。

前日だったのかな、

予行演習の入場練習のとき、ちょっぴり緊張しながら、

私たち卒園児は、講堂の入り口あたりに並んで待っていました。

『この歌が流れたら、入場し始めるよ』と先生がおっしゃって、

園児たちは先生の後について、一人一人きちんとした姿勢で入場していく。

本番と同じように、歌が流れて歩き始めます。

私はこの歌が好きで、

この歌が流れるとなんだかウキウキしてくるのでした。

特にサビの部分、

『て〜のひらをたいように〜

すかしてみれば〜

まっかにながれる

ぼくのちしお〜』


ここがお気に入りだったので、

私はこの歌が流れると、

手のひらを太陽に、

本当にすかしてみたくなる衝動に駆られるのです。


だから、


『てーのひらをたいように〜

すかしてみれば〜』


の部分になると、

自分の手のひらをみているイメージが湧いてくるので、手を挙げたくなるのです。


自分でそれを自覚していたので、

この歌が流れても、

絶対手を挙げちゃダメだぞって言い聞かせて、

入場するのを頑張りました。


ですから、

本番でも、

この歌が流れたら、

ウキウキしてしまう気持ちを抑え、

手を挙げたくなる衝動を抑え、

にやけて笑ってしまいそうなお口には力を入れて真一文字で、

前の人に遅れないように、少し早歩きで歩きました。


『手のひらを太陽に』

この歌は6歳の私をワクワク、ウキウキさせました。

『ちしお』って何?って尋ねて、

おそらく祖母か母から教えてもらったのだと思います。

手のひらを太陽にすかしてみると、

自分の手の中に血が脈々と通っているのがみえて、

元気に生きてるっていうことを感じるってことか、、、

そんなことを考えるものだから、

つい手を挙げて、すかして見たくなるというわけなのです。

6歳の自制心をもって、

卒園式は大切な儀式であると、先生方の言葉や態度から感じて、臨んでいたのでしょう。


難しいことは分からずとも、

子どもに、

生きていることの素晴らしさ、元気や勇気を感じさせてくれる歌だったんだなぁ、、、。


何十年も経った現在、

この歌との再会を嬉しくて、

書き留めておきたいと思いました。