パニック大災害というタイプのストーリーではなく、

心理サイコスリラーを描いた作品。

 

田舎町を舞台とした、ゆったりとした街並みが背景の住宅街で、

工事作業員として働く男性と、耳の不自由な一人娘と妻の一家物語。

 

主人公の男性は毎晩悪夢にうなされるようになり、その感覚が日に日に

リアルさを増し、精神状態に異常をきたしていくようになります。

 

病院で診断を受けると、「統合失調症」と診断されますが、

シェルターの増設に余念がなく、一家の僅かなお金もつぎ込んでしまいます。

 

異常なほどシェルターに執着していく夫を周囲は怪訝な目で見つめていますが、

妻はそんな夫の容体を知ると、寄り添うように支えていきます。

 

嵐がくると、予知夢のように何度も物語は進行していくので、

いつ来るのだろうと思いながら観ていますが、一向に来ません。

 

このラストの展開までは、小説を読んでいるかのようにゆっくり作業で、

なかなか進展していかないので、ある種ため息が出そうなぐらいの

退屈感を感じられる人もいるかもしれない。

 

やっとその苦痛を乗り越えて、終盤に入り嵐がやっとやってきます。

しかし、その期待とは裏腹に、嵐は・・・。

そしてラストにもう一度、ある期待感がやってきましたが・・・。

 

あれ?

これはどう解釈したらいいのという展開に。

二通り解釈があるように思えます。

一つは、主人公が「統合失調症」という病気なので、これは妄想劇で、

それは娘にまで遺伝した。

二つ目は、主人公の予知夢だった。

 

 

ラストに妻が「分かったわ」と言います。

このセリフが、解釈を混乱させて観客を惑わさせているよう。 

大災害を恐れるばかりに、妄想は止まらない。

 

何度か鳥の群衆が出ていて、主人公を襲うシーンもあるのですが、

ヒッチコックの「鳥」を連想させます。

不気味などんよりした空と黒い鳥が、心理的に拍車をかけます。

 

 

 

 

 

自宅にシェルターが欲しい⁉

 

 

 

 

 

 

sleepおすすめ評価

   ハラハラ度   爆  笑爆  笑爆  笑

   構成度      照れ照れ照れ照れ

   配役度            グラサングラサングラサン

   満足度            ラブラブラブ

   リピート     笑い泣き笑い泣き笑い泣き

   音楽       口笛口笛口笛

 

テイク・シェルター (2011)

TAKE SHELTER

 

■映画情報 
テイク・シェルター (2011年 アメリカ)
 
■内容・ストーリー
世界が震撼した恐るべき心理スリラー!! その悪夢はある日突然始まった。田舎町の工事現場で働くカーティスは、耳の不自由な娘ハンナと妻サマンサと慎ましくも幸せに暮らしていたが、ある時を境に、たびたび大災害の悪夢に悩まされるようになる。そのあまりに恐ろしいイメージは日ごとにリアルさを増していき、やがてその恐怖に取り憑かれてしまうカーティス。近いうちに必ずや地球規模の天災が発生すると信じてやまない彼は、家の近くに深く穴を掘り、避難用シェルター作りに没頭し始めるが、家族や友人はまったく彼の行動に理解を示さず、むしろ不信感を募らせる一方だった。果たして、カーティスの常軌を逸した言動は、哀れな妄想なのか、それとも……。
■キャスト・スタッフ
マイケル・シャノン/ジェシカ・チャステイン ジェフ・ニコルズ
ジェフ・ニコルズ
■視聴時間
02:01:08

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