さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき) (1993)

 

 

血の滲むような努力という言葉がありますが、

この京劇養成所の修行は、地獄絵図のような厳しさ。

生きるか死ぬかの瀬戸際に毎日立たされているような訓練。

 

少年たちは、シャオロウのように母に捨てられ、帰る家もない者もいたのでしょう。

師匠の訓練は、サカースの動物たちが鞭で打たれながら訓練させられているのと

何も変わりはない。

 

少年二人が、(内一人はシャオロウ)、ある時逃げ出して、街の芝居小屋で観たその芝居は、

彼らが毎日訓練を受けている”覇王別姫”の芝居小屋だった。

その華やかな舞台の役者を見て、「何回なぐられたのだろう?」と

少年二人は涙をポロポロと止まることがなく涙を流します。

その涙が余りにも切ない。

 

ストーリー構成、役者、どの部分をとっても素晴らしい。

久しぶりに心打たれる作品に出逢ったと思います。

心が揺さぶられるA級映画。

 

 

 

 

レスリー・チャン

(張 國榮 、1956年9月12日 - 2003年4月1日)(46歳没)香港出身の歌手俳優

愛称は「哥哥(お兄さん)」。身長174cm。血液型O型。

 

香港の裕福な家庭に生まれ、10人兄弟の10番目なので幼名は“十仔”

(姉1人と兄2名は夭折しているため、実質は7人兄弟)。

父はハリウッドスターなどを顧客に持つ有名テーラーで紡績工場の経営者。

母は事業に忙しく、レスリーは祖母の家に預けられ、“六姐”と呼ばれる乳母に育てられる。

 

1969年、13歳になると数学で単位を落とし、英国東部のノーフォークに留学。

その後リーズ大学に入学しテキスタイルを専攻するが、父が病に倒れ学業半ばで香港に帰国。

中国語の学力を心配した母の勧めで中学5年クラスに編入。その後しばらく父のコネで入った弁護士事務所や、

自分で見つけた販売員の職などを転々とし、家族とは離れて暮らす。

 

1976年、友人と共にテレビ局主催の歌謡コンテストに出場し『American Pie』を歌い準優勝。

1977年から歌手として芸能活動を開始するが、しばらくは下積み生活に甘んじる。

親しくしていた女性の裏切りにより生活は荒み、金銭的精神的に苦難の日々が続く。

1983年に『風継続吹』(山口百恵さよならの向う側』のカバー)がヒット。

1985年には『Monica』(吉川晃司モニカ』のカバー)が大ヒット。レスリーは一躍トップアイドルに踊り出て、

以前からトップアイドルだったアラン・タムとライバル関係に。ファン同士の仲の悪さも有名で、

レスリーはアランのファンから執拗な嫌がらせを受けた。その影響もあり、1989年に歌手引退宣言。

カナダへ移住する。しかし半年後に帰国、芸能界に俳優として復帰

 

俳優としては、1982年にパトリック・タム監督の『レスリー・チャン 嵐の青春』に出演し、

後のウォン・カーウァイらニューウェーブに影響を与える。その後はいわゆる「アイドル映画」に出演。

1986年に『男たちの挽歌』、1987年には『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』など、

数々の大ヒット作に出演。香港映画界の金字塔を打ち立てる。

 

 

2003年4月1日、レスリーは香港の最高級ホテルマンダリン・オリエンタル香港」より飛び降り自殺を遂げた。

レスリーの自殺の原因については、一年ほど前から鬱病を患っていたとされている。

 

 

 

 

レスリーチャンの演技が輝く。

 

 

 

 

 

 

sleepおすすめ評価

   ハラハラ度   爆  笑爆  笑爆  笑爆  笑爆  笑

   構成度      照れ照れ照れ照れ照れ

   配役度            グラサングラサングラサングラサングラサン

   満足度            ラブラブラブラブラブ

   リピート     笑い泣き笑い泣き笑い泣き笑い泣き

   音楽       口笛口笛口笛口笛口笛

 

 

 

さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき) (1993)

覇王別姫/FAREWELL TO MY CONCUBINE/FAREWELL MY CONCUBINE

監督
 

 

 

 

■映画情報 
さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき) (1993年 香港)
 
■内容・ストーリー
北京。少年時代から京劇養成所で厳しい訓練を受けながらも、兄弟のようにかばいあい慕いあって成長した2人の役者、トァン・シャオロウとチョン・ティエイー。たくましい大男のトァンは立役者、華奢な美少年のチョンは女形として、京劇『覇王別姫』の名役者として人気を得る。日本統治時代、第2次世界大戦、共産党政権樹立、文化大革命と動乱の時代の、時の権力に運命を左右される2人。トァンに恋心を抱きつづけるチョンであったが、トァンは高級娼婦のチュー・シェンと結婚してしまう。愛憎渦巻く三角関係。愛に、舞台に、動乱の中国に生きる人々の悲恋を描く一大叙事詩。
■キャスト・スタッフ
程 蝶衣:張 國栄『ブエノスアイレス』『花の影』『君さえいれば』 段 小楼:張 豊毅『始皇帝暗殺』『北京の思い出』 菊仙 :鞏俐『花の影』『菊豆』『秋菊の物語』『紅夢』『始皇帝暗殺』
監督・脚本:陳 凱歌 『始皇帝暗殺』『花の影』『子供たちの王様』 製作:湯 君年、徐 楓 『侠女』主演女優 撮影:顧 長衛 『紅いコ-リャン』『人生は琴の弦のように』『子供たちの王様』 原作・共同脚本:李 碧華 『川島芳子』『ルージュ』『テラコッタ・ウォリア』 音楽:趙 季平『紅いコーリャン』『菊豆』『心の香り』
■視聴時間
02:51:24

(C)1993 Tomson Films Co.,Ltd. (Hong Kong)

 

解説

 演ずることに全てを捧げた二人の男の波乱に満ちた生涯を、京劇『覇王別姫』を軸に描いたチェン・カイコー監督作品。身を持て余した遊廓の母に捨てられ、京劇の養成所に入れられた小豆。淫売の子といじめられる彼を弟のようにかばい、辛い修行の中で常に強い助けとなる石頭。やがて成長した二人は、それぞれ“程蝶衣”、“段小樓”と名を変え、京劇界きってのスターとなっていた……。

 

 

 

 

 

 
 
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