「風をつかんだ少年」という実話がある。アフリカでも最貧国の一つマラウィでの話しだ。この話の主役は「ウィリアム・カワクワンバ」村に電気を供給した少年だ。
彼は好奇心が旺盛でラジオは何故なるのか。電気はどうやって作られるのか。などなど貧しく学校にも行けない中で自力で図書館を利用して勉強をつづけた。そこで偶然風力発電の本に出会い。電気を作る事を決意した。
材料は廃材置き場のガラクタ。それをアイデアを駆使し形にし、周りの無理解から家族からも狂人扱いを受けながらも三ヶ月後に手作りの風力発電機を完成させた。狂人扱いからヒーローになった瞬間だ。
ウィリアムカワクワンバの行動は私達に今後のエネルギーの扱い方に対してさまざまな事を教えてくれた。エネルギーは家庭菜園のように自分で用意するものなのだ。
私は電気の技術者。発電の理論は知っている。理論だけ知っていて実行力に乏しい先進国の人間だ。それに大してウィリアムカワクワンバは理論はともかく実行力と情熱で発電をしてしまった。私は20歳以上若いウィリアムカワクワンバに一生勝てないと感じた。
私も発電に挑戦したくなった。
カワクワンバの初期の風力発電設備。壊れた自転車を櫓に乗せてペダルに風車を付け、車輪の自転車用発電機を回している。
このような設備を「マイクロ発電」と我々は呼んでいる。