● お金は借用証書
世間に流通する金銭は、正確には「金銭」ではない。
日本の紙幣を見ればわかるが、それは紙幣ではなく、「日本銀行券」と記載がある。
むかしばなしをしよう。
まだ貨幣がない時代、とある資産家は、人々から金を預かりそれを原資に商売を行い、売り上げを利息として人々に還元することで生計を立てていた。
資産家に金を預けた者はもれなく「借用証書」を受け取るのだが、資産家はとあることに気づく。
人々は、資産家が発行した「借用証書」を用いて様々な物物交換を行なっていたのである。
つまり、資産家の「借用証書」が、貨幣として流通していたと言うことだ。
「借用証書」を資産家に提出すれば、記載額の通りに、いつでも金が帰ってくるので、人々はそれを共通の価値として認めていたのである。
以上、ステファニー•ケルトン著「財政赤字の神話」より引用
上の「資産家」を.現代の貨幣発行権を持つ「政府」と置き換えて貨幣発行のプロセスを説明しよう。
政府が貨幣を欲する時、国の中央銀行(日本銀行等)に「国債を発行したいのですが。」と申し出る。
その申し出に対し、中央銀行はその旨を了解し、国債を発行する。
国債を発行すると、その発行の証に借用証書を政府へ手渡す。
政府が手にした借用証書、これこそ、貨幣の正体である。
そして国債は発行額の控えであり、昔話中での金の存在となるのは、貨幣に対する信頼、つまり「為替相場変動制」である。
ここだけ聞くと難解であろうが、次節より、それぞれの立ち位置、用途について説明していく。
スマホのホームボタンを押すのは、それらを読んでからにしていただきたいものだ。