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今日は国「体」を守る甲冑を沖縄の神社に奉納して、沖縄玄関口に立つ龍柱の魔力を封じ、他国の侵略を防ごうという、ちょっとスピリチュアルな「沖縄 鋼鉄の護国武人具足計画」の進捗状況をお伝えします。

 

 

前回、佩楯の板札を切り出しましたが、佩楯と同じく生革を使う「草摺」の切り出しに取り掛かります。

 

 

その前に、大河ドラマ「真田丸」も大詰めを迎えたようですので、ちょっと歴史のお話を。

 

草摺(くさずり)と言うのは甲冑のスカート部分です。

昔の合戦現場は、歴史ドラマのようにゴルフ場のような大草原で合戦をしていたわけではなく、野戦は草ぼうぼうの原っぱが中心でした。

 

 

腰の高さまで草が生えているような原っぱっで戦うと、ちょうどこのスカートの部分が草に摺れるため、この部分を「草摺(くさずり)」と呼ぶのです。

 

 

草摺は格段が横に長い板でできているのですが、室町前期あたりまではみな、こういう鉄や革で作った、指先くらいの幅の小札(こざね)を横に連結して長い板を作っていたのです。

(私の師匠が使っている小札です↑)
 

(こんなふうにつなぎます。↑

 一緒に手作り甲冑で武者行列に参加しているほにゃヂさんより拝借)

 

 

室町時代まではこうやって、手間をかけて作っていました。

めくってみると、小札(こざね)を重ねているので裏側もデコボコしています。

 

ところが製鉄技術の向上で、ある程度幅のある薄い鉄材が安定して制作供給されるようになり、また戦争の規模や回数が増加して鉄砲まで使われるようになったため、大量生産のための効率化が図られると、小札を横に連結するのではなく、横一段を一枚の鉄板や生革で作るようになったのです。

ちょっと、つるんとしてるでしょ?

 

さらに、全面を平組紐(甲冑では「縅糸:おどしいと」と呼びます)でびっちり縅し下げて表面を覆うより、要所要所だけ太めの縅糸で縅し下げたほうが、手間が省けて修理も楽ちんですので、ずいぶんと簡素なものになりました。

 


(↑ヤフオク出品物より)

 

 

ところが、あまりに簡素にすると、武士のメンツが立たない。

 

討ち取られた時に、着用している甲冑で雑兵扱いされては、なんとも口惜しきことよ・・・しかし本格的なヤツはお高うござるゆえ・・・まっこと悩ましきことでござるよ(-_-;)

 

 

・・・ということで、手の込んだ昔ながらの高級品に見えるよう、一枚の板なのにまるで小札を連結したかのように見せる切付小札が、関ケ原合戦の前後から流行り始めたのです。

 


つまりこれは、上端に切込みを入れて、表面に漆を盛り付け、それらしく凸凹をつけた、今風に言うと「イミテーション小札」もしくは「なんちゃって小札」。

 

 

見えるところだけに凹凸を作ってそれらしくしているため、めくってみると、見えない下辺と裏側は鉄板一枚で、ツルンとしています。

 

 

 

この仕様は、鉄板に切れ目を入れてパテ盛りするため切付小札(きりつけこざね)」と呼ばれ、昔ながらの本物の小札で作るものは「本小札」と呼ばれるようになって、区別されました。

 

 

ところがこの切付小札、曲がった時にパキッと割れて、上に盛った漆やパテが剥がれないよう、0.5〜0,8mmくらいの鉄板を使います。

 

 

当然重くなりますし、革製の草摺に比べて走りにくくなります(-_-;)

 

 

また新品のうちは見栄えもいいのですが、打撃を受けたり劣化したりして、小札頭(こざねがしら)が折れたり、縦1本分が剥がれ落ちたりしてしまいます。

 

 

高級品のように見えながら、こんなふうに小札頭(こざねがしら)が折れていたり、筋が剥がれていたりすると、イミテーションがモロバレでちょっと悲しくなるでしょ?

     ↓

 

本小札はこうなりませんからね。(^_^;)

 

 

昔の人はこの「重い」「もろい」などの問題について、他にも、鉄板を裏から打ち出して、現在の五月人形の鎧のように凸凹をつけ、本小札のように見せる空小札(からこざね)を編み出したりもしました。

 


五月人形は機械で凹凸をつけて一発で形成できますが、昔は厚い鉄板を裏から打ち出し均等に凹凸を付けましたので、それなりに大変な作業だったでしょう。

 


上杉謙信公直江兼続公など上杉家の兜の笠錣(かさじころ)は、この加工がなされています。

 

 

 

 

また薄い鉄板に凸凹をつけた後、強度を確保するために裏側にコクソ(当時のパテ)を塗り込んで厚みを出したものもあります。でもこれまた重い(-_-;)

 

(写真は江戸後期の前田家のもの?だそうです。
 裏から埋めたコクソが剥がれています↓)

 

 

デコボコを諦めて、鉄板に小札頭の刻みだけを入れてそれらしく見せたりなど、いろいろな手法があったようなのですが、どれも本小札のようなシャープさがないし、重たいんですよ・・・(-_-;)
 

私も機動隊で経験しましたが、草摺が重たいと本当に走りにくいんです。

 

そこで、私は考えたのです。

 

 

当時存在していた素材で、鉄板の切付小札より軽く、強度を確保した、切付小札を超える切付小札」(?)に挑戦してみたい!

 

(こりゃまた師匠に笑われそう(^_^;))

 

 

来週は太鼓の生皮から、草摺の板を切り出します。

 

 

この護国武人具足は、一口1万円でみなさんの御協力を頂き制作を進めております。

 

 

【みんなで、国体と沖縄を守る甲冑を奉納!

 「鋼鉄の護国武人計画」】

http://bandou.an-an.org/index.php?沖縄護国武人計画

 

 

ご芳志お振込先は、こちら↓です。

 

 ゆうちょ 店名 019店
 口座種別 当座
 口座番号 0450828
 名義   坂東 忠信 
(ご芳名は漢字でお願いします。

 もちろんカタカナでもOKです。)

 

ご協力いただいた方のお名前は、完成後に胴の裏側にびっしり記名して奉納、神社で代々大切に保管していただける予定(^o^)

みなさんのご協力をお待ちしております!

 

 

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