一目均衡表は、多くのトレーダーに使われているトレンド系インジケーターです。様々な点でユニークなツールですが、最大の強みは、複数のデータを使用することにより、より深く、よりわかりやすいプライスアクションをトレーダーに提供していることです。一目均衡表が非常に視覚的なツールであるため、トレーダーは「一目で」判断し、フィルタリングすることができます。

一目均衡表について

一目均衡表のチャートシステムは、細田剛一という日本の新聞記者によって開発されました。細田氏は第二次世界大戦前に、多くの学生を雇って最適な計算式やシナリオを考えてもらい、開発に着手しました。これは現代でいう取引システムをテストするためにコンピュータでシミュレーションをするようなものだったそうです。システム自体は、20年以上のテストの後、細田氏がシステムの最終版を含む著書を出版し、1968年に最終的に一般に公開されました。

一目均衡表は細田氏が著書を出版して以来、アジアのトレーダー達に広く使われ、通貨、商品、先物、株などの取引に寄与してきました。アジアで人気だったにもかかわらず、欧米では1990年代に入ってからも、「一目均衡表」が登場することはなく、英語での使い方が全くわからないため、一般の取引参加者からは「エキゾチック」なインジケーターとして扱われていました。しかしついに、21世紀初頭の今、欧米のトレーダーもこのチャートシステムの力を理解し始めています。

一目でわかる均衡表

一目でわかる均衡表を適切に訳した「一目均衡表」という名称は、後述するように、その仕組みや使用方法を一目でわかるように説明しています。

一目均衡表は主に5本のラインで構成されていますが、取引の意思決定をする際には、個別に使用するのではなく、「一目で」わかるような統合された価格行動の「全体像」を把握するために一緒に使用されます。このように、一目均衡表のチャートを見るだけで、センチメント、モメンタム、トレンドの強さをほぼすぐに理解することができます。

価格が、相対的に均衡状態にあるか、不均衡状態にあるかという観点で測定されます。細田氏は、市場は人間の集団の力学や行動を直接反映したものであると強く信じていました。人間の行動は、生活や相互作用の中で、均衡から離れたり、均衡に戻ったりして一定の周期的な動きで表されると考えたのです。一目均衡表を構成する5つの要素のそれぞれが、この均衡または一目均衡表のバランスを独自に反映しているのです。

この包括的なガイドでは、プロのような一目均衡表の見方、一目均衡表の設定方法や、取引を成功させるために重要な一目均衡表の雲について詳しく解説しています。