インスタントやきそばにお湯を注いでレコードに針落とした瞬間、

突然下腹部の辺りから“便意”という嬉しい悲鳴が聞こえた。

お湯を注いですでに一分半、残り時間も一分半。

少し悩んだフリをして私はトイレに入った。


予定ではパンツ下ろすか座るか出るかみたいなつもりでいたけど、恥ずかしがって出てこない。

肛門の括約筋をなだめながら少しずつ踏ん張ると、やっとヤッコさんがゆっくりと降臨してきた。

細長い脱力感が体から抜ける至福のとき。

が、普段ならとっくにポトンと落ちる長さに達しているのに、一向に切れる気配がない。


ふと、「うんちとは、体内にある時は一個人を構成するものだけど

体外に放出された瞬間に一個人のものであることを否定したくなる存在に変わるんだな

なんか不憫だな」なんて考えてしまった。


そうこうしている間も、うんちはどんどん成長した。そしてついに一人立ちする時が訪れた。

そのサイズに期待を膨らませ、私は出るか離れるかのタッチの差で便器から立ち上がり

産物を目視確認した。おぉっと、これは少し笑ってしまうくらいスゴイ。

その始発は便器の底で重圧に潰され、そこから全く途絶えることなく水面を通過し

終着は便器のへりまで来ているではないか。神の業か。


ご満悦でしりを拭きながら、私はこう考えた。

もしうちのトイレが和式だったら、今回トグロうんこを作れたのではないかと。


『とぐりたかった』

私は一人声に出した。


出会いのあとに別れあり。

惜しまれながらもマクロうんちに永久の別れを告げるべく、レバーを(大)の方向にひねった。

そして、トイレを後にした私は、キッチンでパンパンに太ったやきそばと再会した。



カーニバル