安倍政権を批判したいから、それとも世の趨勢か。
貧困が問題になっています。
貧困はいつの世にもあるものですが、
日本の貧困問題が、ことさら取り上げられ出したのは、
ここ数年であるような気がします。
ここ最近、実質賃金が落ちていることを書きました。
1997年の橋本増税と緊縮財政以降、下がっているという話です。
ここで言っている実質賃金とは、実質賃金指数というもので、
賃金指数をコアコアCPIで割ったものです。
※日本は、コアCPIを使っていますが、世界的にはコアコアCPIです。
コアCPI、食料は除く、エネルギーは入れるという消費者物価指数で、
エネルギー価格の影響を受けることなります。
指数での話はわかりにくいとも思っていて、
国税庁に民間給与実態統計調査というデータがあったので、
それを見てみました。
<国税庁:民間給与実態統計調査>
実質賃金が下がっているので、当然下がっているはずですが、
やはり下がっています。
給与を得る人口は増えているものの、総額は下がっていて、
よって平均給与額も下がっています。
これがデフレにつながっています。
デフレとは、総需要の不足です。
需要より供給が多いので、供給されたものを値下げしないと売れず、
それがまた賃金を下げる結果に繋がり、また、需要が減り、
という負のスパイラルを生み出します。
しかも、デフレ状態になると、将来に不安を頂くようになり、
貯蓄性向が高まり、消費が減り、つまり、消費は他の誰かの所得になるため、
その所得を得る機会を貯蓄が奪うことで、また所得が下がっていきます。
GDPは、なんとなくその国の経済力を示す、くらいに考えられていると思いますが、
その国の消費規模も示しています。
(GDP三面等価の原則)
これが、1997年以降からの日本の実態です。
そして、これは財務省が発端の人災です。
当然、財務省の言うことに乗ってしまった国会議員の責任でもありますし、
そういう国会議員を選んだ国民の責任でもあるのですが。
こういうことを取り上げたメディアはどれくらいあったでしょうか。
結局は、国民全員で引き起こした人災ということになると思います。
その他、データとして、
名目GDPと実質GDPと実質賃金のグラフです。
名目GDPは単純に消費された金額の合計で、
実質GDPはその消費された財やサービスの量の合計、
というのがイメージしやすいと思いますが、
物価変動分を盛り込んだものが実質GDPとなります。
経済が上手くいっている時は、名目GDPの方が実質GDPよりよくなり、
デフレというのは実質GDPの方が名目GDPより高い場合です。
2005年にわずかながら実質GDPが逆転して高くなっています。
このデフレの元凶は、1997年であることは、直感的にわかると思います。
公共投資額の推移を今度は重ねてみます。
動きが名目GDPの落ち込みと関係性が高いことがわかります。
公共投資が有効需要を生むものであるため、当然と言えば当然です。
なお、以下の図のように、公共投資の額が増えると、
1年や2年後に効果が出て、2~3年の効果持続があるようです。
前金と作って完成後残金払い、というのを考えたら、そうなるだろうと思います。
国民は、頑張って財・サービスの量は増やすように頑張ったものの、
需要が不足していて値引きして売られ、結局は、国民の懐に入るお金は減った、
ということが数字は示しています。
財政破綻論というありもしないことをプロパガンダし、
増税と緊縮財政を推進した財務省は、本当に国賊と言えるのではないでしょうか。