高市首相渡米の心
高市首相が渡米し、日米首脳会談が予定されている。問題はイラン情勢だ。アメリカとイスラエルはイランの核兵器保有の阻止目的でイスラエルの情報を元に、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師を殺害したが、イランは専門家会議により、息子のモジタバ・ハメネイ師を選出し、徹底抗戦の姿勢を崩していない。既に近隣の諸国にはミサイルやドローンが飛来し、製油施設やタンカーなどが被害を受けている。ホルムズ海峡が封鎖され、原油などの輸送が止まれば、日本を含む世界の経済に深刻な影響を与える。イランにはアメリカ・イスラエル連合と正面を切った戦いは既に出来ないが、ホルムズ海峡封鎖という人質を取った上で、ゲリラ的な長期戦に持ち込む事で抵抗しようとしている訳だ。 トランプの狙いはベネズエラを奇襲することで中国への原油の流れを絶ち、イランからの制裁逃れの安い原油が中国に流入する事を阻止することで、中国に経済的なダメージを与えることであったとも考えられている。イランの石油施設があるカーグ島攻撃でイランの石油施設は破壊され、イラン産原油の輸出は止まり中国経済は影響を受けざるを得ない。 しかしホルムズ海峡が封鎖されればイラン以外のサウジアラビアやUAEからの原油の流れも止まる。これは日本にとっても深刻な問題だ。日本は台湾問題を始め覇権国家中国との対立があり、アメリカと自由で開かれたインド太平洋や民主主義といった基本的な価値観を共有した上で、日米安保条約を結んでいて、インド太平洋の地域で協力して行く立場だが、中東情勢ではイスラエルとは異なる立場であり、ホルムズ海峡閉鎖に関してはアメリカ以外のUEなど世界各国とも利害関係を共にしている。つまりイラン情勢についてはアメリカ一辺倒というよりもEU、東南アジア、カナダ、オーストリアなどより広い国とも協調し、イランとの協議の場を残しておく事が重要になるのではないだろうか。日本がその音頭を取ることで、イラン情勢に踏み込み過ぎたアメリカの助けになるかも知れない。