地域や場所にもよりますが、アメリカでは街中で絶対この人薬中だ… という人に出会うことがあります。コロラド州は大麻が合法なのでどこからともなく大麻のニオイがすることもあります。驚くことに病院でもそのニオイを感じることがあります。(病院の駐車場などで大麻を吸ってから来るお見舞いの方がいるためだと思われる。) 違法薬物が原因で家族や友人が逮捕されて刑務所にいるという人にもたまに会います。


私は病院勤務なので、薬物依存症の人に出会う確率は普通の人よりずっと高いと思います。そして私の経験では、日本のERで働いていたときよりも、アメリカの一般病棟で働いているほうが薬物依存症の人と出会う確率は高いです。私は、薬物の離脱症状で起こる痛みや吐き気を和らげるために患者さん達が頻回に熱いシャワーを浴びることも、大麻の常用による吐き気や嘔吐をもたらすカンナビノイド悪阻症候群(Cannabinoid Hyperemesis Syndrome)というものがあることも、そしてそれが若い世代に増えていることも全く知りませんでした。


ちなみにアメリカの病院の問診では大麻と違法薬物の使用を確認します。この質問は日本の問診にはないので初めて聞いたときは驚きました。他の国ではどうでしょうか。


さて、少し前の勤務中の出来事です。その日初めてお会いした職員さん(職種はあえて伏せます。)に挨拶をすると相手も笑顔で返してくださり、そこから会話が始まりました。とってもオシャベリな明るい女性で、ものすごい勢いで色々なことを話していましたあんぐり気づき(アメリカでは初対面など関係なくマシンガントークをかましてくる方がけっこう多いです。)そんな彼女が突然


今日はお祝いなの!爆笑


と言い出したので、


なんのお祝いなの?ニコニコ


と聞くと、


薬物を絶って一年経ったお祝い爆笑私ね、すっごく悪いドラッグにハマりまくってたの。もうすっごーく悪いやつ。


と、元気よく答えてくれました。患者さんやそのご家族が報告してきたのなら素直におめでとう!と言えますが、病院職員だし、病棟の廊下のど真ん中だし、声すんごーく大きいし。どうしよう。オロロ。


未成年の子供がいるという彼女。またその道に戻ることがないよう祈ります。頑張れ、本当に頑張れ!!!


このようにアメリカで薬物の使用はとても身近な問題です。あまりにも身近なため、みんながそれに慣れてしまっているのも悲しいことです。やっぱり健康第一です。みなさんの健康と幸せを祈っています流れ星