【衝撃事件の核心】「痩せたい人々」への裏切り…「肥満薬」治験 | 鈴木のブログ

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 大阪市西成区の商店街の一角、洋食屋や美容院と隣り合わせに並ぶ総合病院「千本病院」。地元住民から信頼も厚いこの病院で実施された肥満症治療の市販薬開発の臨床試験(治験)で、被験者4人の身長が実際より低く記録され、肥満体型の被験者がそろったように見せかけるデータ改竄(かいざん)があった疑いが浮上した。データへの疑義から新薬の承認申請は取り下げられたものの、「痩せたい」と願う人々の思いを裏切りかねなかった事態に、関係者からは怒りの声が上がっている。

身長10センチ低く

 治験は製薬大手の小林製薬(大阪市)が千本病院に依頼し、平成22年4月~23年3月に実施した。薬の効果と安全性の確認が目的だった。今回は、小林製薬にとって初めて治験が必要な医薬品で、治験施設支援機関大手「サイトサポート・インスティテュート」(SSI・本社東京)から病院の紹介を受けたという。

 治験は、同院の当時の院長と内科部長の医師2人=いずれも退職=が担当。計画では、被験者72人に1日3回4錠ずつ薬を服用させ、4週間ごとに同院で計8回身長や体重、腹囲を測り、血液検査も行われることになっていた。

 その結果を基に、小林製薬は23年11月に薬の製造販売の承認を国に申請。しかし、昨年9月、報道機関からデータに疑義があるとの指摘を受けた。病院やSSIに確認したところ明確な回答が得られず、今年3月に申請を取り下げた。

 その後、6月になり、治験に参加した72人のうち、6人が病院職員だったと判明。うち4人は治験のカルテに記載された身長が、22年6月の健康診断に比べ、4・2~9・7センチ低くされていた。病院の職員が被験者になることは禁じられてはいないが、厚生労働省の省令では、倫理的に十分に配慮することが求められている。

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