部屋の整理をしていたら、30歳頃に撮った写真が出てきた。
パスポートの写真なんだけど、魅力の無い顔をしている。
眉毛がつながっているし。
自分の顔歴史があるとすれば、おそらく今が一番自分自身に合点がいく。
自分の顔をやっと好きでいられるようになった、まあ普通に接することができるようになったと言うのが合ってるな。
ことごとく若かりし頃の自分はなんだか粋がっているひょうろくだまで、いけ好かないワキガなやつなのだ。
なんだか嫌い。
人にはいろんなピークがあると思うけど、おそらく自分の顔歴史からいうと、65歳頃に最高のピークを迎えると思うな。
きっとそう、この流れで行くと。
自分しか認めていないピークだけど、それでいいではないか。
確かでは無い未来だけどね。

ミッドナイトインパリという素敵な映画を先日観た。
僭越ながら昔僕が作った池袋モンパルナスって芝居を思い出した。
僕の作品は、役者の道に限界を感じていた、役者が、戦前にあった池袋モンパルナスと呼ばれていた芸術家達の村にタイムスリップするってお話。
そのときにすごく意識したのは、その時代を生きた人達の思いを、今の尺度ではからないということだった。
どの時代に生きていても、人はあまり変わらず、その時代を受け止めて、見えない未来に向かって、ひたむきに今を生きているだけなのだと言うことを、描きたかった。
あのときああすれば良かったのにこうすれば良かったのにというのは、後から歴史を見ている人間の意見でしかないし、当時を生きていた人達に対して失礼な気がする。
果たして今の僕たちがやっていることが、戦争につながらないと言えるだろうか。
第一次大戦にしても、オーストリアのフェルディナンド大公が暗殺されたときに、ああこれは世界大戦だな~って思えた人なんて誰も思わない。
殺されたってさ、ええ~!だけだろう。
いつの時代もその先を予測することは人間にはできない。その能力がない。
この先はこうなるでしょう、なんて経済学者やお偉い人達は言うけど、何もあてにはできない。
統計からみるその人の勘でしかない。
だから大切なのは、誰も未来は予想できないという軸足をしっかりと持って、今を生きることが、本当に大切になってくるなと感じる。
いろんな、その筋の、有識者がたくさんいろんな方面でいろんなことを言うが、誰も確かでは無いことは、今わかっていることなのだ。

もっと自由を!この国のテーマでしょうな。