幻のような光景だった。そこには頭にちょんまげのついた人が腰に刀をつけてい
た。 そう、江戸時代に来てしまった。 友達の平助は、「わぁーすごい」と、い
ろんな所を走っている。そこに大きな声で、「どけーい、姫様のおとおりだい」
と、馬が来た。とてもキレイな女の人が馬の上に乗っていた。
そこに、一人の青年が「助けてください。弟が死にそうなんです。」と、頼んで
いた。すると、一人の男が「邪魔だ。どけ」と青年を蹴り飛ばした。僕たちは、
この人の弟を助けてあげる事にした。
朧無欠…13歳にして完全無欠と呼ばれ、魔術対策室のエースとして最前線にい
た男。
 『魔術師』…不知火霧人(しらぬいきりと)の幼馴染であり友でもあった男。
 『魔術師』不知火は問いかける。
「朧…何故死んだ?」
わからん。―影縫は言う。
「どこで死んだかも、誰にやられたのかも…な」
「どうして」
不知火はさらに
「だったらどうして死んだと断言できる?」
「どうし「死体が送られてきた」
 不知火の言葉にかぶせるように、影縫は言った。
「白い棺桶にキレーな死体が入っていた。DNA鑑定もした。間違いなく朧本人だ」
「――――ッ!」
 不知火は激昂する。『白い』棺桶は魔術世界で犬死にを意味する。
「犬死に…だと…!!」
 「キレてる所申し訳ないんだけどさぁ」
いきなり影縫が語りかける。
「ちょっとイタリア行ってきて」