ボクは中野の早稲田通り沿いに住んでいた。
あのカルト教団が現れたとき、中野駅前で「ショーコーショーコー」と何か被り物をした人たちが踊っていた。
早稲田通りにも選挙カーが走っていた。
ボクは行きつけのバイク屋が早稲田通りにあったので、そのバイク屋から「なんかよくわかんねぇのが走りまわっているな」と眺めていた。
ある夜、レンタルビデオを返しに行こうとレンタルビデオショップに向かっていると、そのビデオショップの横の雑居ビルから数人のスウェット姿の男女が出てきてどこかに向かっている。
よく見ると、それぞれが手に洗面器を持っている。
「ああ、銭湯に行くんだ」
ボクは「またよくわかんねぇやつが雑居ビル(ちなみに1階はバイク屋)から出てくるな」と思っていた。
でもそれは、あのカルト教団が宗教法人格をとって入居し、そこで修行(?)している人たちだった。
また、杉並区井草に住んでいた友人のアパートのすぐそばの大きな建物も、あの教団の修行場所だった。
ボクはミリオン出版の女性編集者さんに「なんかへんなのが夜中に雑居ビルから銭湯に行っているんですよ。潜入してきましょうか?」と冗談半分に言ったら、「ダメですよ、カワグチさん。それはOです。カワグチさんは素直だから潜入なんかしたらコロッと洗脳されちゃいますよ」と真顔で言われた。
さすが編集者さん。人間観察が鋭い。
だが、意味不明の物事に興味をもったのも事実で、初夏の蒸し暑い日、冷房のきいたラーメン屋でラーメンでも食べようと中野ブロードウェイ周辺をあるいていた。
ふとみるとまだ入ったことのないラーメン屋があった。
そのラーメン屋で食べることにして店に入ると、冷房がほとんど効いていない。
「この暑いのに、不思議なラーメン屋だ」
と思っていたら、後にそのラーメン屋を経営しているのがあのカルト教団だと知った。
中野の隣、高円寺にも夜遅くまでやっているラーメン屋があって、その店もあのカルト教団が経営していた。
高円寺の店はとんこつラーメン屋だった。
そして30年前、地下鉄サリン事件が起こった。
ボクは自宅で仕事をしていて「すげーことになったな」とテレビを観ていたが、そのころお付き合いしていた彼女が都心のオフィス街で働いていて、一歩間違えると地下鉄に乗っていたかもしれないと後から彼女に言われた。
カルトは春の季語、気を確かに。
地下鉄サリン事件から30年なので、オウムリアタイ世代として何度でも言っとくけど、
— コニシトモコ 5G (@nidanuki) March 20, 2025
「カルトは友達の顔をしている」
「スピリチュアルはカルトの入口」
だからな。
オウムでもミイラ取りがミイラになったケースあったから、自分は大丈夫とは思うなよ。
カルトは春の季語、みんな気を確かに。

