*フランク・シナトラ*(15) | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

ミスター・ビーンのお気楽ブログ

好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。

シナトラ



28.Some Enchanted Evening 魅惑の宵

29.Bali Ha'i バリ・ハイ











28.Some Enchanted Evening 魅惑の宵

シナトラ

ミュージカル「南太平洋」の舞台は、太平洋戦争の真最中、南太平洋のある島。ネットに簡潔にあらすじを紹介している記事があったのでまず、それをお読みください。

〔あらすじ〕
南太平洋に浮かぶ美しい小島。ここにも戦争の影はしのびよっていた。ある日、特別任務を帯びて、ケーブル中尉がやってきた。彼は戦前から島に住むフランス人の農場主エミールに、日本艦隊を監視するための案内役を頼もうというのだった。だがエミールは、美しい従軍看護婦ネリーを愛しており、彼女も彼に好意を寄せている。危険な任務を承知するはずもなかった。
 しかたなくケーブルは休暇をとり、島で兵隊相手の土産売りをしているブラディ・メリーの案内で、魅惑の島バリ・ハイの見物に出かける。ここで彼はメリーの娘レイアットに紹介され、ひと眼で彼女を好きになった。けれども、彼は結婚ということになると、人種的な問題が頭をかすめ、決心がしきれない。メリーはレイアットに、彼と会うことを禁じた。
 一方、エミールの農場では、ネリーが幸せな恋に酔いしれていたが、いつもここにいるふたりの混血児が、原住民の妻とエミールの間にできた子供であることを知り、深く心を傷つけられ、去ってしまう。ネリーを失ったエミールは偵察行を承知した。彼とケーブルは、日本軍の背後に回ることに成功したが、ケーブルは戦死。更に、ネリーのもとへは、エミールの行方不明の報も届けられた。この知らせによって、ネリーは自分のエミールへの愛がいかに深いものであったかを知り、ふたりの子供の面倒を見ながら、ひたすら彼の帰りを待つことを決意する。
 ある日の夕方、ネリーと子供たちの前に軍用車が止まった。エミールが戻ってきたのだ。南の空に明るい笑い声がこだました。


このミュージカルには珠玉のような曲が山ほどあるが、「魅惑の宵」は、フランス人の農場主エミールが、年の差を超えて愛するネリーに自分の思いを伝える歌。


Some enchanted evening
You may see a stranger,
you may see a stranger
Across a crowded room
And somehow you know,
You know even then
That somewhere you'll see her
Again and again.


ある魅せられた夜のこと
多分、初めてその人の姿を見る
客で溢れた部屋の向こうに
多分、初めてその人の姿を見る
そしてなぜだかもう分かるのだ
そのときにはもう分かってしまう
きっとどこかで
何度も彼女に会うことを



Some enchanted evening
Someone may be laughin',
You may hear her laughin'
Across a crowded room
And night after night,
As strange as it seems
The sound of her laughter
Will sing in your dreams.


ある魅せられた夜のこと
多分、その人は笑っている
客で溢れた部屋の向こうから
その笑い声が耳に届く
すると毎晩
思えば不思議な話だが
彼女の笑い声が夢の中で
歌うように響くのだ


Who can explain it?
Who can tell you why?
Fools give you reasons,
Wise men never try.


誰にも説明など出来はしない
誰にも理由など分かりはしない
詮索するのは愚か者
賢い人は微笑むだけ


Some enchanted evening
When you find your true love,
When you feel her call you
Across a crowded room,
Then fly to her side,
And make her your own
Or all through your life you
May dream all alone.


ある魅せられた夜のこと
愛する人を見つけたら
客で溢れた部屋の向こうから
愛する人の声が聞こえたら
すぐにも飛んでいくがよい
しっかり捕まえてしまうがよい
でなければ死ぬまでずっと
孤独な夢に耽るだけ


Once you have found her,
Never let her go.
Once you have found her,
Never let her go!


一度(ひとたび)愛する人を見つけたら
決して彼女を放してはいけない
一度(ひとたび)愛する人を見つけたら
決して彼女を放してはいけない


(ミスター・ビーン訳)

シナトラとクルーニー


ペリー・コモ


サウンド・トラック


ホセ・カレーラス








29.Bali Ha'i バリ・ハイ

$ミスター・ビーンのお気楽ブログ-Sinatra sings Rodgers

「魅惑の宵」と並んでこのミュージカルの代表作。1958年に封切られたこのミュージカル映画は、当時としては大規模なロケーション撮影がハワイのカウアイ島でおこなわれた。
映画の中でブラディー・メリー(ジャニタ・ホール)が新任のケーブル中尉(ジョン・カー)を誘い、その怪しく神秘的な魅力を語る「バリ・ハイ島」は、カウアイ島にある「マカナ山( Mount Makana)」のことで標高390mの小さな山。マカナはハワイ語で「贈り物」の意味だそうだ。

1996年、コロンビアレコードから出されたアルバム

「"Sinatra Sings Rodgers & Hammerstein」

の中で、シナトラもこの「バリ・ハイ」を歌っているがかなり若い頃の録音らしく、しかもバックがハワイアン風の演奏で今一つパンチに欠ける感じがする。

それに比べると、1986年のサラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)のジャズにアレンジされた歌唱は神秘的で奥深さを感じさせてくれる。

また、1958年の映画版で、ミュリエル・スミス(Muriel Smith)の吹き替えではなく、ジャニタ・ホール(Juanita Hall)自身の歌唱を聴いてみよう。


Most people live on a lonely island,
lost in the middle of a foggy sea
most people long for another island
one where they know they would like to be.


人は大抵,孤独な島に住んでいる
霧立つ海の中にある孤独な島に
人は大抵,別の島を求めている
本当に住みたいと願っている島を


Bali Ha'i may call you,
Any night, any day,
In your heart you'll hear it call you,
"Come away, come away . . ."


バリ・ハイの呼ぶ声が聞こえるかしら?
夜も、昼も絶え間なく
心の中で呼ぶ声が聞こえるかしら?
「お発ちなさい、お発ちなさい」と


Bali Ha'i will whisper,
On the wind of the sea,
"Here am I your special island"
"Come to me, come to me . . ."


バリ・ハイのささやきが
海風に乗ってやってくる
「私はここよ、あなただけの特別な島」
「いらっしゃい、さあ、私のところにいらっしゃい」


Your own special hopes,
Your own special dreams,
Bloom on the hillside,
And shine in the streams . . .


あなただけの特別な望みも
あなただけの特別な夢も
丘の斜面に花開き
小川の流れにきらめくわ


If you try you'll find me
Where the sky meets the sea
Here am I your special island
Come to me, come to me . . .


その気があれば、私は見つかる
空と海とが出会う所に
私はここよ、あなただけの特別な島
いらっしゃい、さあ、いらっしゃい


Bali Ha'i
Bali Ha'i
Bali Ha'i


バリ・ハイ
バリ・ハイ
バリ・ハイ


Someday you'll see me,
Floating in the sunshine,
My head sticking out from a low flying cloud . . .


あなたにも、いつか私の姿がみえるでしょう
光の中に浮かんで
低く流れる雲間から、頭を突き出す私の姿を


You'll hear me call you,
Singing through the sunshine
Sweet and clear as can be . . .


私の呼ぶ声が聞こえることでしょう
この上なく優しく、そしてはっきりと
光の中で歌う声が


"Come to me, here am I"
"Come to me"
"Come to me"


「いらっしゃい、私はここよ」
「私の所にいらっしゃい」
「私の所にいらっしゃい」


Bali Ha'i
Bali Ha'i
Bali Ha'i


バリ・ハイ
バリ・ハイ
バリ・ハイ


(ミスター・ビーン訳)


シナトラ


サラ・ヴォーン(Sarah Vaughan 1986)


ジャニタ・ホール(Juanita Hall 1958)


シャーロット・チャーチ


ペタしてね