* 終幕*(シェルブールの雨傘より) | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。

1958年1月、傘店の納税が出来なくなったエムリ夫人とジュヌヴィエーヴは、宝石を売りに馴染みの宝石店に行きますが、けんもほろろに断られてしまいます。
そこに居合わせた宝石商のローラン・カサールはジュヌヴィエーヴに一目惚れをし、夫人の宝石を買取ります。
2月、ジュヌヴィエーヴが妊娠していることが分かり、ギイは「男の子ならフランソワがいい」と手紙で伝えてきます。ジュヌヴィエーヴはひたすらギイの帰還を待ち続けますが、ギイからの手紙は途絶えがちになり次第に不安が募ってきます。
4月、「お腹の子は一緒に育てよう」というカサールの言葉を受け入れ、結婚してパリに移住してしまいます。

1951年1月、除隊したギイは負傷した足を引きずってシェルブールに戻って来ますが、傘屋は人手に渡りジュヌヴィエーヴも結婚してパリに移住したことを知ります。
絶望したギイは、毎夜、売春婦を相手に自堕落な生活を送りますが、親代わりになって自分を育ててくれた叔母エリーズが亡くなります。
ギイは献身的に叔母の世話をし、昔からギイに心を寄せていたマドレーヌに次第に心を惹かれ、二人は結婚します。
二人は、叔母の残してくれた遺産でガソリンスタンドを経営し、二人の間には男の子が生まれます。
ギイはその子をフランソワと名付けました。

1963年12月、クリスマスも近いある日、ギイのガソリンスタンドに一台のベンツが停ります。




Geneviève :
Françoise! Reste tranquille! Le klaxon n’est pas un jeu.

フランソワーズ! いたずらしちゃダメよ! クラクションはおもちゃじゃないのよ。

Geneviève :
Il fait froid.
Guy :
Viens au bureau.

ジュヌヴィエーヴ:
寒いわ。
ギイ:
事務所に来て。

Geneviève :
Il fait meilleur ici. C’est la première fois que je reviens à Cherbourg depuis mon mariage. J’ai été à chercher la petite chez ma belle-mère en Anjou. J’allais rentrer à Paris. Puis j’ai fait ce détour. Je n’ai pas pensé te rencontrer. Il a fallu ce hasard.
Mécano :
Est-ce que je fais le plein pour madame ?
Guy :
Geneviève ?
Geniviève :
Oui, le plein.
Mécano :
Super ou ordinaire ?
Geneviève :
N’importe.
Mécano :
Ben, c’est comme vous voudrez. Super ?
Geniviève :
Oui.

ジ:
ここは気持ちがいいわ。結婚してからシェルブールに来るのはこれが初めてなの。アンジューにいる義理の母の家から娘を引き取りに来た帰りよ。パリに帰る途中だった。それで、こんなふうに遠回りをしたんだけど、あなたに会うつもりじゃなかったのよ。ほんとに偶然だった。
スタンド店員:
奥さん、満タンにしますか?
ギ:
ジュヌヴィエーヴ?
ジ:
ええ、満タンにして。
スタンド店員:
ハイオクにしますか? レギュラーにしますか?
ジ:
どちらでも。
スタンド店員:
はい、それじゃハイオクでよろしいですね?
ジ:
ええ。

Geniviève :
Il est joli, cet arbre. C’est toi qui l’as décoré ?
Guy :
Non, c’est ma femme, enfin. C’est surtout pour le gosse.
Geniviève :
Bien sûr.
Guy :
Tu es en deuil ?
Geniviève :
Maman est morte en automne.
Guy :
Comment l’as-tu appelée ?
Geniviève :
Françoise. Elle a beaucoup de toi. Tu veux la voir ?
Guy :
Je crois que tu peux partir.
Geniviève :
Toi, tu vas bien ?
Guy :
Oui, très bien

ジ:
このツリーきれいね。あなたが飾ったの?
ギ:
いや、妻だよ。まあ、うちのチビのためにね。
ジ:
そうね。
ギ:
君は喪中なの?
ジ:
秋に、ママが亡くなったの。
ギ:
あの娘(こ)をさっき何て呼んでいた?
ジ:
フランソワーズよ。あなたによく似てる。会ってみたい?
ギ:
準備ができたようだよ。
ジ:
あなた、元気なの?
ギ:
元気さ。


(ミスター・ビーン訳)




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