*Make Believe(空想してごらん)*ショウ・ボートより | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

ミスター・ビーンのお気楽ブログ

好きな音楽の話題を中心に、気の向くままに書いていきます。



このミュージカルは人種問題を扱ったエドナー・ファーバーの小説「ショウ・ボート」を原作に1927年ブロードウェイで初演、その後1929年、1936年、さらに1951年と3度映画化されました。

音楽はジェローム・カーン、脚本はオスカー・ハマースタインⅡ世が担当。
特に1951年MGMのテクニカル・カラー映画版が最もよく知られています。
このブログではその1951年映画版を中心にご紹介していくことになります。

時は19世紀の末、ニュー・オーリンズに向けてミシシッピ川を進むショウ・
ボート「コットン・ブラッサム号」がとある小さな町にやってきます。
先ず、その予告編をご覧ください。






ミシシッピ川を航行するコットン・ブラッサム号がある小さな町にやって来ます。それは、目的地ニュー・オーリンズに向かう途中、あらゆる町に立ち寄り、船上で歌や踊りや芝居を見せるショウ・ボートでした。
船が桟橋に近づくと、大人も子供も、白人も黒人も、その町の全ての人が仕事を放りだして駆けつけます。

船長のアンディー・ホークスが今夜の出し物を宣伝し、ショウの出演者たちが船を降りて、歌や踊りのさわりを披露します。そんな騒ぎの中、機関士のピートが前々から心を寄せていた主演女優のジュリー・ラヴェルヌに言い寄ります。
ジュリーは既に役者仲間のスティーヴ・ベイカーと結婚していたのですが、ジュリーは白人と黒人の混血でありスティーヴは白人でした。
ところが当時の州法では黒人と白人の結婚は禁じられていたのです。

ピートはジュリーに肘鉄を食らうとジュリーを脅しにかかりますが、スティーヴに見つかり殴り倒されます。腹を立てたピートは、その町の保安官に訴えに行きます。

さて場面は変わり、さすらいのギャンブラー、ゲイロード・ラヴナルが登場します。彼はギャンブルで有り金全部、さらにはニュー・オーリンズ行の切符まですってしまいました。
そこで何とかショウ・ボートに乗り込もうと船長にかけあいに行くのですが船長は留守。
船の中で船長を待とうと思い、船に乗り込むと若い娘が一人で台詞の練習をしているのが聞こえます。
それは船長の娘、マグノリアでした。彼女は自分も一座に加わって、役者になりたいと思っているのですが、頑固な母親パーシーがどうしても許しません。

ゲイロードが台詞の練習をしているジュリーに近づくと、「知らない人とは話をしてはいけないことになってるの」と言って彼女は逃げようとしますが、「空想するだけなら構わないだろう。例えば二人が愛し合っていると想像するんだ」とゲイロードは言って

「空想してごらん Make Believe」

を歌い始めます。



Make Believe
RAVENAL
Only make believe I love you,
Only make believe that you love me.
Others find peace of mind in pretending -
Couldn't you?
Couldn't I?
Couldn't we?
Make believe our lips are blending
In a phantom kiss, or two, or three.
Might as well make believe I love you,
For to tell the truth, I do.
(He steps back)
Your pardon I pray,
'Twas too much to say
The words that betray my heart.


僕が君を愛してるって想像してごらん
君が僕を愛してるって想像してごらん
人は空想することで心安らかになるのさ
君にはできるはず
僕にもできるはず
僕らにはできるはず
空想してごらん 僕らの唇が近づいて
夢のようなキスを交わすんだ 二回、三回と
僕が君を愛してるって想像するのも悪くない
実は、本当に愛しているんだから
(後ろに下がり)
どうかお許し願いたい
ついつい
本音がでてしまった


MAGNOLIA
We only pretend,
You do not offend
In playing a lover's part.
The game of just supposing
Is the sweetest game I know.
Our dreams are more romantic
Than the world we see


空想してるだけですもの
腹は立たないわ
恋人役を演じたところで
空想するって
一番楽しいゲームだわ
夢の世界の方がずっとロマンチック
現実の世界より


RAVENAL
And if the things we dream about
Don't happen to be so,
That's just an unimportant technicality.


夢見ていることが
現実にならなくても
それはたいした問題じゃない


MAGNOLIA
Though the cold and brutal fact is
You and I have never met,
We need not mind convention's P's and Q's.
If we put our thoughts in practice
We can banish all regret
Imagining most anything we choose.
We could make believe I love you,
We could make believe that you love me.


でも現実は厳しくて
二人は初対面だけれども
堅苦しいしきたりなんか気にしない
想像の羽を広げれば
後悔なんかしなくてすむわ
好きなことを想像するの
想像してみましょう 私があなたを愛してるって
想像してみましょう あなたが私を愛してるって


MAGNOLIA & RAVENAL
Others find peace of mind in pretending,
Couldn't you,
Couldn't I?
Couldn't we?


人は空想することで心安らかになるのだから
あなたに(君に)は出来るはず
私に(僕に)は出来るはず
私たちに(僕らに)は出来るはず


RAVENAL
Make believe our lips are blending
In a phantom kiss - or two - or three.


空想してごらん 僕らの唇が近づいて
夢のようなキスを交わすんだ 二回、三回と


MAGNOLIA & RAVENAL
Might as well make believe I love you,

私が(僕が)あなたを(君を)愛してるって想像するのも悪くない

RAVENAL
For to tell the truth, I do...

実は、本当に愛しているんだから

(ミスター・ビーン訳)

ペタしてね

映画版


トニー・マーチンとカスリーン・グレイソン版



Sierra Boggess and Julian Ovenden performing Make Believe from Showboat in the BBC Proms 2012 - Broadway Sound with the John Wilson Orchestra.