【1970年～1980年③】
1975年8月、シナトラは当時売り出し中の歌手、ジョン・デンヴァー（John Denver）と何度かジョイント・コンサートを開きます。
二人はすぐに友達になり、後にデンヴァーは、TVスペシャル「シナトラと友人たち」にゲスト出演し、シナトラと共に「セプテンバー・ソング」を歌います。
シナトラの方もデンヴァーのヒット曲、「マイ・スウィート・レディー（My Sweet Lady）」、「リーヴィング・オンナ・ジェット・プレーン（Leaving on a Jet Plane）」をカヴァー。
また、デンヴァーによれば、彼の曲「ア・ベイビー・ジャスト・ライク・ユー（A Baby Just Like You）はシナトラのリクエストによって書かれたものでした。
1979年、シナトラはピラミッドの前で、当時のエジプト大統領、アンワル・サダト（Anwar Sadat）のためにパフォーマンスを披露。
ラスヴェガスに戻ると、ショービジネスでのキャリア40周年と64回目の誕生日を祝い、シーザーズ・パレスのパーティーでグラミー賞評議員賞を受賞します。
さて、今日の曲は
「国境の南（South of the Border）」
1939年の曲で、作詞はジミー・ケネディー（Jimmy Kennedy）、作曲はマイケル・カー（Michael Carr）。
同名の映画の中で、当時のカントリー・スター、ジーン・オートリー（Gene Autry）が歌いました。
その後、多くの歌手がカヴァーしていますが、1953年のシナトラのカヴァーが最もよく知られています。
今日は、シナトラ版に加えて、ジーン・オートリー、ウィりー・ネルソン、ベニー・グッドマン・オーケストラの演奏をアップしてみました。
SOUTH OF THE BORDER
South of the border, down Mexico way,
That's where I fell in love
When the stars above came out to play.
And now as I wander, my thoughts ever stray
South of the border, down Mexico way.
国境の南、メキシコのあたりさ
そこで俺は恋に落ちた
空には星が現れ瞬（またた）いていた
今は放浪の身、想いは絶えずさ迷う
国境の南、メキシコのあたりに
She was a picture in old Spanish lace.
And for a tender while
I kissed the smile upon her face.
For it was fiesta, and we were so gay
South of the border, down Mexico way.
あの娘（こ）はスペイン・レースに身を包み、絵のように美しかった
ついついその気になって
微笑むあの娘にキスをした
祝祭の日で、俺たちは浮かれていたのさ
国境の南、メキシコのあたりで
Then she sighed as she whispered 'manana'
Never dreaming that we were parting.
And I lied as I whispered 'manana'
For our tomorrow never came.
それからあの娘は溜息ついて、「また明日」と囁（ささや）いた
これがお別れだなんて夢にも思わずに
俺も「また明日」と囁いたが、嘘だったのさ
俺たちの明日は二度と来なかったんだから
South of the border, I rode back one day
There in a veil of white by candlelight
She knelt to pray.
The mission bells told me that I mustn't stay
South of the border, down Mexico way.
国境の南、ある日俺は馬で戻った
すると蝋燭に照らされ、白いヴェールを被り
あの娘は跪いて祈ってた
教会の鐘が告げていた、ここに居てはならないと
国境の南、メキシコのあたりに
Ai-ai-ai-ai (ai-ai-ai-ai)
Ai-ai-ai-ai (ai-ai-ai-ai)
Ai-ai-ai-ai
アイ・アイ・アイ・アイ（アイ・アイ・アイ・アイ）
アイ・アイ・アイ・アイ（アイ・アイ・アイ・アイ）
アイ・アイ・アイ・アイ
（私訳）
シナトラ
オートリー
ネルソン
ベニー・グッドマン