*フランク・シナトラ(19)ー My Way ー* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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1969年、シンガー・ソングライターのポール・アンカ(Paul Anka)はシナトラをイメージしながら、「マイ・ウェイ(My Way)」を書きます。もともとこの曲は、フランスのクロード・フランソワ(Claude François)、ジャック・ルヴォ(Jacques Revaux)作曲、クロード・フランソワ、ジル・ティボー (Gilles Thibault)作詞の「コム・ダビテュード(Comme d'habitude)」というシャンソンが元歌です。1967年、たまたま休暇で南フランスに来ていたポール・アンカはレコードでこの歌を聞いて気に入り、シナトラの生涯をイメージしながら、新たに作詞し編曲し、シナトラに捧げたのでした。
評判によれば、シナトラ自身はこの曲を好んでいなかったようですが、皮肉なことに、70年の歌手生活でこの曲ほどシナトラのイメージとぴったり重なる曲はなかったようです。

1970年のアルバム「ウォータータウン(Watertown)」は、シナトラのアルバムの中でも最も評価の高いアルバムの一つでした。作曲は当時人気のロック・バンド、ザ・フォー・シーゾンズ(the Four Seasons)のボブ・ガウディオ(Bob Gaudio)、作詞はジェイク・ホルムズ(Jake Holmes)です。
しかし、このアルバムは大衆からは殆ど無視され、1970年にはたった3万枚しか売れずチャートでも最高101位という不人気ぶり、このアルバムに基づいたTVスペシャルの企画もおじゃんになってしまいました。
「ウォータータウン」は、生オーケストラではなく録音済みのトラックを背景にシナトラが歌を吹き込んだ数少ないレコードの中の一枚となっています。



さて、今日の曲は言わばシナトラの代名詞ともなっている曲

「マイ・ウェイ(My Way)」

1969年のシナトラ版、ポール・アンカとシナトラ版、そしてセリーヌ・ディオン版の3本をアップしてみます。





My Way
And now, the end is here
And so I face the final curtain
My friend, I'll say it clear
I'll state my case, of which I'm certain
I've lived a life that's full
I traveled each and ev'ry highway
And more, much more than this, I did it my way


さて、終わりが来たようだ
最後の幕が目の前にある
友よ、これだけははっきり言っておこう
これまでの人生で、確信のもてることだけを語ろう
充実した人生を歩んできたよ
ありとあらゆる道を歩いたのさ
だが、そんなことより、言いたいのは、自分なりにやってのけたってことだ


Regrets, I've had a few
But then again, too few to mention
I did what I had to do and saw it through without exemption
I planned each charted course, each careful step along the byway
And more, much more than this, I did it my way


後悔も、まあ、少しはある
でも、口にするほどのことでもない
為すべきことは行い、目をそらさずにその結果を見届けた
行くべき道の計画も立て、慎重な足取りで進んだんだ
だが、そんなことより、言いたいのは、自分なりにやってのけたってことだ


Yes, there were times, I'm sure you knew
When I bit off more than I could chew
But through it all, when there was doubt
I ate it up and spit it out
I faced it all and I stood tall and did it my way


そう、知っての通り、噛み砕ける以上のものに
食らいついたこともあった
でも、そんな時、たとえ疑わしくとも
一旦は飲み込み、それから吐き出した
正面から堂々と立ち向かい、自分なりにやってのけた


I've loved, I've laughed and cried
I've had my fill, my share of losing
And now, as tears subside, I find it all so amusing
To think I did all that
And may I say, not in a shy way,
"Oh, no, oh, no, not me, I did it my way"


愛し、笑い、そして泣いた
人並みに、失敗もいやというほど味わった
しかし今、涙はおさまり、むしろそれが楽しく思える
全て自分のなせる業なのだから
そう、言わせてもらえば、恥じるところはなかった
「そうとも、恥じるところはない、やってのけたのさ、自分なりに」


For what is a man, what has he got?
If not himself, then he has naught
To say the things he truly feels and not the words of one who kneels
The record shows I took the blows and did it my way!


男とは何だろう?何を手に入れたのだろう?
自分で手に入れたのでなければ、何も手に入れたことにはならない
人から言わされる言葉ではなく、自分が感じていることを語るんだ
私の記録が明かしてくれる、痛手は負ったが自分なりにやってのけたと


Yes, it was my way

そうとも、自分なりにだ

(私訳)

シナトラ(1969年)


ポール・アンカとシナトラ


セリーヌ・ディオン