シャルル・トレネ(5)*我が若かりし頃* | ミスター・ビーンのお気楽ブログ

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今日はちょっとアズナヴールを離れて、シャルル・トレネです。
これまでトレネの曲は4曲紹介してきましたから、これが5曲目ですね。
1949年にリリースされ、作詞・作曲ともトレネによる

「我が若かりし頃 Mes jeunes années」

これはトレネの曲の中でもボクが一番好きな曲の一つで、この曲を聴く
度に不思議と胸が熱くなります。

トレネは8歳から15歳までの7年間、南にピレネー山脈を臨むペル
ピニャンで過ごしています。この歌はおそらくその頃の美しい思い出
を込めて作られたのではないかと想像しています。

ピレネーの美しい山々を背景に祖国フランスへのトレネの愛がよく表
れている曲で、トレネの他にもいろいろな歌手がカヴァーしています
が、やはりトレネの温もりのある優しい歌声で聴くとこの歌にこめら
れた故郷への想いが際立つように思えます。

今日はトレネ自身の歌唱とジャックリーヌ・フランソワシャンソン
の友(Les Compagnons de la Chanson)
, 木の十字架少年合唱団
( les Petits chanteurs à la Croix de Bois)
の歌唱 でこの曲を聴い
てみます。


Mes jeunes années
Mes jeunes années
Courent dans la montagne
Courent dans les sentiers
Pleins d´oiseaux et de fleurs
Et les Pyrénées
Chantent au vent d´Espagne
Chantent la mélodie
Qui berça mon cœur
Chantent les souvenirs
De ma tendre enfance
Chantent tous les beaux jours
A jamais enfuis
Et comme les bergers
Des montagnes de France
Chantent la nostalgie
De mon beau pays


僕の青春の日々が
山をかけめぐる
小鳥と花に溢れた
小道をかけめぐる
そしてピレネーは歌う
スペインの風にのせて
僕の心を育んでくれた
あのメロディーを歌う
幼い頃の
優しい思い出を歌う
二度と戻らぬ
麗しい日々を歌う
そしてフランスの山に住む羊飼いのように
僕の麗しい故郷への
郷愁を歌うのだ


Loin d´elle loin des ruisseaux
Loin des sources vagabondes
Loin des fraîches chansons des eaux
Loin des cascades qui grondent
Je songe et c´est là ma chanson
Au temps béni des premières saisons


山から離れ、小川から離れ
消えてはまた現れる泉から離れ
涼しげに歌う川のせせらぎから離れ
水音を轟かす滝から離れた今
僕は想うのだ それこそ僕の歌
めぐり来る恵みの春の歌だと


Mes jeunes années
Courent dans la montagne
Courent dans les sentiers
Pleins d´oiseaux et de fleurs
Et les Pyrénées
Chantent au vent d´Espagne
Chantent la mélodie
Qui berça mon cœur
Chantent les souvenirs
De ma tendre enfance
Chantent tous les beaux jours
A jamais enfuis
Et comme les bergers
Des montagnes de France
Chantent le ciel léger
De mon beau pays


僕の青春の日々が
山をかけめぐる
小鳥と花に溢れた
小道をかけめぐる
そしてピレネーは歌う
スペインの風にのせて
僕の心を育んでくれた
あのメロディーを歌う
幼い頃の
優しい思い出を歌う
二度と戻らぬ
麗しい日々を歌う
そしてフランスの山に住む羊飼いのように
僕の麗しい故郷の
晴れやかな空を歌うのだ


(私訳)

≪フランス語のポイント≫

第1連
Qui berça mon cœur
bercer:元々は(赤ん坊などを)優しく揺するの意味ですが、
ここでは「(快いもので)育む」の意味。

ma tendre enfance = ma petite enfance, ma première jeunesse

à jamais = pour toujours, enfui(s) = disparu(s)

第2連
Loin d’elle:elle はmontagneを受けます

sources vagabondes:sourcesは「水源」「泉」、vagabondesは元々
「放浪の」意味ですが、ここでは湧き水が「現れたり消えたりする」
ことを表しています。4行目のgrondentと韻を踏んでいます。

c’est là~ : 「それこそ~」「それはまさに~」 
例)Ce sont là des erreurs impardonnables.





トレネ


ジャックリーヌ・フランソワ


シャンソンの友


木の十字架少年合唱団