夜の帳が降り、暗闇に浮かび上がる宝石のような輝き

 

生ある物が静寂する中に活動する「眠らない夜の世界」

 

夜の工場の明かりに何故こんなに魅かれるのだろうか

 

それは本能的に暗黒の夜への不安と畏れ、孤独感など

混沌とした負の心理に、唯一点の明かりに安堵を得る

 

そんな気持ちから端を発しているのだろうか・・・?

 

 

 

 

 

 

「セミさん、ありがとう」

 

 

危険な猛暑とニュースで言ってる炎天下、週一に

 

お山に荒行鍛錬に今日も行って来た。

 

物凄い猛暑の中、風は時折に微風程度、うだる様な

 

過酷な状況で突き、蹴り800本、頭突き200回

 

打ち込みをする、正に寿命を削る荒行鍛錬。

 

胃潰瘍で3kg痩せた事でズシリ、ズズンの衝撃も

 

今一つだったが負けていられない。

 

500本打ち込み終わる頃、激しい動機と息切れに

 

見舞われたが、その場を数メートル行ったり来たり

 

僅か1~2分の小休止を3回程、繰り返した。

 

もしここで5分以上も座り込んだら、もう立てなく

 

なってしまっただろう。

 

ふと、その時、足元に一匹のセミが倒れ込むように

 

舞い降りて来て転がった。

 

炎天下の陽射しにダウンしたのだろうが、このまま

 

放っておけば大型の山アリの集団の餌食になる。

 

そっと掴んで近くの樹木の枝に乗せてあげた。

 

しばらくしたら、再び元気を取り戻して飛び立って

 

行った。

 

 

こういう事は今までも何度かあるが、荒ぶる覇気の

 

中で、弱くて小さな命への労りに気を配る。

 

自然の中での剛と柔、というより、ほんの一瞬だけ

 

荒行を停めさせた一匹のセミが自分を救ってくれた

 

使いだったのかもしれない、一息休みなさい!と。

 

セミさん、ありがとうな~。