十二国期 風の万里黎明の空 終章
地位でもって礼を強要し、他者を踏みにじることになれた者の末路は昇紘の例を見るまでもなく明らかだろう。
そしてまた、踏みにじることを受け入れた人々がたどる道も明らかなように思われる。
人は誰の奴隷でもない。そんなことのために生まれるのじゃない。
他者に虐げられても屈することのない心、災厄に襲われても挫けることのない心、不正があれば糺すことを恐れず、豺虎に媚びず、-私は慶の民にそんな不羈の民になってほしい。
己という領土を治める唯一無二の王に。
そのためにまず、他者の前で毅然と首を上げることから始めてほしい。
諸官は私に、慶をどこへ導くのだ、と訊いた。これで答えになるだろうか。
その証として、伏礼を廃す。-これをもって始勅とする。