本当に久しぶりに上野公園へ行き、芸術の秋を満喫した。最近は長時間歩くのがしんどくて、博覧会、展覧会など、またデパートのウインドウショッピングも敬遠。なんとなく出不精になり、これじゃすっかり老人だ。今回は、人出の少なそうな日、時間を考え、いつも会場のあちこちに椅子を用意してくれている展覧会へ、一人ふらりと出かけた。心の落ち着く日本画展へ。

秋の院展へ、午前中に出かけた。静かに、ゆっくり一作一作を見て回る。ちょっと離れて画面全体を眺め、それから近づいて、ち密な筆の跡に嘆息する。作家の労力の結集の一部でも体感しようとする。部屋の隅に椅子があると、まだ疲れていなくても休息する。そしてそこから部屋の中の作品を一望する。

人出は少なく、会場は静か。贅沢な気分になる。腰は大丈夫だった。数年前なら、別の会場まで足を延ばし、展覧会の梯子をしたものだ。同じ美術館で注目の洋画展をやっていたが、無理は禁物。梯子をする気分にはならない。さて十分余った時間、どうしようか。

2時から作家先生の作品解説があるというので、食事をして、時間があり、体力が余っていたら、また舞い戻ろうか。

上野に来ると、入場券がなくても入れる西洋美術館のレストランでステーキランチを取ることが常だった。こちらも久しぶりに寄ってみようかな。ランチタイムで行列していたが、それほど待たずに順番が来た。メニューにステーキランチはなく、ミートランチをオーダーする。出てきたのは牛肉のステーキだった。中庭を眺めながら、肉を完食すると、なんだか元気もりもり。又院展に戻る気力が湧いてきた。

院展会場はあふれるほどの人がいて、作家の話を待っていた。作品が展示されている若い画家もいたが、ほとんどが中年・老年の女性で、会話を聞いていると、趣味で絵をやっている人が多いみたい。体力気力十分で、絵のポイントを学ぼうと意欲的だ。先生の解説する絵が見えないほど。彼らに圧倒される。
とにかく十分満足して、会場を後にした。