ゲハ物語#01 ~愛こそすべて~
まだ見ぬ星が消え、また新しい星が生まれる。これが宇宙の原則である。
今朝、富山が死んだ。紋枯病(もんがれびょう)という病との戦いの中、無様にも散っていった。
肥料の与えすぎが原因だった。彼の死を惜しむクルー達の中、しゃきん太だけは歓喜していた。
まこ8「豚が死にましたねぇ。冷凍保存庫にでも入れて家畜用の飼料としてとっておきましょう」
彼の判断と行動は早かった。それを止めるものはいなかった。そして富山の存在を誰もが忘れた。
『イン・キン・カィー!イン・キン・カィー!』
静寂に包まれていた船内に、緊急アラームが鳴り響く。
マリ「軌道上に巨大な隕石。早く消して」
このロボットオペレーターは試作機の段階にあり、まだ感情というプログラムが入っていない。
しょぼ「ロボマリ?窓から投げ捨てちゃってよw」
マリ「うるさい死ね」
マリに感情が芽生えたようだ。
ぷち「おい、しょぼんたcoopで隕石落とそうぜ」
しょぼ「ぷちうざいわぁ」
ぷち「うざいとか関係あらへんわ。古参やからね」
文句を言いながらも軌道上のゴミを撃つ彼らは満面の笑みだった。
シド「・・・緊急アラームが鳴ったのに、ドッグに集まったのはこの二人か・・・」
彼の名はシド艦長。ワンテンポ遅い会話は、物事をよく考えてから発するためであり、
冷静沈着な様は艦長としての尊敬のまなざしを集めている。
sAGe'O「Mr.シド、"不毛ノ星 セガサターン”マデ、アト一週間デス」
sAGe'OはこのマザーシップのCPU。いわゆる頭脳である。敵や星、あらゆる武器のデータベースを管理し、
この宇宙探査に欠かせない存在である。
しゃきん太「不毛・・・だと・・・?」
シド「・・・やっときたか」
しゃきん太「艦長ただいみゅ」
シド「・・・。他の者はどうした?」
マリ「ハマティはずうっとゲーム。邪道は部屋から出てこない。にせ8は何をやっているかわからない」
シド「・・・。」
まこ8「遅れましたねぇ」
シド「・・・。」
一行が最初に目指す、「不毛の星 セガサターン」到着まであと一週間・・・
団結力の無い彼らが目指すセガサターンには何が眠っているのか・・・
次回「ゲハ物語#02 ~そこに、あなたが・・・~」
勇者王に俺はなる!