現在メインのAudio用PlayerとしてDV-610AVにDigital信号を直出しに
してDAC(自作)に送って音楽を楽しんでいます。DV-610AV内部のDigital
信号は3.3V系であるので、74HCT(入力がTTL)のICで5V系に変換している
のですが、ここで問題が発生しました。192KHz時のみノイズにまみれる
ようになったのです。調べてみると、BCKが192Hz(176.4KHzも同様で
あるがタイミングは確保できている)では貧相な三角波になってしまうのです。
どうやらDSPの出力がDrive能力不足なようで、fsが高くなると周波数限界で
十分な力が発揮できないようです。一番高い周波数はMCKで、こちらも
同様の三角波なので、DV-610AVは途中でBufferを入れて補正しています。
もうひとつ不利な条件として、負荷となるDAC ICが、DV-610AVに3個
搭載されています。すると、MCK,LRC,BCKは負荷が3個、DATA信号だ
けはそれぞれ別の信号が供給されるので、負荷は1個だけです。
LRCは一番低い周波数なので、波形はさほど鈍化しません。
MCKの次に高い周波数はBCKで負荷が3個と重く、かつ、
192KHzのときは12MHzを超える周波数となり経時変化で徐々に
劣化してきたのだと推測されます。このPlayerが発売された頃は、
192KHzの音源はさほど多くありませんでしたが、現在は
かなり増えていて、私自身も積極的に聴いていますから、劣化に拍車を
かけたようです。DSPの出力が劣化するので救いようがありません。
DCを切って、74HCT ICの入力閾値にバイアスをかける回路で乗り切ろう
としたのですが、はやり劣化が進むとData信号とのタイミングのずれで
またノイズまみれになってしまうのです。今後もいたちごっこになりそ
うですが、閾値の調整などで騙し騙し使うことになりそうです。
さて、ここからは音質改善に関する朗報です。他社製DSPではどうな
のかまだ調査はしていないのですが、Drive能力不足のMediaTec製DSPで
は大きな効果がありました。また、Jacopas回路非搭載の通常のPlayer
でどれほど効果があるかも不明です。
改造自体は抵抗を1本追加するだけの超簡単な改造なので試してみて
ください。Player内部のLRC信号をDSPの出力で2KΩ程度の抵抗で
3.3VにPull-Upするのです。これで、LRCの立ち上がり時間が短縮し、
結果としてJitterが低減します。Jacopas回路搭載機では効果絶大で、ついに
192KHzの真価を感じられる領域にまで到達できました。UX-1+G-0Rbでも
192KHzなど4倍fs系の恩恵を預かるには程遠く、ずーっともがいていま
した。いったいどの音源が本当の意味で優秀なのかが判り始めたのも
Jacopas回路ORGが実現できてからでした。
私の手持ちで優秀だと感じている音源を紹介しておきます。
・Running of Empty(孤独のランナー):Jackson Browne(DVD-Audio)
Major系のDVD-Audioは大体持っているの(Silverlineのが多少漏れて
います)で192KHzの音源で最も優秀なのはこの作品でしょう。彼の作品
の中で最も売れた(LP,CDで)ものだそうです。Live Albumですが、
StudioでのLive音源も含まれています。あまり加工されていないので非
常に生々しいです。もし見つけたら是非ゲットしてください。ただ、日
本では入手が難しいかもしれません。海外のショップで売れ残っている
かもしれません。
・Atom Heart Mother(原子心母):Pink Floyd (DL)
2021年に発売されました。彼らの作品がほぼ全て発売されています。
RM自体は2016年のもののようです。DSoTMとWYWHは限定のBoxを購入しま
した。このBDに収録されているのは96KHzでしたが、DL版には192KHzが
メインです。但しDSoTMのみ96KHzまでです。このAHMには驚きました。
Title曲のコーラスの音の密度の高さと奥行き感には圧倒されました。
初版のUK LPならこんな音が聴けるのでしょうか?SE系の音なんかも秀
逸で音楽的にもAudio的にも楽しむことができました。MeddleとWYWHも
192KHz版をゲットしたいと思います。さすがに高価なのでPrice Offの
ときを狙います。
LRCのPull-UpはDAC Unit側でも効果があるかもしれません。
Receiver ICの出力でも試してみたいと思います。